ぎんぎつね/弱虫ペダル/ガリレイ/サムライ

ぎんぎつね・9話。ハルさん(とか銀さんとかお子さんとか)の一日。何だかんだで結構この神社にも馴染みつつあるハルさんですが、その内面はまるきりお子様。人間換算するには年齢を1/10くらいにするといいんだろうな、ってことで多分ハルさんの精神年齢は8歳程度なのだろう。それで言うなら銀さんは三十路ですが、それにしちゃキッチリとハルさんと同レベルで口げんかしたりして、若いな! つーか大人げないな! 

てことで、今回もハルさん/銀さん各々にあざといかわいったらしさのある話。すぐムキになってどたばたしたり、迷子になって不安に思ったり、助け出されても意地張ったり、でもサトルさんにはべったりだったり、というハルさんが実にかわいい。お狐様たるものあぶらげでないとイカンとか言うといて、実はクリームパン好きとかもう、狙いすましたかのようなあざとさである。銀さんも銀さんで上記のとおり大人気ない…言い方を変えれば「子供と目線を合わせているオトナ」ですからね。ええ兄ちゃんですよ。

今回ゲストはお子さんたち。おばあちゃんに脅されたとは言え、器物破損を悔いて謝りに来るってのはようデケたお子さんであるなあ。こういうところでスカさない、言ってしまえば「甘い」ともいえる話作りがこの作品のテイストである。うん、いいと思いますよとても。…なんかこう、これからサトルさんにはもうちょいちょい試練がありそうだとか聞きましたけどね。まあ。

迷子になったハルさんのシーン、彼女の視点からは世界がいきなり陰影深くなってよそよそしく見える、ってのは定番ながら効果的な演出ですな。お子さんからはこう見えるのもわかるな、っていうか。ドラえもんの捨て犬ダンゴを思い出しましたよ。

弱虫ペダル・9話。頂上まで500m、デッドヒートの小野田クンと今泉さん。そんな状況下にて小野田クンが鳴子さんより授けられた必殺技とは「今泉が動いたらギアを二段入れろ」である。…つまり彼はここまでギアシフト無しで今泉さんにくっついてきてたワケである。うん、尋常じゃないよね。最終的に頂上で力尽きたとは言え、シフトさえ知らぬ初心者に肉薄されて負けちゃった今泉さんの心中や如何ばかり…ってまあそんだけ小野田さんの存在自体がおかしかったってことで。ラスト「もっと強くならねば!」と意識を新たにする小野田さんが、なんかもうそこはかとなく怖い。怖いよ。

てなワケで、小野田さんの自転車適性について、秋葉通いの経験と根っからの素質に加えて「凄まじい吸収力」という属性が加わった話でもある。小野田さんに決定的に欠けているものはダンシングによる登坂テクニックだ、と前フリした直後にガッツリ使いこなして「さっき習った」ですもんね。中長期スパンのシコミバラシにはあまり顧慮せず、その瞬間のインパクトを重視するこの作品のスタイルらしい、っちゃらしい。その場が盛りあがりゃそれでベストなのである。…監督の語る「ロードレースの神髄とは乗ってる最中の楽しさだ」というテーマに通ずるものがある…のかな。無いか。じゃいいや。

登場時からこっちイヤミキャラを前面に出そうとしつつ、どこかそうなりきれないマキシマ先輩であったが、ここにきてついに判りやすく「実はエエ人」側に移行されました。つーかマキちゃんと田所っち仲良いよね。Cパートの一連のシーケンスはそのスジの人にとっては割とたまらんのではあるまいか。よう知らんけど。

ガリレイドンナ・8話。次のスケッチはジャッポーネ、御庭番衆だの柳生だのと何だかいつにも増してベタな流れになってきておられるが、その前にお父んの実家・京都で一泊したいよねーという女子会の面々である。実家のお爺さんちに何故かお父ん作りかけの巨大エネルギーコンバータなるものが放置してあったり、それが何なのか(ホヅキちゃん以外は)誰も知らなかったり、修理して稼動したら夢の家庭用発電機(ガスも?)になったり、毎度ながらファンタジーっぽい流れの話やなあ。エネルギー変換機と言うけれど、何から変換してんだろ。ひょっとして永久機関か何かかしら。スゲエ。

空賊兄さんとハヅキねーさんがいつの間にか急速接近してたりする一方、アンナさんは裏でロベルトさんと密通しているのがどんどん心苦しくなりつつある。「情がうつったか」「そそそんなことないわ」みたいな会話交わしてますが、アンナさんってどう見ても冷酷非情なスパイって感じでもないよね。明らかにこれ、アンナさんごと切り捨てられるという結末だよね。まいいけど。

実家のお爺さんに羽佐間道夫。お声に演技だけではない衰えが見えるなあ、と思って検索したらもう80歳なのか! うへえ、ワシもトシ取るはずだわなあ…。

サムライフラメンコ・8話。先週の衝撃的な怪人出現の後、世間やサムメンたちはどーなってるか…ってすごくフツーに特撮ヒーロー世界に移行してやがんな! それもかなりド定番の和風ヒーローモノのフォーマットであり、バスジャックだの採石場バトルだの水源地に毒物流すだの、お前らちょっと判りやすいぞ悪のトーチャー軍団。

そう、ちょっと定番過ぎるのが気になるところ。負け続きのトーチャーさんも一応悔しがって見せた上で、それもまた予定通りと嘯く余裕は何だろう。上記の定番特撮ネタを矢継ぎ早に見せ、あまりその辺に拘泥しないという構成を見てもこの状況はあくまで更なる展開への布石でもあろうか。現にヒーロー側の状況は少々緩んできており、どこか危うい風情のサムメンさん・状況に飽きてきているフラメンコレディさん・危機意識がどんどん抜けてってる政府の面々と、ワルモン側が何かシカケを動かすには持って来いの状況とも言える。

中でも「確かに」と思ったネタはハザマさん言うところの「怪人の出自」。彼らは元人間なのだろうか、だとしたらコイツら爆殺してホンマにエエんだろうか。話の後半部分でその辺の感情を切り離してしまっているハザマさんの危うさはこれからどう響くのか…先が読めぬな。いやあ、オリジナルアニメって楽しいねえ。

一山いくら扱いの怪人の中、何故か藤原啓治の人が出てきてすぐ死んだりしてて面白い。あと無能総理大臣、石井康嗣かよ! 台詞が「うん」とかそんなんしか無かったからちっとも判んなかったよ! あとカナメシショーはやっぱり役にたたねーな! …この辺も多分何らかのシコミギミックがあるんだろうけど…いやまあ、ラストまでこのまんまでもそれはそれでオイシイな。