アリスと蔵六/リトルウィッチ/有頂天家族

アリスと蔵六・10話。もしゃもしゃするサナさんはまずアユムさん、そしてハトリさんを自分のワンダーランドに引き込んでとっちめようとする。なんでもできる全能のいたずらっ子が、しかしその精神性は歳相応のお子ちゃんなので、小学高学年のおねえさんにはすっかり振り回されちゃうってのはなかなかにペーソス。反抗期やら思春期やら真っ只中のお姉さんたちの、鬱屈と屈折にはかなわないわよね。まあね。

どうやらハトリさんとサナちゃんの間には能力の「相殺」が働くようで、サナさん得意のなんでもできる能力はどうにも頼りにならない。そこにハトリさんの重たいバックグラウンドの思春期理屈ぶつけられたもんで、いろいろあってサナさんの強大な能力は暴走…でいいのかな、ともあれ世の中にアリス能力がぽろぽろこぼれ出す、と。夜中の都市に突如できあがった観覧車ってのはシュールだけど、梅田に似たようなのありますよね、とか思ったりした。

さて。このゴテツキ方だと最悪破滅方向にも行きそうだけど、この作品のこれまでの流れだと何となく小学生コンビもそのうち友達になるんじゃないかな、って感じがする。いやそうだったらエエな、ってとこだけども。ともあれ、サナさんはお姉さんたちにおもうさまもしゃもしゃをぶつけられるといい。子供と大人の境界線ってそんなもんである。多分。

リトルウィッチアカデミア・23話。シャリオ/アーシュラの秘密を知ったアッコは失踪してしまう。あっちこっち探す皆様だけど、ここで先頭に立って状況を率いてるのがダイアナなんですよねえ。こりゃ今回でひょっとして…と思ったらやっぱし、ここでシャリオがらみの告白シーケンスをやりましたな。学園に来たアッコがうらやましかった、包み隠さずシャリオのことを言えるアッコが妬ましかった。…流石ダイアナ。こういう時に真正面の言葉を使えるってのは本当に、性根がストレートなのだなあ。

そしてシャリオの回想はクロワと魔法とその喪失の話。なまじ杖に選ばれ楽しいアトラクションをやらかしたばかりに、この衰えてゆく魔法世界においては観客の視線はどんどん厳しくなってゆく。人を犠牲にしないよう、精一杯の魔法でちまちまっとパフォーマンスしたら観客からブーイングが飛び、焦りで追い詰められてくあたりの容赦ないキツさはこれ…脚本家の味だろうなあ。なんというか、最終的にエライコトになっちゃったのもその状況と、そしてクロワとのめんどくさい依存関係によるものだったと言えるだろうか。めんどくさいよね、この人。

失った魔法/希望を取り戻したのはシャリオのおかげであると言うダイアナ。皮相な見方すりゃそれってマッチポンプやんけってなもんだけど、確かに見た者の心に何かを残せるってのはまた別の魔法のようなものなのかもしれない。怒りや悲しみなど、クロワ先生が集めようと自演自作しているそれらの感情には多分、あとに残る魔法のような感情は無いだろう。そこが大きな差異となるか、どうなるか。どうでしょうかね。

…あと何だね、あの石造りの橋は出会いの場所の魔法でも掛けられてんのかね。スーシィがアッコ探しにあそこ行っちゃったにはニヤリとしたけど、シャリオクロワもあそこで話してたしね。

有頂天家族・10話。弁天VS二代目は一応、表面上は、表向きは何事もなく収束する。されど…二代目はともかく、弁天様のいささか鬱屈した言明はどうにも怖ろしい。そらまあ矢三郎も逐電しようというものだ。自業自得とかそういうのはまあ、置いといてではある。しかしテメエんとこの弟子が選ばれなかったからって破門しちゃうってのは理不尽でひどいと同時に赤玉先生らしいな、って気はします。天狗ってそういうもんなのだろうなあ。

そしてクリスマス近辺、偽右衛門選挙・金曜倶楽部例会・つまり父の命日に、矢一郎は晴れの日を迎える。あっちこっちに火種や懸念はあったが今は無い…はずであるが、どうにもこうにもキナ臭い雰囲気を拭えないのはどうしたことだろう。父の回想で「世が全て敵となったら切り札は兄弟だ」とかしゃべらせるから余計にアカンフラグが来てるような気がする。とりあえず、四国の金長狸ンとこに居たヤサグレ呉一郎さんは…あれがホンマモンだとしたら京都の呉一郎は一体誰だ。まさかに早雲ではないだろうが…さて。ともあれ、多分これは矢一郎、あるいは下鴨一家がヤバいってことではある。

そんな中アニキを困らせる為にカケオチしてやんだーなんてかわいったらしいこと言うてる海星も、そして矢三郎も凶弾に倒れるという急展開。ここで天満屋ですかあ。あと2話だっけ3話だっけ、座して待つ。