シドニア/ピンポン

シドニアの騎士・4話。精鋭4人の犠牲をもってしてガウナ排除に失敗したシドニアは、船体自体の経路変更という大博打によって一旦の回避に成功する。しかしそれは4人どころではない大災害を伴うものであった。そして再度襲来するガウナに対し、われらが谷風さんも打って出るところでありまして…っちう話。

急激な加速によって都市船シドニアの中の人がエライことになるというシーンがすっげえなあ。次々と壁のしみになってゆく人間という即物的な犠牲描写もゴアでいいが、途中で加速方向が激変したことによる落下物の軌道変化の絵がとにかくカッチョ良かった。大量のデブリが一斉に落下方向を変えるという…せんすおぶわんだーだよねえ。

んでもって再襲来のガウナにサプライズアタックされた武器回収班の谷風さん。一瞬の判断でガウナを撃破するわ、虚空の彼方に弾き飛ばされた星白さんを救出に向かうわ、ううんこいつひょっとして主人公ですね? それまでが(才能の片鱗はあるものの)どっちかっつーとヘッポコ気味なキャラクタだっただけに、この主役ノリはなかなか痛快でよろしい。そしてやっぱりチマチマとヘイト値を稼いでいるノリオ兄さんが気になります。あとでエエ位置の仲間になったりすんだろか、これで。さあ?

●ピンポン・4話。前半はアクマVSペコの一戦。子供の頃ヒーローであったペコに対し、鬱屈と屈託を蓄積させているアクマさんは、その努力と執着でもってヒーローに立ち向かう。…思わずアクマ目線で語ってしまったが、そのくらい一連のシーンのアクマさんには普遍的な魅力がある。ヒーロー然としていたペコを見て、その時自分が「どう思っていたか」。この回想シーンにて、アクマさんの顔には決してネガティブな表情は浮かんでいない。…堕ちてしまったヒーロー・ペコさんが、その光を取り戻すのはいつのことだろうか。

後半はチャイナVSドラゴンの重量級バトル。こちらの視点の重心は負けたチャイナの方にありますなあ。都落ちして後の無い卓球選手としての自分を思うチャイナに声をかけ、「卓球じゃないよ。人生の話をしてる」と言えるコーチ/朋友がとてつもなくカッコいい。そらまあ、紫色の龍を召喚して戦う「化物」には勝てんよなあ。ドラゴンが龍、スマイルがロボットをアヴァターとして持つように、チャイナさんのそれは飛行機なのがいろいろと興味深い。高く空を飛ぶものである一方、故郷への思慕と拘泥を示すものでもあるように見えるわね。

戦い終わってバス去って、みな各々の場所に帰ってゆく中、ペコはただ負けて泣いているだけでありますな。さあて、こっからどうするのやら。あと海王のあの超近代的卓球設備は、どう見ても物語的悪の帝国の典型やよね。実際のスポーツ強豪校ってのもあんなもんなんかもしれんけど、最初に思い出したのはロッキーのドルフ・ラングレンでありましたっす。ま、そんな感じだよな。