コンクリート/うしおととら

コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG・4話。地中深く住まいする、悪魔とも言うべき謎の存在・デビラとデビロの姉弟二人。人間は彼らのテリトリーにも進出しようとしており、両者の衝突を憂う超人課と忍者部隊はそれぞれの立場で動き出す。そんな時、弟デビロが地上に出現するのだが…というスジ。こういう流れなら多分、人間側とデビラたちとの大立ち回りの後にほろ苦い結末、みたいな感じになるかしら…と思ったら、なんかスゲエ終わりかたしましたよ! デビラさんたち宇宙行っちゃったよ! 地上へ来たのはデビロさんの修学旅行だったんだってさ! なんかスゲエ。

ものすごく当たり前のことを喋りながら歩き、その言葉によって人々を動かしてしまうというデビロさんの能力。洗脳だの何だの以前にれ、デビロさんの自我がそのまんま周囲に漏れ出してっちゃってるという感じやな。超人というよりはもはや超自然現象に近いほどの顕現を行い、そのまんま宇宙に去って行く姉弟の姿は多分、細かいことで争ってる人/超人たちの矮小さとの対比ではあろうか。にしても忍者部隊赤光、お前らは無能か! 以前はもうちょっと脳みそあった気がするぞ! 大丈夫か!

脚本は再登場の辻真先。こないだのサザエさん回ともまた違った手触りの話であって元気やなあ。どこか駘蕩とした雰囲気なのが年輪を経た者の味ってやつなんでしょうかね。…デビラとデビロの元ネタって何だろ。序盤は妖怪人間かなとも思ったけど全く違ったしなあ。

うしおととら・31話。秋葉流、一世一代の大激突の巻。何をやっても超一流故に逆に世間から疎外され…いや、自分で勝手に離れていったというべきか。ともあれヒネてヒネ切った流兄ちゃんがその死をもって状況のゆがみを贖うというお話ですな。やりたいことやり通して勝手に退場するという、本人の苦悩も深いだろうがある意味恵まれたキャラとも言えるだろう。ま、この後も出番はあるんだけどね。

今回はアクションも然りながら、要所要所での流兄ちゃんの表情が最大の見所だよねえ。序盤の諦観し見透かしたような目、中盤の攻撃性前回の顔、終盤の切羽詰った余裕のない表情、最後の全てのしがらみから抜け切った様子。その一枚でちゃんと画面を成立させられるような、とても濃密な気迫が感じられるあの顔がよろしい。細谷さんの演技もそれに相応しい、ごっつ濃いものであって充分な聞きどころである。戦い終わってへたり込む流さんの周囲に降り注ぐ「ガラスの涙」が美しい。こういう印象的な絵作りはやっぱ上手いなあ。