有頂天家族

有頂天家族・11話。夷川一家の周到な陰謀により、次々と確保され絶体絶命となる下鴨一家。弁天の気まぐれ(だか何だか)によって辛うじて包囲網を脱出した矢三郎も、結局敵の手に落ちる。なんか知らんやたらと表情にカゲをさしている早雲の計略は成功一歩手前。海星と矢四郎だけでは蟷螂の斧かもしれない…となると、あとの頼りは矢二郎兄さんだろうか。とかまあ、そんな話。

全編にわたって結構緊迫した雰囲気のお話で、ラスト近いって感じではありますな。矢三郎が再三言及するとおり狸というものは阿呆を身上とするものであり、その流れから言えば金閣銀閣は確かにまあ阿呆ではあるが今はほっといて、問題は早雲である。この人は…狸はちょっとマジ過ぎる。そこまでカツカツと思いつめてしまった原因もあるのだろうが、まァね。どのみち阿呆の狸には似合わない、人間界の狸のようなことではある。…ここで出てきた寿老人なるお人もアヤシゲよなあ。金曜倶楽部ってのは何なんでしょうねえ。

とまあ割と重苦しいサスペンスの中、やってることや意図してることは結構エゲツないものの、やっぱり金閣銀閣は絶妙の間合いでバカですな。この辺のシーンは矢三郎がひたすらストレートに文句言うてるのも相俟って、どうも危機感が薄くて可笑しい。それだけに、このちょいとユーモラスな情景を毀さぬよう、矢三郎さんには何とかエエ感じの活躍をして欲しいところではあるが、ね。とらえどころの無さ過ぎるジョーカーとして、弁天様がまた不穏な介入でもされますのでしょうかしら。さて。