弱虫ペダル/ジョジョ/ユリ熊嵐/アルドノア/レコンギスタ

弱虫ペダル GRANDE ROAD・18話。まずは接戦中の御堂筋とマナミ。奥の手があるとマナミさんは風を読んでかっ飛び、白い天使の羽出して去ってゆく。負けじと一瞬でラーニングして御堂筋さんも黒い悪魔の羽出して追っかける。外見的にも性格的にも対比が判りやすいお二人であり、あんまり両極端なので却って似ているという感じでしょかね。…ここでちょろっとだけ再登場した黒田さんは、何となくもったいないからCパートにも出てきましたよ、という雰囲気がぷんぷんします。いささか不憫でもあるような…まいいけど。

そしてようやく舞台に上ってくる主役・小野田クンである。定番の回想をマキシマ先輩にやらせてるのが妙に印象的で、それは小野田さんの活躍は視聴者全員が知ってるので別視点からの再解釈があった方がエエやろ、という判断でもあるんだろうけども。そうねえ、本人の意思が介在しない回想って、何だか「内面の読めない強大な敵キャラ」っぽい感じもするんだよなあ。対象の得体の知れない強さを周囲の反応によって表現する、みたいな。認めた相手をキモくないと表現する御堂筋さんが小野田クンに対して思わず漏らした「キモ!」という台詞はこれ、彼独自の「キモい」の用法じゃなくて普遍的な意味だよな。うん、ちょっと怖かったもんワシも。つくづく追っかけるときには人を超えるお人ではある。

上記マキシマさんの回想シーンは今や少々懐かしいレベルなのだが、何となく絵が若いというか、あー小野田さんもこの頃から比べると成長してんだなという気がしちゃうのが面白い。実際そこまでキャラデザインやプロポーションに差は無いと思われ、どちらかというと見てるワシの方の思い入れ補正によるものが大きいんだろうけどねえ。マキシマさんの小野田さんに対する「初デレ」シーンだなあそこ。原作でもあの辺りで「あ、この人エエ兄ちゃんや」とか思ったんだよなあ。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・30話。冒頭にちょっとした花京院さんの補足エピソード。何てことはない会話と台詞なのだが、割とジョジョ原作っぽいテイストがあって悪くない。っつーかこういうオリジナル要素、上手いねえこのアニメ。そらまあジョジョだし、ファンもマニアも多いだろうけどね。てことでえー、本編はアブとジョセフVS脚がグンバツの女、の一編である。

主人公パーティの中でもおっさん臭くて男臭い、もちょっと言うならアレだ、ガチなシュミの人にウケの良さそうなお二人を濃厚にペアリングさせて提供するという…。いや、当時の荒木センセにどこまでの意図があったかは判らんが、今見ると何というか…濃い絵柄だよなあこれ。対置されてんのがジョジョキャラの中でもフェミニン具合が図抜けて高いマライアだから、彼らの漢っぽさがいや増すというものだ。ジョセフ好きな特定層は大喜び、なのではなかろうか。

このエピソードはギャグ/コメディ度合いも高いんだけど、それで判るってのが荒木先生のギャグセンスが結構泥臭いことやよね。掲載誌の要請も時代の要素もあるんだろうけど、グンバツババアの天丼とかスカートめくられてドグサレ顔になるお嬢さんとか、もうベタベタにも程があるギャグシーンの連発がどうにもおかしい。まァたこの、ジョセフ役の運昇おじさんの気合の入った熱演が輪をかけて暑苦しくて、もうたまらんわなあ。何でしょうねあのエスカレータでの大芝居。楽しそうだなあ。

先週の予告でもチラと喋ってたが、マライアさんの声って誰だろうと思ったら高垣彩陽だったのか。この人はしっかり独特の声質してんだけど、それ以上に演技の幅が広くて手堅いので意外と判んないことが多いんだよなワシ的に。うむ、このキャスティングならばいろっぽいシーンも「ビチグソがァ!」のシーンもイケるわな。

ユリ熊嵐・7話。二連続大怪我で床に伏せるギンコさんを看病しつつ、クレハさんは自身の記憶の迷宮を少しずつ解体しつつある。子供の頃あれだけスキだった「あの娘」、それはこのギンコさんではないだろうか。何故忘れた? どうして忘れなければならなかった? その辺がこれからのギミックになりそうでんな。同時にギンコさんの「罪クマ」としての要素が乗っかってきてますが…やっぱストレートには進まないお話だねえ。

今までの監督作品割とどれもそうなんだけど、重い試練を抱えてそれでも真実に対してたゆまず歩み続けること、その尊さ/健気さみたいなのスキだよねえ。普遍的モチーフではあるけどさ。降りかかる試練はいろんなレベルでえげつなかったりするが、場合々々にて演出でそこまで悪趣味に見せないようにしている。だから今回でも、クマVS人の戦争で死にかけることとガッコのイジメが一見似たような重さで提示されてオッケーだったりするワケで。ま、実際個人の裡にあってはそんな厳密にスカラー量として「辛さ」は感じられないからな。そんなもんっちゃそんなもん、かもしれない。…影絵の演出はウテナ思い出したりしました。

彼女たち以外の動向としては…まず、ハリシマさんはあっけなくクマの餌食となってしまった。首謀者でも何でもないだろーなーと思ったがそれにしてもあっさりしてんな! んでユリーカ先生は相変わらず怪しいことこの上なく、ここまで怪しいのなら逆に怪しくないのかもとか思わせるくらい怪しい。まあラスボス候補として真っ当なトコではある。あとるるさんですけど…ううん、ここまで無私の人(クマ)としてすっげえストレートなので、何かかんかで物語として救われて欲しいなあと思いますけどねえ。なんか難しい気はするけどな。

アルドノア・ゼロ・18話。火星にてはスレインさんとマリルシャン卿との火星決闘が開始される。マリルシャン卿のロボ、コイツはビット使いでありスレインさんの予知能力を飽和攻撃でチャラにしたろか、という戦術。結局坑道に逃げられ一方向からしか攻撃できないように仕向けられ、で撃破されてましたが、まァそこに至るまでに仕留められなかったマ卿が悪いってこったろうなあ。このシーンはモノトーンのクレータ風景を背景に、彼の赤と我の白ロボが良い対比。この時スレインさんの心の中は青いバラだってので、赤白青でトリコロールですな。

相方のバルークルス卿、決闘中はノリノリでバカにしつつ、(案の定)マリルシャン卿が負けたらキッチリぐぬぬ顔してたりして、ホント判りやすくてエエキャラだと思う。どうでしょうね、わざわざペアで登場させた上で相方を死なせたワケだし、残った髪の毛くるくるでない方卿はこれから復讐なり何なりの役目があったりすんだろか。このまま退場ではピエロですよ? ま、スレインさんに揚陸城を与えるための舞台装置とも言えそうなマリルシャン卿の方がピエロっぽい、っちゃそうなんですけどね。

一方の地上ではまたもや登場のビックリドッキリカタフラクトと地球側とのバトル。今回の目玉ギミックは大出力の光学兵器。毎度の如く劣勢を強いられる皆さんだが、当然ながらレーザはまっつぐにしか進めないのでデウカリオン側は超長距離、水平線の向こうから曲射すればエエのだよな、ってことでなんとか排除成功。着弾観測員としてのイナホさん、こういう時のサイバネアイはうってつけやね。着弾地点から動いてもらわないようにユキ姉が陽動攻撃したり、みんなで一緒に戦ってますよって感じでなかなかよろしい。

さて。世間的には割と情勢同行は火星有利で動かないように見えつつ、両サイドともにどこかしら不安定な要素を抱えていることは視聴者視点からはよく判る。多分火星側の動的材料はレムリナ・アセイラムの両姫様だよね。ラストのアセイラムさんの復活っぽい様子を見せてましたが、幸か不幸かドラマチックなタイミングであることは間違いない。地上側にあってはまず、のんびり地球の歩き方やってるマズールカ卿がキモだろうし、またそうねえ。インコちゃんの疑念がイナホさんに対してどう動くかってのもあるかもしれん。甲板上の会話である程度解消されてるとエエんだろうけどねえ。

Gのレコンギスタ・21話。海の底を抜いちゃったので何とかする話。張本人のジット団々長さんがどうも責任意識がねーなー、地球人のせいでやっちゃったじゃねーよなー、と思ってたら何か目ん玉っぽいMA引っ張り出してきてそれ使って自分が栓になって穴を塞いでた。あ、一応責任は感じてたんだ。自己犠牲は尊いけれどもやっぱアンタの所為も大きいよなあ…。部下の小清水さんも割と無鉄砲に天井に穴開けてうろたえてたし、ラボの人ってことで冷静気味なキャラかと思えばそうでもないようですなあ。

底抜けのドタバタは一応納まり、偉いさんに謁見するご一統。このラグー総裁ってのがどういう立ち位置になるのかまだ判らんが、どーにも胡散臭い雰囲気なのは否めない。でもお付きの従者がドジっ子メイドってのはなんかエエと思う。あとやるだけやらかしてフラミニア先生は逃げちゃったらしく、こっちも要らんことしそうな雰囲気ぷんぷんですな。よろしい。

ラグー総裁に子安さん、御曹司っぽい雰囲気で御大将っぽい声の人ってことですげえラスボス臭い。そして富野作品によく出てくるカマっぽい人がまた諏訪部さんだ。掛け持ちキャストはよくあるんだけど、諏訪部声ってキャラ立ってるから目立つのよな…でもまあ、このお人が一番諏訪部っぽい気もするが。あと今回もメカ戦・新メカいっぱいで楽しい。よく動くアクションだし、またいちいち凝った…ちうか独特のレイアウトと演出が面白いな。「追っかけてますけど追いかけられてもいます」んとこのカットもいいし、メガファウナと一緒にMSが次々出てくるシーン、スライドと作画でいかにも「ぞろぞろっ」って感じが出てて地味に好き。でもGルシファーに乗ってやってきたノレドさん、一瞬すげえかんたんな顔になってませんでした?