弱虫ペダル/サムライ/スペースダンディ

弱虫ペダル・17話。テシマ・アオヤギの二年生コンビの策は小野田さんの「成長」に破れ、さあもう何もプランはない。ならば二年生はここで敗退かっちうとそんなワケもなく、彼らの得意分野で真っ向勝負という、そんなガチンコ展開が残されている。コンビとしての阿吽の呼吸、田所先輩との約束、ゴールへの強い意志。それら諸々のお膳立ては…まあね、どうしても「負ける前の盛り上がり」っぽい感じがしてしまうのはしょっがねーのでしょうか。とまれ、ここまでキャラ立ててもらったらもうそれほど文句もあるまいな、って気はしますが。

そして小野田さんの怪物ぶりがまたもや登場。二年コンビに抜き去られてそこまでかと思いきや「小野田は追う方が速い」という特性を生かして一気に追随してくるワケだ。やっぱアレだ、ここぞってとこで笑いを浮かべるという小野田さんの表情はもう、それだけで一種の必殺技に近いよ。だって怖いもん。苦しくてしんどい状況で笑いながら追っかけてくるのを見せ、そして先行者の心を砕く…。うん怖いもん。

てことで二年とのデッドヒートで1話まるまるの回だが、流石にちょっとシツコいかもなって感じがせんでもなく、自転車レースのスピード感が殺がれてる嫌いがあるかな。いろいろ展開に工夫して単調に見えないよう構成してあるんだけどね。あと、最後のストレートで一斉にダンシングに入った面々のシーン、各々がケツ上げるたんびに「シャキン!」と効果音が入るのが地味に可笑しくてちと困った。4連続は卑怯だ。

サムライフラメンコ・15話。ハザマさんは敵の首魁っぽい石田声の兄弟と対峙するも、こんな戦いに意味は無いと虚無的なことを言って自害する相手に戸惑うのである。正義も悪も民衆もみな狂っている。このフェイズはすぐに終わる。ではその先に何があるのか…とりあえず目前の危機、日本壊滅装置を(そこそこ感動的に)何とか退け、さあどうしよっかなーとか思って一夜明けたらサムメンジャーご一統は悪であることになっていた。うへえどうしよう、ってな話。

相変わらずどっちに転がるかちっとも予測のつかないアニメではある。どうやら総理が悪側の人で、自身の人気を上げて都合のよい日本をつくる為にサムメンたちを利用していた、ということらしい。無論背後に更なる悪の親玉が居る可能性もあるが、さあてそうなるとやっぱ宇宙人とかその辺かしらねえ。何にせよ、もうかなりわちゃわちゃではありますな。

そのうち出てくるだろうと思ってた海外ヒーローがここで登場、キャプテンアメリカのパチモンみたいなお人であるが正義の心は本物っぽい。ま、ヒーローに関しては日本以上に充実している国ですし、彼が最後のアメリカンヒーローとも思えませんがね。…パニッシャーっぽい人が出てきそうな気がする。気がするだけだけど。

スペース☆ダンディ・5話。先週のバカゾンビ話とうって変わって今回は演技派子役とのロードムービーという、そんなテイストのお話。作品が作品だけにいつどこで足元すくわれるかなーとか思いつつ見てたら最後まで全うにダンディがダンディでした。逆の意味で意表突かれたよ! ホンマ芸風の幅が広い作品ではある。何となく「抜き打ちテストのパラドックス」という文字列が浮かんだがあまり関係ない。

てことで、花澤声のペンギン娘と思いがけなく旅をするダンディである。子供っぽい兄ちゃんと大人びたお嬢さんってことで、反目しつつも精神的には近いところにあるってなとこですな。とにかくこのペンギンアデリーちゃんのキャラ、普段はツンツンしてるけど要所々々で歳相応のお子様になる描写がマジモンであった。寝てたソファからもそもそ起き上がるとか、一人になってガチ泣きしちゃうとことかの作画が実にマジモン。だからこそ、上記のとおりロード「ムービー」っぽいなと思ったのだろうな、ワシ。…これでアデリーちゃんが、ダンディの理想どおりナイスバディのおねーちゃんだったら全然ハートウォーミング話にはならんかっただろうなあ。

脚本に大河内一楼、うんまあ確かにベタでガッチリ固めるってのは得意なお人かもしれない。目玉焼きにはタバスコというのはともかく、この世界観で冷凍みかん出しちゃうという方向性のベタってのは大河内脚本らしいなと何となく思った。あとアデリーという名前含めて執拗なペンギンモチーフ押しはコンテ・演出の林明美の趣味かしら。さあ。