●宝石の国・8話。フォスさんが腕を失ってアンタークさんが探してたら結果的に月人にさらわれてくまでの話。腕がなくなったからどうするもんだろうと思ってたら試しにくっつけた金が割としっくり馴染んだものの、これが非常に癖のある属性をフォスさんにもたらしてて…ねえ。キャラの成長と変化は物語を進める上で重要なものだが、生物的な「成長」がない宝石たちの中でほぼ独占的に「変化」していってるフォスさんはそらまあ、主人公になるわなあと再認識する。
しかし何というか、その変化は彼にとって本当に険しいもので、ホンマよう考えるなあ毎度々々と感心するものだ。アンタークをさらっていった月人にイヤボーンっぽく覚醒して追撃をかけるあたりのシーン、文字通り身をすり減らしながらも追いすがろうとする彼の様相がすっげえドラマチックでちょっと唸る。メノウの脚に金の腕、恃みの身体は欠け落ちる…能天気な末っ子としてのフォスさんに、なかなか重たい物語を乗っけるものだ。物性の比重的にもね。
金の腕付けてもらったけどなんか上手くいかなくて四角くなっちゃった姿、何かで見たなーと考えたら六面体結晶の黄鉄鉱だった。アレは愚者の黄金なんて呼ばれてますが、そういう皮肉もあるんでしょうかしらね。
●魔法使いの嫁・8話。ナゾの魔法使いとの対立の最中にて、チセさんはブラックドッグであるルツと使い魔の契約を結ぶ。契約と関係性、それは人や精霊、動物たちがこの世に在る大きな理由ではあるが…件の魔法使いは生物の本来を「他者を使い潰すこと」だと思っているようだ。一方的な関係はイビツだけど、彼はそのイビツさを有するのに、あるいはそれ故に非常に強大である。今回は各人の大技小技で引いていったが、次に出てくるときは今回以上に厄介なものになりそうですな。
そして…あーなるほどね。この魔法使いは「かつて神の子に不死の呪をかけられた者」ってことは、さまよえるユダヤ人なのか。カルタフィルスって名前は前に出てたっけ? それで検索したら出てきたから普通に開示情報だったんだねえ。これまた大物であり、そりゃエリアス程度じゃおちびさん扱いされても仕方ないか。…今後もこんな感じで伝承的な有名どころが出てくるといろいろおもろいだろうな、と思った。
今回ゲストの妖精はウィルオウィスプ、声は(コメディキャラの時の)石田彰。こないだの佐久間レイとか大友龍三郎とかもそうだけど、大御所を持ってくる上にキャスティングが面白い作品ではあるな。ワンポイントキャラが多いとこういう楽しみがあるもんですわな。