うしおととら/実は私は

うしおととら・9話。鎌鼬三兄弟の話。人間に棲家を追いやられ深い恨みを抱く化生の者という定番のテーマだが、それを止めねばならないのが同じく人を憎む彼の兄弟であり、そして助力を仰ぐのが他ならぬ人間…っちうめんどくさい感情の積層が面白い。原作では確かもうちょっと屈折した感情があったりしてたと思うが(雷信兄さんも人間への悪感情を吐露してたよね)、それでもなかなかにスカッとはいかないテイストのエピソードではある。

そんなこみいった状況を前に、うしおさんは「俺バカだから」つって涙を流しつつ、自分の体と命を張るのである。とらさんの言うとおりなんかいろいろ間違ってたりもすんだけど、とにかく裏の無いストレートさが見えるからこそ鎌鼬も人間も彼の行動を無視できないってことだろう。いかに片腕切り落とされてるとは言え、あんな車一つもちゃげられないとらさんでも無いと思うが…まあその辺はどうでもええこっちゃかね。ま、今回はそれよりも今までに増して詰め込んでる具合なのが見て取れたりした。枝葉というかディテイルが薄くなると、どうしてもありきたりな雰囲気も出るしねえ。

冒頭のトイレでカネなくしたと慌ててるうしおの辺りとか、実にマンガっぽい絵柄と動きで面白かった。原作に近いというよりもっとそうねえ、80年代っぽい感じというか。時代って意味で言うならやっぱかがりさんだよなあ。今やボディコンおねーさんなんて絶滅危惧種だ。登場シーンで土下座してる辺りとか、なんでしょうなあの過剰なおいろけアングル。いやいいけどね! 問題ないけどね!

●実は私は・9話。夏休みでありプールであり水着である話。前半は水練のために二人っきりでプール行こうかと思ったらやっぱりそうはいかない黒峰さんと白神さん。女性側二人(あとでもう一人みかんさん)はまだしも、野郎三人がくっついてきちゃどないもこないも…って嶋さんが逮捕オチ! これってけっこう後の方で出てくる天丼ネタだったと記憶してるがどうだったかな。少なくとも今回は男性と男性がどうこうするっちう要素は薄かったのでまだ幸い。幸い? まいいや。

んで後半は夜の学校プールのお話。アニメは多分このエピソードで一旦の終了とかじゃねーかなーとい思ってたので、中途のこの回で持ってくるってのはちと意外ではある。それほどまでに「なんか納まった」っぽい雰囲気が感じられる、言うてしまえばコメよりもラブ側に傾いてる話なんだよね。…てことはどの話でアニメ最終回を構成するんだろうな。その辺もちょいと楽しみになってきた。