はがきをめぐる冒険

●妥協の産物ながら一応来年の年賀状の図案はできた。問題は今ワシ、プリントができなくなっちゃったんだよね。どうしたものか新型のプリンタでも買ったものかと調べてたら、近所のコンビニにてはがき印刷サービスやってることを知る。自前のはがき持ってって、印刷図柄もUSBメモリでオッケーらしい。カラー印刷一枚60円とそこそこの値はするが(まあコピーやもんね)、ワシのように10枚程度の印刷ならそれほどの出費でもない。よしこれでやってみるか。

結果だけ言うと、案外上手く印刷できた。画面のガイドに従ってあれこれやればそれほど難しくもない。テメエの機械じゃないので何枚もテストプリントするとかはやりづらいが、画面比率や色調もまあまあ悪くない程度に合わせてくれるのでよしとする。うん、たまに印刷したいなと思うくらいの頻度なワシであれば、プリンタ買うよりコッチの方が手軽かも知れん。

●とまあそこいらの事情とはまた別にドタバタしてたのがですね、ワシが事前に購入してた年賀はがきがインクジェット用のものでしてね、これがコンビニはがき印刷の機械には適合しないのであった。新たにはがき購入して印刷は済んだが、サラピンのまま残ってしまったインクジェット年賀はがきはいかにももったいない。とりあえず郵便局なら払い戻してくれるかしらと行ってみたら「他のはがきや切手などに交換ならできますが現金化はできません」と言われる。

そいつは困ったな、はがき貰っても他に使うアテもないし…そうだ、この近所にチケット屋みたいな看板見かけたことがあったっけ、と思い出す。行ってみると果たしてそれらしき看板。「ここの先を右に曲がる」…? はて、とおりすがったことはあるけどこの先ってドン突きの行き止まりじゃなかったっけ? と思いつつ進んでみれば、ああ確かに。ごく狭い路地が右に曲がって細々と続いている。道の左は鉄道線路の高いブロック塀、右はやたらと間口が狭くて古びた家がデコボコと並んでいる。以前洋服のかけつぎ屋に世話になった時にも思ったけど、ウチの近所にも結構こういう…何というか、昭和のマイナーマンガみたいな雰囲気の場所が結構あるんだなあ。

目的のお店は一見してそこらの民家と変わらない門構え(これも間口が狭い)。引き戸を開けるとからんからんと鈴の音が鳴って客の来訪を知らせる仕掛けだが、扉自体のガタガタ音の方がデカくて鈴があまり機能していない。すんませんと声をかけると七十ちょいくらいのお爺さんが出てきた。うーん、この状況にビッタリなジジイやな。

はがきの買取ってできますかねと聞くと「できまっせ」との答え。良かったこれですこのインクジェット年賀はがきですけど…と言うと「あごめん、年賀はがきは買い取れまへんねん」と。もうこの時期だと年賀はがき買おうという一般客自体が居ないんだそうで、確かにそれはその通りである。どうしようかと思ったがこのまま使わないはがき持っててもしょうがないし、では郵便局で普通のはがきと交換してもらったら買取れます? と聞くと「それならできます」。すんませんねえでは改めて参りますんで…とて、郵便局にとって返して年賀はがき→普通のはがきとし、またぞろチケット屋に戻って買取ってもらう。はがき交換で手数料5パー、買取は90パーってことで結局85パーのお金になった。結構目減りしたけど、もういいや。うん。

●あと、コンビニの駐輪場に自転車停める際、雨に濡れたグレーチングにタイヤ取られてすっ転んだ、というイヴェントがこの一連の流れに華を添えたことを申し述べておく。要らんわいそんな華。