うしおととら/実は私は

うしおととら・10話。オマモリサマとサヤさんの話。遠野の地で座敷童と旧家の隆盛をモチーフにするというベタベタなシチュエーションが心地よいねえ。拘束された座敷童を守護する薄幸の美少女…そうねえ、伝奇モノならマレビト的な存在を代々守る欠損者とかそんなんかしら。そして拘束されているのはオマモリサマだけではなくサヤもさながらであり、結界とともにこの因襲を破ることがで盲目のように描かれていた彼女の眼にハイライトが入る。いいね、少年マンガだ。

サヤさんが自らとオマモリサマの枷を破ると決めたとこのシーン、結界を離れる彼女とそこに突進するうしおさんの交錯の絵がむやみにかっちょよく、あーこれは描いてて気持ちよかっただろうなと思う。しかしうしおさん、温泉でサヤさん見かけた辺りや最後にそのことで軽口を叩いて心を推し量る辺りとか、少年ってより男前やよね。水鉄砲で感心してたりととらさんが今回もかわいいので対照的に余計にね。「お前ずいぶん丸うなったのー」とオマモリサマに言われるまでもないわな。

今回は元の話数が多くないせいか、それほど急ぎ足な感じも無くまとまってたような気がする。妖怪アクションというよりは伝奇ファンタジィ、夏目や蟲師のノリというか。あと和羅さんが出てきましたが、凶羅さんはやっぱ無理かねえ…。柴田秀勝は押し出し十分、てェか十分すぎるとも言えるな。すげえ存在感だ。

●実は私は・10話。まずはみんなでスイーツっぽいもの喰ってたらそこにみかんさんが出てきていろいろする辺り。白神さんのヒミツがばれそうになったので誤魔化そうとして、結局みかんさん特製ロシアンシューの話に繋がってゆくのがムリクリのギャグでなんかおもろい。何ですな、原作では割と長い間単なるヤなお人であったみかんさんを割と早々に「実は私は」属性を付与するってのはエエ配分やと思いますな。俯瞰して進められる後発作品の長所ではある。

後半はまたいろいろあって、何故か夕日の川岸でみかんさんの福の神メガネが暴走することでいいんちょがラブコメっぽい告白に至るまで。ははあ、結構マジな感じでヒキとなりましたな。アニメもそろそろ一旦のシメだろうからちょいシリアスっぽい雰囲気になってゆくのかなと思ったりもするが、原作ならこれで次回はしょーもない展開になる可能性大ですからねえ。ま、どっちでもよろしいけれども。

中盤の悪魔校長のおもしろがり茶々入れは、校長のうざったい気質と根っこのバカ加減と紅本先生の強キャラ具合が上手いこともりこんであってよろしかった。強大な力を有するヘッポコ悪魔、という校長の気質は一定の需要があるような気がする。気のせいかもしれない。