タートルハンド

カメノテが売っていた。近所のスーパーにだ。ここは鮮魚コーナーの水槽にタカアシガニが居たりサメが居たりとちょいヘンな店なのだが、カメノテねえ…何か独特のツテでもあるんだろうか。まあいっぺん喰ってみたいなとは思ってたんだよ確かに。でもいざ目の当たりにすると「何だこれ」って印象が先に立つ。喰えるんかいなこれ…っちうねえ。

とりあえず店の大将にどうやって喰うのか訊いてみる。ほしたら塩茹でが簡単で旨い、他にも焼いたり味噌汁に入れたりしても良し、とのこと。ふうむなるほど、特に煩わしい手間は要らぬのか。よーしじゃいいや、いっちょ購入してみよか。てことで買ってきました。100グラムで180円、300円分の1パック。

手前に五円玉置きました。大体の雰囲気はつかめるでしょうか。まァ何だ、うん、ヘンな生き物だよね。早速水洗いして鍋で水から塩茹でする。かなり磯臭い。煮立ってから5分ほどさらに火を通し、ザルにあけて水洗い。これでエエのかな。で、どうやって喰うのかというとですね、一株(というか何というか)もぎ取ってから根元の方を喰うのだそうで。

左が剥く前、右が剥いたあと。この赤っぽい部分をつまんで引っ張ると割と素直にスポンと肉だけはがれるので、それを喰う。上方の「亀の手」の部分にはゴシャっとした鰓のような部分が内蔵されているが、これはあんまり旨くないということなので喰わない。

で、味の感想ですけどね。うんまあ旨いよ。食感は貝っぽいけど風味は甲殻類カニやエビに近いという割と不思議な感覚である。でも上で見て判るとおり、可食部がかなり少なく、また喰いづらいのよね。喰いづらくてもカニみたいにごそっと喰えればそれはそれでエエのだが、身が小さくてちまちまちまちま喰うことになるのであんまり満足感が無い。総じて「旨いけど、独り身が買ってきてテメエで喰うようなもんではないかな」ってとこだ。磯っぽい風味は強いので、シジミ汁みたいに味噌汁に入れてダシを味わい、身はついでに賞玩するような喰い方が適してるのかもしれん。ま、ともあれ、以前から喰ってみたかったもののリストが一つ達成されたってことでヨシ。…多分再購入はしないだろうけどね。お店で珍味として出てきたら喜んで喰います。

あと、一緒にゆで卵作ったせいか、茹でた後の鍋がやたらと黒ずんでしまいました。卵の殻の成分と何か反応でも起こしたか? で、重曹水で煮立たせたらくすみは取れました。やっぱ頼りンなるぜ重曹さん。