コンクリート/うしおととら/ワンパンマン/おそ松さん/ルパン三世

●コンクリート・レボルティオ・8話。天弓ナイトとギガンダー一味の話。それぞれ月光仮面と横山ロボ、だろうか。ロボの方は五人組だし他の作品と融合してる要素もありそうだけども。とまれ、今回も正義と悪の境目に惑わされたり迷ったりとグレーな感じでモヤモヤと進むのであり、ああコンレボ見てるなあって感じがいたします。クライマックスの事件のフレーム作ったのは超人課長たちであって自作自演だしなあ。

そんなメタな流れであるだけに、アバンとエピローグでジローさんが「クズにな」り、カッコ付きの「正義」の側から外れているように見えてるのも判るっちゃ判るところ。正義なんて判らない、自分になれるのは正義の味方くらいだ…という台詞からすれば、後の時代のジローさんが拠って立つところの正義である存在が何なのか、ってのが肝になりそうではある。アースちゃんたちもいらっしゃるしね。

…なんてな考えを割とふっとばしてくれる予告が卑怯だよなあ。するってェと何ですかい、いつまで経っても加齢しないサザエさん一家は超人だったってことですかい。サザエさん時空はよくネタにされる定番ではあるが、この作品でやることの意味はなかなかインパクトがあっておもしれェわな。おまけに脚本が辻真先…いつまでも現役なおじいちゃんやな! すげえや。

うしおととら・21話。盛りだくさんの北方旅行から帰り、やっと日常生活に戻ってきた…と思う間もなくまたぞろの大騒動にて本山に向かうお二人、とそれ以外にも何やら不穏なキャラも居るよという話。いやあ、一息つくとかそんなレベルにもならない学園風景に落涙してしまうよ。こうしてアニメアレンジされてみればうしおさんの運命のなんと過酷なことか。ねえ。

てことでキリオさんの登場とお役目様のご退場。いかにも擾乱キャラであり敵の息のかかった存在である不穏さを隠し切れないキリオさんですが、この人もなかなかキッツイ経歴ではあるのよね。そしてお役目様ですけれど、強くて不敵なお婆ちゃんってのはやっぱカッコいいわいな。見せ場の作り方が上手いのは毎度のことだけど、クイと顔を傾けて名乗りを上げるあたりは千両役者として大向こうから声のかかりそうな風情ではあった。

「斗和子」役としてやっとクレジットされたのは林原めぐみ。まあねえ、そうだろうねえってとこですが、今のところはあくまで白面ではなく斗和子っちう体裁ということですかね。まあいいや。中国の妖しいご老人というチョイ役に秋元羊介ってのもおーと思ったが、九印さんが小西克幸でやたらとエエ声してんのがなんかおもろかった。演技の方向性としてはアレね、速水奨とかそういう雰囲気の系統なんだろうね。

ワンパンマン・8話。深海よりの恐怖が来襲する話。地底人たちはヘッポコ極まるダメ集団であったが、深海族の方はどうもそうではない。クトの眷属っぽい姿の兵隊どもでさえそこらのヒーローでは苦戦するくらいの強さであり、その長となるとS級でも歯が立たないというおっそろしい存在。…まあサイタマが来ればタイトルどおりのワンパンで終わるだろうし、そういう危機感が実に薄いってのはこの作品の構造的問題ではあろうか。問題というより「いやそこ気にするとこじゃねーし」って感じでしょうかね。

深海王の小山力也もともかく、カマで筋肉な人に小野坂、たけのこランスの人に関智一、稲妻キッカーな人に保志、とまあ毎度ながら無茶な豪華キャストでお送りされておる。無免ライダーの中村悠一やスネックさんのミキシンやソニックの梶なども居てるし、今回これ相当に華やかなメンツですよね。最近の作品ならニンジャスレイヤーアニメの豪華っぷりを思い出したりする。

あとこの作品、今までもそうだけど敵怪人の撃破描写とかが結構エゲツないっすよね。今回冒頭の「使者」のヤラレっぷりとか、巨大な怪物の下半身だけの状態から背骨が突き出てる状態、だものな。あの大きさになると怪獣特撮でよく言われる「これ片付けんの大仕事だ…」ってのがヒシヒシと感じられました。たぶんすっげえくさいよね、あれ。

おそ松さん・8話。Aパートはなごみ探偵おそ松さんの巻。ただ場を和ますだけで事件解決の邪魔にしかならないという、そんなワンアイデアで15分尺を持たせる話であり、まあ毎度ながら心臓に毛の生えたナメっぷりだなあと思う。最終的には誰もがボケに回るとはいえ、一応のツッコミキャラをトド松に任せて積極的にボケに回ってるチョロさんってのは少し珍しい。これはボケツッコミというより、喋りで場を進ませる役割ってな意味でのチョロ松なんだろうな。あと何気に「マジメにやってもバカを見る」と、中途半端な前作アニメへのレファレンスがあった。…うん、あまりどうこういう意味もなさそうだね!

Bパートは再度登場トト子ちゃん。前半は「お題ありきのシチュエーションギャグ」という見立て構造だけどこっちは割と素直に以前の設定を引き継いだような話。トト子ちゃん相手だと六つ子が全員均質化しちゃってて、何となく原作っぽい雰囲気になるのな。つまりボケばっかでツッコミが居なくなるのでこういう時はイヤミが出てくるワケか。しかしまあ、相変わらずトト子ちゃんいい性格してるわね。遠藤綾のほかではあんまり見られない、ヨゴレっぽい演技が見られるってのもいいなあ。やっぱ器用よね、この人も。

ルパン三世・8話。幽霊ホテルとお宝の話。割と早々に「あ、このお嬢ちゃんがホンマモンの幽霊なんだな」と感づく話ではあるけれど、それでも定番のネタとしてよくできた体裁になっててよろしい。つーかこの異様な城の仕掛けぶりは、それ自体が夢幻の話っぽくてどこか原作マンガっぽいところもある。…でも肝っ玉母ちゃんに頼んない息子とか、ロリっぽいお姫様とか、ギミック満載のお城とかは何となく宮崎アニメのテイスト。ま、イタリアっつったらマンモーニではあるよね。

呪われた(という設定の)幽霊ホテル支配人に二又一成。これが何だ、怖い声出して雰囲気作ってるときはワシ、全く気付かなかったですよ。普通に恐怖映画とかに出てくる定番おじさんっぽいなーと流して見てたけど、演技をせずに情けない声出した途端に「あー二又さんか!」とそこでやっと気付く。こういうお声も出せたんだねえ。