うしおととら/実は私は

うしおととら・3話。過保護すぎて鬼になった絵描きの父親に憑かれたお嬢さんとそのレコの話。やっぱり主人公そのまんまなうしおさんと、いかにもツンデレなとらさんのデコボココンビが判りやすくも生き生きとしてて少年マンガだなあと思いました。しかし改めて見ると、「お互いに繋いだ手を離さず父(鬼)の元から離れる」みたいな、象徴的というか様式的な表現が多い作品なのだな。邪を祓い妖を討つ獣の槍であるから人を傷つけない、とかね。あと「友達も楽しみも笑顔も取ったら女の子には骨しか残らない」とか、こういう言い回しも藤田マンガらしいよね。

らしいっちゃ今回のゲストヒロイン、礼子さんよな。アチシに近寄らないでの振り向き顔とか、あーこりゃ藤田マンガだわというあの目がいい。アニメのラインに落しこむのは骨が折れる画風だと思うが、ようやってますよ。あと常にうしおの上に乗っかってるとらさんという構図、これがかわいいよなあ。あの丸い目モードでじーっと絵を見てるとか、やっぱあざとい。海外ででかいピカチュウ呼ばわりされてんのもなんか判るわいな。

●実は私は・3話。外道でヤな人・みかんさんの担当回。主人公がイヤがればイヤがるほど大喜びとなる新聞部員という、ギャグマンガにはありがちながらラブコメで転がすにはちょいと匙加減が難しいキャラでして、ぼんやり思いつくのは高橋留美子のようにしれーっとひどいことやらかす、みたいなのが合ってるんじゃないかと思うんだが、基本ハイテンションなこの作品だとどうも劇薬具合が強いキライがあるところではあります。

ってとこを踏まえ、原作ではちょい路線転換っぽく彼女にも妙な属性と裏表が付与されたのですが、アニメではかなり早い段階でその辺のバラシをかけてきている。この再構成はアリだと思います。みかんさんの当たりの強さを和らげる意味でも、全体のキャラバランスを取る意味でもね。

…にしても、脅しの道具として「相手の恥ずかしい写真」ってのは定番ではあるが、水道ホースにくくりつけぶら下げた後に股間から水を出す、ってのはかなりエクストリームな発想ですげえなと思う。何がどうなってこういうアイデアに至ったんだろうねえ。ヤられちゃう方もそりゃそれでスゲエけどな!