実家にて喰うものの話

●毎年の如くちょっと遅めの盆休みをとって実家に帰省する。もう両親も結構なトシだが、たまの息子の帰還ってんでごく小規模バーベキューを実家の裏庭にて企画してくれている。すんませんねえこんなしょーもない息子のために。「エエ肉買うて来た」とてなんか黒毛和牛たらいう肉を焼いたりもしたが、いかんせん薄切り肉ではバーベキューの素材としてはどうにも物足りない。そこにいる全員が、その横にあった米国産安肉ステーキの方を支持するに至る。やっぱ網焼きバーベキューとなるとある程度の厚み、つまりは「肉喰ってんなー」という手ごたえ歯ごたえが必要だわなあ。

適当に喰い飲みしてある程度落ち着いて、ふと見上げるとそこの藤棚に数房だけ藤に実が生っている。かーさんに聞くと狂い咲きで成果したものとのこと。「そういえば」ととーさん言うに、昔はこういう藤に生ってた実を学校のストーブで焙って喰った記憶がある、と。スマホ検索すると藤ってのァマメ科であり、確かにこの実もそうだし藤の花も言われてみれば豆の花…例えばスイートピーとかの花と何となく似ている。そしてその実には毒がある…とーさん藤の実有毒だってさ! 「えー…ホンマに?」どうやらそこまで猛毒ではないようで、ちょっとだけ喰う分には死ぬことも無いようだ。ものすごく旨いもんでもなかったってんなら、まあ今後は喰わん方がエエと思うよ。「喰わんわい」そうですか。

●帰宅してから再検索したら、藤の花をてんぷらにして喰うこともあるとウィキペディアは言う。…実じゃなくて花を喰うものだったのか。へー。