ヤッターマン/弱虫ペダル/ジョジョ/ユリ熊嵐

夜ノヤッターマン・5話。こんなディストピアでも何故か開催されてる雪まつり会場にて、相撲で商品貰ってウッハウハしようとする話。先週あんなサブタイして結構暗い話だったのに対し、今回はこれまた…何だろうね、この不思議なお気楽ノリ。全体に漂うすっとぼけた風味は、実際ワシあんまり嫌いではない。ちうか確かに、この時代に蘇った往年のタツノコアニメってのはこれが最適解に近いのかもな、とか思ったりする。

それにしてもヘンテコな話っつーか、まず何だあのゲストキャラ。見た目と服のデザインはジロンだし、声は小林ゆうだし、名前が「タケシです!」だし、おまけに必ずおしっこするし、何なのだコイツは。ほんでサブタイからポリマーは出てくるだろなとは思ったけど、そして確かに出てきたけど、それ以上に目立つささやきレポーターが懐かしくてたまらん。その上メカ戦のフィニッシュホールドは虎王だし、この監督のアニメは必ず板垣ネタを仕込まんならんノルマでもあるのか。なんか他にもいろいろネタを見逃してるような気がするな! 好き勝手やな!

敵の相撲メカ操縦者のヤッターロボ、どっかで聞いた声だなあと思ってたらなんと柚ねえさん。なんでまたこんな役を…と問いかけるのも意味がなさげである。…今回のドロンボーロボはジンギスカンロボ。北海道だから? 相撲→モンゴル→ジンギスカン? とにかくもう、とっちらかった要素がいろいろ面白くて、ちょっと不思議な気分だったよ。なんだこのアニメ。

弱虫ペダル・17話。アバン、文字通り身を犠牲にして御堂筋クンを引っ張ってきた石垣さんはここにて退場。なんつーか、相手はどうとも思ってないのにただ無償の奉仕をやらかすという、これはもう悲恋純愛ですなあ。御堂筋さんも別に、お身内さんにそこまで煽り入れんでもエエのになとは思うが、まあそれはそういう人だから、としか言いようもあるまいか。…石垣さんの退場シーンは今までにも増して「死んだ…」って感じが強調されてて、なんかおかしかったっすけどね。あしたのジョーやんね。

さて、本編はその御堂筋さんとマナミさんの話がメイン。毎度の回想シーンをもらい、ただイケメンで天然ってだけではないマナミさんのキャラが語られる…んだけど、ギリギリの状況をもって「生きている」と感じることができるという彼の様相は、しかしちょっと印象が薄いかな。絵に描いたようなさわやか主人公っぽい外見とのギャップが主題なんだろうけど、どうもイマイチしっくり来てないので、今までの濃い目なドラマに比べるとどうしてもね。

ま、その分をメガネいいんちょの存在が埋めてると言えなくもないですけも。やっぱこの人、あざといの記号そのままやな! マナミさんが自転車部でキャッキャウフフしてるの見て複雑な気持ちになってるとか、薔薇濃度の高い職場状況にヤキモチ焼いてる感じがよろしい。…あと小野田さんもそろそろ参戦っすね。この人はこの人で意外に濃いからなあ…。今回のように追っかけてるシチュエーションは特にねえ。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・29話。アヌビス神とのバトル、後編。承太郎の言うとおり、何でもアリのスタンド敵キャラには割と珍しい真正面で小細工ナシのパワーキャラであり、だからこそ何度もやらかすパワーアップがなかなか恐ろしい効果を出している。一度覚えたら「絶対に負けない」という要素を加え、まずはポルナレフに憑依、次いでスタンド二刀流…ってな流れは、原作読んでた時も「おいおいこれ一体どうすんの」と思ったもんですよええ。

…その上であのオチだもんな! 荒木先生こういうトコで平気でバカネタくっつけるよな! エエ味出してるわ。いや、最後の最後までゴッツい恐怖感と絶望もて、ターミネーターっぽく演出したアヌビスも見たかったっちゃそうだけど、本編のは本編で「あ、うん、ジョジョっぽい」とか思ってしまうのも確かだ。松本保典はカッコ付けの演技も抜いたバカ演技もイケるし、いいキャスティングであったと思います。あとついで、さりげなーく「カーン」の名前を劇中で呼んでましたな。ゲーム設定から本編正式設定になってたんだな。

次は脚がグンバツの女、ですか。あの声誰だろ。…確かこの辺はパーティ二分割のそれぞれに同時に敵襲来を受けてたんだったか。そしてまたも承太郎とポルくんのコンビ…「もうコイツとは組まねー!」という台詞、こういうとこで天丼として生きてくるワケっすね。細かいな。

ユリ熊嵐・6話。ショーック! クマショック! ってことでギンコさんはクマ罠によってエライことになる。一方のクレハさんはスミカさんとの思い出を、透明な嵐によって文字通り焼き払われようとしている。これ全てクラスの人々、特にハリシマさんの手による策謀によるもの。しかしスキを諦めない強き思いは、結局事態を大きく変えてゆく…。策謀による手紙のギミックが、いろんな状況を経て最終的にスミカさんとギンコさんを結び付けてゆく、というあのラストはなかなか見事でした。こうなるとるるさんの存在もなんとか救われて欲しいけどね、ってスミカギンコがこれで救われたってワケでも(まだ)ないんだけれど。

真ん中あたりに挿入される「月の娘と森の娘」の寓話。そのまま人とクマの立場を越えた繋がりの話であり、自らを犠牲にしてスキを全うするということについての話である。これを書いたのがクレハのお母んってのはやっぱ、彼女もそういう状況にあったってこったろな。その相手は多分ユリーカ先生なんだろうけど、どうだろう、この喜久子先生もどっちに転がるか判んないとこあるからなあ。

ハリシマさんが今回事実上の悪役なんだけど、まだ誰かは判らないパートナーの存在を見るまでもなく、彼女が所謂ところのラスボスってワケではもちろんあるまい。ユリーカ先生、その他の生徒、あるいはまだ出ていない誰かの存在が後ろにあるのか。少なくともこの学校における透明な嵐については、誰か判りやすい首魁が居るのではなくてもう、構造的で遍在してしまってる状況そのものが元凶なんかもしれまへんな。…言うのはヤボの極みだけど、これってこのガッコの教育方針なんかねえ。生徒の自主的なイジメ行動にしてはスゲエシステマチックで、妙に面白い。

何かのカルト宗教みたいに燭台かかげ、クレハさんの目の前でユリを燃やし尽くすというあのクライマックスは、なんかこう「負のカタルシス」みたいなドロドロした盛り上がりがあってインパクトありました。シチュエーションの見事さがいかにもイジメっぽくて、偏見だろうけど「女子ってコエー」とか思ってしまった。実際コエーのはいくにちゃうだーさんなんだけどね。