アリスと蔵六/リトルウィッチ

アリスと蔵六・9話。前回登場のダウナー小学生コンビ・ハトリさんとアユムさんはやっぱり暗い、というか負のスパイラルに入りつつあるようである。ハトリさんは自分の能力により他者を傷つけることに対して間接的に恐怖を覚えている、のだろうか。最終的に「仲の良かった両親」という退避壕に自分から引きこもっているように見える。これじゃアカンとアユムさんは飛び出して行くのだが、そこにサナさんが「こいつらをとっちめてやろう」と満を持してやってくる…これが彼女たち全員にとっていいことになればいいけれどねえ。この子たち、みんな未熟だからなあ。故に蔵六が参画してくることも重要なのだけれど。

双子を含めたサナさんちの日常パートは、こういっちゃ何だけど個人的にこの作品のシリアスパートよりもワシ好みではある。いちいち拾ってくる「あー、こういう感覚ここちよいよね」というディテイルがなかなか楽しい。みんなでお泊りするという普段と違うスペシャル感、特に「狭い部屋に布団がどっさり」という…この幸せさを拾ってくるのはとてもいいなあ。どっさりの布団って、ワクワクするよね。

とまあそんなサナさんたちパートに対し、もうとんでもなく逆方向に色相を振ったハトリさんパートの画面の青さ・彩度の低さたるや。寒々しい雰囲気がそのまま彼女(と両親)の心の欠落を示しているようでなかなか怖い。上でも言うたけど、この閉塞感をまずサナさんがぶっ壊してくれるといいんだけどね。さて。

リトルウィッチアカデミア・22話。アッコがアーシュラ先生の「秘密」を知る話。視聴者にとってその秘密とは「アーシュラ=シャリオ」であったのだが、ここにきて更にその奥にもっとキッツイ真相があったことが明らかとなる。アッコが魔力を持っていないことが、魔法への憧れの根幹と不可分に結びついていた…ってのはなかなかにキツイ。Aパートでアッコのモチベーションとしてのシャリオを称揚しといた上でのあのBパートという、効果的かつ教科書的な突き落とし方がすんばらしゅうございます。…多分ダイアナの魔力消失もこのイヴェントによるものだろうな。

シャリオさんの「失敗」を生かし、クロワさんは夢見る力などのポジティブな意思ではなくネガティブな感情で魔力を補おうとする。悪感情を吸い取るといえば聞こえはいいけど、供給源として安定化するなら悪感情をコンスタントに発生させなければならないワケで、つまり魔女世界の存続の為に人間世界を常にギスギスさせておく必要があることになる。あのサッカー対立もクロワが助長(ヘタしたら創造)したもんだろうしね。そこが対クロワ側の肝になるだろうか。…あれイングランドアイルランドなのかな。

後半を中心に今回もエエ絵が多くてよろしかった。バトルシーンもいいけど、アッコがクロワのサイコロビットみたいなのを追っかけて走る作画がとってもカッチョ良くてほほーっつっちゃった。そういやこの作品はアニメ作画界がモデルのとこもあると聞きますが、アーシュラ先生みたいな原画マンも居たってことなんすか! 業界からも軽く見られてたけど師匠として慕ってた人が実は創作上ひどいことしてたとか、そういうことですか! 違いますか、そうですか。