少女終末旅行/キノの旅/宝石の国/魔法使いの嫁

少女終末旅行・2話。「この世界はもう自分たち二人だけなのではないか」「ていうかもう死んでいるのではないか」などと視聴側がうすうす思ってることをそのまんま軽く口にしつつ、本人たちは無機的な世界をケッテンクラートでふらふらと旅している。今回は風呂入って本焼きかけて洗濯して魚喰った。…ていうかあれ、ホンマに魚なのかしらん。まいいや。

発電所の遺構で湯を見つけて風呂には入る二人。今回のラストで巨大かつ奇妙な階層的世界の様子が出てきたけど、一体にこの世界は無人化してからどのくらい経過したものなのやら。…多分俺だったらこの湯の場所から動けなくなるだろうなあ。お話としてとてもつまらないことだけどさ。あと、風呂入って洗濯したからさっぱりされたでしょうけれども、てことはそれまでは風呂なし洗濯なし。さぞかしくさいおじょうさんたちだったのでしょう。うん。

OPとEDがお目見え。OPはポップでパキッとしたアートスタイル、EDはラフなガシャッとしたドローイングながらぽこぽことよく動く絵面。どちらもなかなか目を引く絵であって「難しいだろうけど本編もこのくらい独特な味があるとおもろかったのにな」と思う。思ってたんですけどね、スタッフ見てたらエンディングアニメはなんと原作者ですってさ。…酔狂にも程がある! アニメータの手遊びマンガってワケでもなさそうだし、すげえなこの人。

キノの旅・2話。緑溢れるエエトコだと聞いて立ち寄った国は、酷薄そうな王の下コロシアムで人殺しエンタテイメントを推し進めるガラわっるい場所に変わってました、という。1話んときからすでに方向性は示されてはいたのだけれど、キノさんがどういう人なのか、ってのを割と具体的にお見せするという話でもある。シチュエーションが提示された段階で「あ、こら試合にかこつけて王様をぶっ殺しちゃう腹積もりだな」ってのはすぐ判るのだが、最後に国まるごとバトルロワイアルにして阿鼻叫喚を引き起こした後ずらかり去る、というのはちょっと思い至らなかった。そういうことをあまり厭わない人なんすな。うん、スパッとしてていいね。

今回のゲストは刀の達人にしてもと王子様、というなんかズルい属性持ちのシズさん。いかにも再登場しそうなキャラの立たせ方だったけど、さてどうなんでしょうね。髪の毛のデザインとか明らかにキノさんソックリに描かれてんのは単に「似たような精神性を持つ」という説明だけのことなのか。あとこの人は合い方にしゃべる犬を連れているんだけど、彼に対して大仰に驚くエルメスさんがなんか可笑しい。MtGアンヒンジドのカード「Laughing Hyena」のマフィンギャグ思い出したよ。

宝石の国・2話。フォスさんはやることを探して苦労してんだけど、本人の性格がアレなのでそんなに苦労してるようには見えない。とりあえず一番硬度の高いダイヤさんに聞いたら何か判るかなーちうて尋ねてったらまた月人出てきて、ついでに兄弟のボルツにこじらせ気味な愛情持ってることが明かされて、うんまあ重い人なんやね。…しかしダイヤの人、声が茅野さんな上にいかにもフェミニンな物腰とキラッキラした御髪でもってすげえキャラ立ってんなあ。ヅカの男役っぽい宝石が多い中でこの立ち位置は割と特異ではある。

とか言うてたら月からのでんでん虫が来襲して、みんな割とのんきに構えてたらフォスさんが呑み込まれて…えええ、溶けちゃったの?! この人が主役だと思ってたけど、これカンペキに溶解しちゃってますやんか。傷はともかく溶けたらどうなるか判らないそうだが、…これ体や記憶を再構成できんのかな。

今回登場のボルツさん、攻撃的でぶっきらぼうな性格に合致した真っ黒ストレートな外見が実にスタイリッシュでよろしい。なんかその筋の人気高そう。月人と戦って髪を空に流しつつ落っこちてくる辺りのモノクロな美は、この時代のアニメならではだなーとか思った。

魔法使いの嫁・2話。自分を奴隷として売り出したチセさんの過去は、案の定なんか辛いものがありそうでありまあそういうことである。魔法使エリアスに師事し、そういった虚無性がほぐれてゆくことがしまらくの主題だろうか。そのエリアスも一見怖ろしげ、話してみると意外と優しい…というだけじゃあなさそうではあるが。これ、裏表があるというよりは「浮世離れしている」という面の方が強そうではあるな、今んとこ。

協会から睨まれつつも共生するために、いくつかのミッションを受けてまずアイスランドへ向かったら早速ドラゴンにさらわれるチセさん。このへんテンポがいいというよりはすげえいきなりな展開で少々面食らう。それだけドラゴンの脅威がすごい、ってことではあるんだろうけどね。あとエリアスの世を忍ぶ人間形態、パッと見ィで「やらっしい顔してんな」と思ったら劇中でも胡散臭い言われてて納得した。確かに人間化するならあんな感じではあるかもしれない。