コンクリート/うしおととら/ジョーカーゲーム

コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG・8話。帝国広告さんは超人の居ない世界を作ろうとしており、その一環として一般人が超人と同じようなパワーを得るようなシステムを導入する。それが「NUTS」巨大ロボ。その初陣にて操縦者に指名されてまうのが毎度の帝国の怖いおねーさん、リンコさんでして、思わざる結果に終わったその戦いは彼女に何らかの影響を及ぼしたようですが…とまあそういうね。

上記バトルをコアとして、各陣営や個人たちがそれぞれの思惑でぶっつかりあってちっとも妥協点を見出さない、という実に困った泥沼状態である。正義と悪という単純な二元分割はできず、大人と子供といういささかゲンナリするようなスケールもあり、その中で我らがジローさんは中立であろうとしているようなのだが…どうも盛大に揺れ動いているようで。その出自からしてどうやらヒロシマの原爆エネルギーを全て取り込んでしまったというおっかない可能性が指摘され、…ってこれひょっとしてこの時点で歴史が分岐した、とかそういうこっちゃないだろうね。ねえ。

柴さんとメガッシンのバトルでいきなりのエエアクション絵、破片が立方体にバラけてハジける例のアレ。この辺り、ダイナミックなエフェクトといかにもロボっぽいシュールな風景(地面に頭から突っ込まれてる足だけの絵とか)が共存してて妙な印象を残します。相変わらずヘンなアニメではあるなあ。

うしおととら・35話。キリオさんが見た獣の槍の歴史は、白面に対する深い憎悪の歴史であった。そんな悲惨な連鎖に涙するキリオさんたちに対し、うしおさんは砕け散った獣の槍に憎悪ではない思いを見る。そして日本中に飛び去ってゆく破片は、やがてうしおの記憶を失った者たちへの救済になる…という話。

てことで、白面が完全復活しその大怪獣ぶりを遺憾なく発揮している最悪の状況下、やっと「うしおたちのターン」がやってくるって感じですな。念入りに念入りに絶望を積み上げておいてそれをガッチリと巻き返す、という藤田マンガの妥協の無い展開そのもの。これまでどんどんと仲間を失ってきたうしおに、共に行く仲間があるってだけでここまで心強いことか。まあそれもうしおさんの精神的な強さがあってこそではありましたがねえ。やっぱこの人、尋常じゃないよな。

ジョーカー・ゲーム・9話。D機関VS風機関、後編。統帥綱領というマクガフィンを使って対立を演出するってな構成だが、視点が風機関の風戸さんメインなので「ああ、こっちが今回の主役かつ負ける方だな」と判るようになっておる。実際その通りに運ぶんだけど、いやあ想定してた以上にコテンパンにヤられちゃったのでなんか逆にかわいそうになってしまった。冷酷冷徹だけどあまり不必要に相手を煽る印象は少ない結城さんが、あそこまで嘲弄するってのは…うん、気に喰わんというよりは自発的に自害するように仕向けたってことだろうな。ま、いらんことされちゃ邪魔だもんね。

二つの組織の対照的な面、それを強調するためでもあろうか、風機関の面々が明らかに弁別可能で顔の造作がバラエティ富んでるのがちょっと興味深い。てことはD機関の面子がどこか似通ってて判別しづらいのも意図的なデザイン方針なんだろうな。まァまさかにそう言う風に整形したってワケでもないでしょうけども。

途中出てきた「気弱な書生」が福山潤なのであ、こりゃ結城さんとこの子だなと判っちゃうのですけども、その上であのジジイが結城さんだったと気付かないワシはいいお客さんである。あのシーンってやろうと思えばほとんど喋らせないような演出もできただろうに、ガッツリ台詞言わせてたってことはよほど堀内賢雄の演技に信を置いてるってこったろね。実際ワシ気付かなかったし。…あと、蒲生さんはマジで単なる風機関の人でした。てっきりD機関側の人間かと…。