●夜ノヤッターマン・11話。囚われのドロンボー一味はヤッターマンの首魁と相対するが、それはほかならぬドクロベーである。まァ真意も何も悪役の人であるし、とにかくコイツがヤッターマンを騙って悪事を為していたワケであり、そういうことである。ここでわざわざVHSのテープ使って初代と平成のヤッターマン映像、そして山本正之の歌まで流してくれてんのはなかなかのサーヴィス。流石に過去音声だよね? 新緑じゃないよな? 判らんけど。
後半はヤッター首都からの脱出。ここでゴロー将軍の脱洗脳を経て、彼の自己犠牲による退場が描写される。優しい表情などはあくまで彼自身の回想にのみ現れ、外側にはただキツい口調と態度のみが表出されるってのはいい美学だ。機械化された体の多くを失い、アルエットに言葉を送り叫びつつ自爆する、というベッタベタなシーンがこの作品によく合致しててよし。何気にフレンダーっぽい犬サイボーグも忠犬ちゃんで泣かせるわよねえ。
ドクロベーを演じるホリさんは、職業声優でないことを鑑みてもすげえ踏ん張りである。この台詞量で物まね演技しつつのアフレコって、これ大変だよ。やっぱ芸人さんって基本的に器用なんだろうねえ。途中テメエのネタをブチ込んでくる余裕まで見せたりね。うん、感心しましたよ。
●弱虫ペダル GRANDE ROAD・23話。マナミVS小野田、ラストスパート。流石にここまできたらそない引っ張ってもしょうがないってんで、残り数百メートルを一話で進む。ま、その距離でマナミさんの限界→意識改革→新たなる翼とかやったり、小野田さんはチームメイトたちの心の声援を受けてパワーアップしたり、とずんずん盛り込んできてるんですがね。…みんなの声はいいけれど、田所さんと今泉さんが「ヒメー!」ってのは…それでエエんですかあなた方。いいんだろうな。うん。
一皮むけた強さで驀進するマナミさんに追いつく小野田さんという図式。流石追っかけなら強い人って感じで、後ろからのプレッシャー具合は毎度ながら主人公というよりは妖怪のそれである。笑うと強いってギミックも然りながら、要所々々でメガネの反射使って目を隠すんじゃありませんよ。それコワイんですって何か。この辺の解題を化け物じみた態勢で搬送されてる御堂筋さんがやってる、ってのが余計に人外っぽさに拍車かけてる。アンタもいちいち湿った音たててんじゃありません。やっぱり怖い。
Cパート、「各人の思いを呼びかけで積層させてゆく」といういつもと違って本編っぽいドラマチックさがあるなあ、やっぱラス前だしなあと思ったら最後が杉本さんの気の抜け台詞であり外さないね。この人も来年度はちゃんと自覚もって強くなるんだけど…今は単なるニギヤカシやもんね。
●ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・35話。VSダービー兄・後編。こっから話はポーカーに移って更なる緊張感をもたらしてくる。そういや荒木センセのデビュー作って武装ポーカーだっけな…あれ? ゴージャスアイリンの単行本で読んだはずだけどすっくり忘れてんなワシ。どんな話だっけあれ。まいいや。ともあれ虚々実々の化かしあい、というよりは承太郎がダービーの急所(DIOの秘密)を突いたので自滅しちゃった、という感じですか。…未だに「カードはこのままでいい」と言われて以降の取り乱しぶりはダービーさんらしくないな、ってとこはあるけどね。
ともあれ、今回も銀河万丈劇場。重厚も大慌ても狂気も、どのシーンだろうが万丈さんの演技から目を離せない。巻き舌で「レレrrrrrrrrレイズだと!?」の辺とかもう汗だくやろなあ。いやはや、堪能しましたよ。地味に彼の最期らへん、じわーっと髪の毛が白くなってってんのも演出としておもろい。この辺はデジタルならではっすねえ。一方で気になりまくりなのは承太郎さんのタバコ。後半咥えタバコしてるシーンほぼ全編で顔の下半分真っ黒けなのは流石にキッツい。ごまかせるならごまかしてただろうが、最後にタバコをプッと吹き棄てての見得切りシーンをオミットもできないからしょうがないのだわなあ。ううむ、いろいろと惜しいことだ。
カードをシャフルしたりカットしたりする絵はすごく細かくて、ははあやっぱロトスコープはこの辺りに使ったんだろうなと思ったりする。カード捌きがうそ臭いと話の没入感が落ちちゃうからねえ。
●ユリ熊嵐・11話。ギンコさんとクレハさん、過去お互い支え合った二人。自らのコミュニティから排除され孤独を歩んだという共通点を持つゆえに、二人のきずなは強いものがある。…一旦失ってもまた、結びつき相手を思うことができるくらいに、である。いいんちょさんの存在はあれ、やっぱギンコさんの内面に居る別人格ってことなんかな。なんか実際にクラスに居たような気もしますけども。あとクラスの人間、減ったな! こうして実際に欠員が出てる状況見せられると荒んでる雰囲気が寒々しい。その上更にもっと減ってるしね今回。どうなんだろなあこれ。
毎度ながらいちいち、主人公たちにふりかかる試練や悲劇が念の入ったレベルで感心さえします。スキを貫くためにスキを失わなければならない、スキを取り戻したら友達を失わなければならない。無辜で純粋な主人公たちには本当に生きて進もうとする意志があり、またその意思がある故に受難を受けなければならない。…ま、そういうのって美しいよね、ってのはよく判りますことよ。
いいんちょを克服しクレハと相対しるるを失い、というラストシーケンスの怒濤ぶりはなかなかのゆさぶりで、BGMの力もあってすっげえ盛り上げてくんなーと思ったっす。上げては落とし落としては上げのジェットコースターですねえ。