弱虫ペダル/ガリレイ/サムライ

弱虫ペダル・10話。戦い終わって日が明けて…ってってもまだ新歓レースが終わっただけなんですけどね。自己研鑽のために自主練してる一年三人であり、お前ら仲いいな…特に今泉と鳴子のペアはホンマ、表現形が違うけど中身は一緒って感じがもわもわと立ち上る。ラストに顔見世のライバル面々も含め、基本この作品のキャラってのは外見アレでもどいつもエエ人、っつーか心根が熱いのよね。それはあの御堂筋クンにおいてもその究極点では当てはまることであって…まいいや。

本編は上級生と組んでの一対一練習。各人のキャラに合ったペアリングってことで、小野田さんにはクライマーであるマキシマ先輩が付いてくるのだが、この人がまた上記のキャラ傾向そのまんまの熱くていい人でありますわな。苦手な世間話をぎこちなくでもやろうとするとか、やっぱムリ俺は自転車でなきゃ語れねェとか、いちいち好感度高い。外見キモいけど。…蜘蛛クライムもなかなかキモかったけど、3Dモデルの動き作るの難しかっただろうな。もっとキモくてもいいくらいだ。

マキシマ先輩一年時の「怖い先輩」っての、アレ誰なんだろうな。出しただけで特に考えてない設定だろうけど、寒咲の兄ちゃん辺りと絡めてそのうち再登場でもしてくれると面白いかも…ま、この原作ではやらんやろなあ。寒咲さんが実は現役当時あんなだった、とかそんなムチャならやってくれるかもしれない。

んでその…御堂筋クンですが…遊佐兄さんですか! なるほどなるほど! そういや京都だっけねえ。こうしてCMで顔見世および声優掲載ってのは、つまりスタッフロールでキャストとキャラの登場を見てしまって興をそぐ、ってのを避けるという意味なんだろうな。

ガリレイドンナ・9話。リビアの砂漠で6枚目のスケッチを手に入れて、さあどうしようかなってとこでロベルトボンが出てきてアンナさんの正体が暴露されて、まあ有体に言うて大ピンチである。にしてもアンナさん、取り繕ったり悪ぶったり寝返りかけたり、キャラや行動がブレッブレですやんな。演出意図としては「それだけ彼女の心は千々に乱れている」というアンビバレンツな心情描写なのだろうけど、ハタで見てる分には単なる情緒不安定な姉ちゃんである。…なんかこう、そこまで心根が強くもなさそうなのにロベルトのボンの意図に従って心情ストレスの大きいミッションやってんのがヘンなのだよな。何でまたこんなシゴトしてんでしょう/させられてんでしょうね。

とか何とか言うてたら、謎のガリレイガジェットが土壇場でまたも発動する。今度は何と時間移動。ホヅキさんを危機状況から引っ張り上げ、何故かご先祖ガリレオ・ガリレイその人のところに落っことす。いやあ、お手軽タイムスリップ! ご先祖様イケメン! 梶くん声! …ここで惚れちゃうといろいろタイムめんどくさいが、大丈夫でしょうか。まいいや。

飛行機作ったりしてて、このガリレイさんは何かダビンチとかぶってる感じがしますが、そういう史実でもあるんだろうか。いいけど。史実で言うならホヅキさんの持ってるガジェットと謎の雲のテンポを勘定してその秘密に迫るシーン、これはやっぱ振り子の等時性ネタっすかね。

サムライフラメンコ・9話。トーチャー軍団の来襲もすっかりマンネリ、敵味方市民ともに緊張感のカケラも無い状況。フラメンコダイヤさんはおもんないから抜けると言い、ハザマフラメンコさんは自分だけ真剣でお前らラクでいいよなと言い、ゴトーさんは現実との折り合いに挟まれてイライラしてたりして、どうも危ういっつーか足並みが揃わない。…しかしこの間抜けな敵攻勢も、全てトーチャーの目論見の一環だとしたらどうか? 情けなく爆死する怪人たちも、そういう決然たる意図があったとしたらどうか? 正義のヒーローはその「お約束」に、どこまで殉ずることができるのだろう。

とまあ、やっぱり意外な方向に進んでゆく物語であって面白いなあ。いかにもシコミっぽいだるっだるの展開を裏切らず、マジ拷問やヒロイン略取というガチな「悪」を見せるタイミングが上手い。…視聴者にはちゃんと一発目で「無残に死んでゆく警官」という絵を見せておいて、何となく有耶無耶にする展開でそれを忘れ気味にさせ、ここぞってとこで再度のショッカー画面。そうよね、トーチャーという名前で拷問しない方がおかしいわよね。どうやらネットニュースおっさんは、そのある意味自分に誠実すぎる「歪み」によってトーチャー側に付くようですな。彼の悪への転身描写、このネットリとした論理展開も上手いなあ。拷問にも耐えるほどの「ただ面白ければ良いという意志」ですか。うん、ちょっと好きになったかもこの兄ちゃん。

ハザマさんがぽつりと漏らす「一体僕たち何と戦っているんでしょう」ちう台詞、これがいろいろな意味をダブらせてあって興味深い。トーチャーさんの正体という意味でもあり、ヒーローという概念根本への問いかけであり、またハザマさん自身のごく個人的な履歴に関することでもある。あと何だ、中途から登場のポッと出キャラのクセしやがって、真正面から「ここは私に任せて先に行け!」をやっちゃうハラヅカ博士がなんかおいしいなあ。サポートキャラ冥利に尽きるっちうか。