アリスと蔵六/リトルウィッチ/有頂天家族

アリスと蔵六・6話。先週までの大騒動と打って変わって落ち着いた日々、サナちゃんが樫村家でその居場所を得るまでの一日の話。割とどうでもいいような細かい日常のあれこれが何やらあたたかくていい。季節的にはさぶい頃であり、中途半端に現実とズレちゃってんのがなんか残念なくらい。あの、朝起きて寒くてお外の新聞取りに行くのも一仕事だー、みたいな日常ネタをキッチリ共感したかったなーとかねえ。

後半は蔵六の仕事を挟んで(あのヤクザ婚約してたのか…しかしあの年齢は犯罪では? 犯罪でなくても犯罪では?)、サナちゃんの散髪と迷子。美容室に独りになった段階で「ああ。これは迷子フラグだ」とか思ったらその通りで、ワシこういう幼子が所在無くなるってのかわいそうでならんのであり、結構すぐ見つかったのでホッとしたですよ。まあ、そんなこんなの出来事を1話にして積み重ねておいた上での、養子縁組ラストがちゃんと効いてくるのではあるけどね。

花屋としてテキパキと動く蔵六と店員さんがなんか面白い。これ、ちゃんと取材したんだろうなあという面白さがあって、このシーンだけぼーっと見ててもあんま飽きそうにないなと思った。あとサナさん、経験のない匂いは全部「くさいな!」なのが子供っぽくて微笑ましいです。はい。

リトルウィッチアカデミア・19話。今回はダイアナ担当回、それも前後編の前編。流石に物語の根幹に関わるキャラだけに大きな扱いである(まあ作画的には前回のトリガーのベテランバカども総出演の方がアレだったんだけども…アレと比べるのはズルいよね)。キャベンディッシュ家の当主となるため学園を去ると言うダイアナにいろいろ納得がいかないアッコが、今回もあんまり何も考えずにダイアナん家に乗り込んでゆく、とまあそんな前編。

ダイアナが「弁えている人」であるのに対してアッコは徹底して「判らない人」であり、それが瑕であると同時に強みでもある。ロッテスーシィ、そしてアーシュラ先生はその辺をよく判っているワケでんな。イケズな叔母に家を乗っ取られようとしているダイアナは苦労するだろう(そして多分乗っ取られるだろう)が、この調子ならアッコさんがいい具合に擾乱してくれそうだという妙な信頼感があります。…不当な扱いをされるアッコをかばったりシャリオカードを慌てて隠したり、視聴者側にはどんどんデレてるのが見える構成が判りやすくてよろしい。

感じ悪いダリル叔母さん、このちょっとチャイルディッシュなオバハン声誰だっけなーと思ったら安達忍でしたか。最近はたまに忍たまで聞くくらいだったからすぐ思い出せませんでしたよ。元気そうで何より。

有頂天家族・6話。淀川先生が出てきたと思ったら失脚してた。どうやら前シーズンで金曜倶楽部の面々と袂を分かつことになったのが苦労の原因らしい。今シーズンでは未だ本格登場していない寿老人、彼がどのように暗躍するのかがなんか重要になりそう。とりあえず舞台は有馬に移動、金曜倶楽部をだらだらと追っかけてここまで来た矢三郎であるが、その中心にて実に意外で怖ろしい人物…いや、狸物に出会ってしまう。てことで夷川早雲満を持しての登場、いやあ悪役のせり上がりだねえ。

狸のクセしやがって金曜倶楽部に入って狸を喰うつもりなのか知らんが、とにかく早雲は剣呑極まりない。矢三郎はあっさり地獄絵に落とされ、さあどうしたものかな…ってとこで弁天様に出会って引っ張り出してもらうのだが、弁天さんは何しにこんな辛気臭いとこに来てたんだろね。まあ天狗のロジックなんか判らんけどさ。…相手が鬼に化けた矢三郎だと気付いた瞬間の、いつもの超越性を感じさせない「あら!」ってなビックリ具合が可愛かった。弁天様、矢三郎好きだよね。どういう「好き」かは議論の余地があるけれど。

絵の中の地獄世界は昭和の高度成長期をネガティブな方向に戯画化して廃墟にしたみたいなヴィジュアルで、パッと見の派手さはないけど実に陰鬱でなんか良い。そりゃこんなとこにずっと居たら精神が参ってしまいそうだけど、こういう廃墟美ってのは実際あるとは思う。…どうやら鬼の世界も産業革命らしいし、地獄も時代に合わせて変わるってことだろうか。天国やら極楽もそうだとおもろいんだけどなあ。