弱虫ペダル/ガリレイ/サムライ

弱虫ペダル・7話。承前、新歓レースは続く。小野田さんはクロモリレーサーを得て下位の有象無象をゴボウ抜き、とうとうトップの鳴子・今泉ペアんところまでたどり着く。しかし主人公としての本領発揮はまだまだこれから、とりあえずはメインキャラ三名が同一フレームに収まった、ってとこですかね。…この三人、アニメとして見ると色彩設計のバランスがエエな。向後小野田くんが黄色ベースになればさらにバランスがよろしなりまんね。

てことで小野田さんの自転車モンスターぶりがいよいよ加速しつつある状況である。まだ知識も経験も装備も足りない状況で、勾配を前に「(自転車が)重い…!」と難渋している一年の人の真横を「軽い!楽しい!」と抜き去ってゆく小野田くんの対比よね。さらに先で軽々と三位をちぎって、そらまあ「抜くときくらいこっち見ろよ!」と悲痛に叫ばれもするわなあ。寒咲さんの言うとおり、彼の目には上位二人と自分自身が並んでいるという「完成図」しか見えてないっちうことである。

その惑いなしぶりは金城主将に「追いついて斃れるのとセーブして入賞するのとどっちがいい?」と聞かれて「斃れるほう!」と即答する辺りにも十二分に現れている。そして彼の最大の武器、上げろといわれれば際限なく上げられるケイデンスもやっぱし脅威っすね。ここから10上げないとキツイんだがと憂慮してるマキシマ・田所コンビを尻目に「じゃケイデンス30上げます」とやっちゃうんだもんねえ。ちょっと怖い。

あと印象的に登場する割にその後あんまし目立たない監督の人も登場。堀内賢雄によるギャグとシリアスの演技分けのおかげで印象に残るキャラにはなってんのですが…ってこれ、キルラキルのバラゾー父ちゃんの時にも同じような感想書いたな。ベテラン演技者は強いねえ。

ガリレイドンナ・6話。ハヅキねーさんが熱出しちゃったので(よく熱の出るアニメだな)病院に忍び込んで薬をゲットしようとするご一統である。追われる身であり天候も不順なのであまり選択肢が無いようであるが、こうなるとこないだの謎医療マシンをあのホームレスおっさんから購入でもなんでもしといたらよかったのにな、とか思ってしまった。ま、過ぎたことを言うても詮無いことではある。

てことでたどり着いた病院にて呉越同舟、顔合わせと共に各陣営のキャラクタの差を提示して一つの区切りとする話。その中でもメインに描かれてんのはアドニムーンさんとこのロベルトさんでして、このお兄さんは幼少のトラウマ経験から「利己的な人間は我が手によって死すべし」という利己的な思想に凝り固まっておられる。敵対組織たるブラックガニメデ団よりもその場のゲス市民の方を積極的に殲滅してるトコ見ると、とにかく低劣な人間にガマンがならないようですな。こういうガチガチの思想を持った人は、どっか綻びがあるとポッキリ折れたりしそうな感じもしますけど、まあそれはまたね。

相変わらずどことなくユルい話運びと、ぽんぽこ人が死んでゆく即物的なテイストが同居した作品である。病院のエネルギーが限られてるので二階の重病患者フロアしか暖房できませんと言われてキレる俗物どもの描写があるが、いやそれ普通に二階に上がったらエエやんけ、と思ってしまうのはその辺りのこと。多分思ったより限定的な暖房区画という設定だったりすんだろうが、劇中描写を見る限りは結構余裕ありそうだったしねえ。そもそもゲスいおっさんたちのステロタイプなキャラ描写もユルい雰囲気作りを助長してるのではあるが。

サムライフラメンコ・6話。賞金額大幅アップによって市民皆から追われる身となったハザマさんである。てェか公式でサムメンコ呼ばわりされてんのな。追われ続けて絶体絶命のメンコさんだが、ここで新装備のステーショナリーウェポンによって状況打破でよかったね、という話。装備提供の大川透声のおっさんですが、「でもお高いんでしょう?」云々の不安を他所に純粋な技術マニアックのようであり、あー多分これは確かにハザマさんと同じ側の人、つまりはある意味でのバカである。ま、少なくともこれでいくらかの攻撃力アップは見込めるだろうし、今後の進展にも寄与できそうだし、エエんと違いますやろか。

例の如くのアマチュアイズム、甘ちゃんでバカ正直な態度を貫いてるおかげで何かにつけてピンチになってるハザマメンコさん。彼にとって正義の味方ってのはそういうものなのである。しかしその愚直さが、土壇場において自身(と、多分それに関わった他者も)を救うことになるというベタな展開はベタだけによろしい。多分この微妙な辺りの正義ってのが、この作品が追っかけてってる主題の一つではありましょうな。あとついったーっぽいアプリとスマホによって追い詰められ、そしてその同じモノによってピンチを脱するという、割と今様な要素による話の起伏/仕掛けも面白かったりした。

えー、一方のフラメンコガールですが、性格的にツッコミとしてブレーキ役になるかと思われた赤いカンサイのお嬢さんもすっかりとりこまれ、三人チームとして順調に暴走中。何でしょうか、このチームは敵の野郎を倒したらちんこキックするのが毎度のノルマなんでしょうか。この辺のネタを結構な尺取って描写してて、おまえらホントちんこキック好きなのな! なんかちんこに関しての強迫観念でもあんのか。

あとリーダーのマリさんの制服フェチ嗜好はどうもガチ度合いが高すぎてなかなか引くことである。ゴトーさんに警察コスプレ(コスプレ?)させてる辺りのキッツい雰囲気は、エエ具合に乾いた笑いが出てきてなかなか止まりませんでした。この作品に出てくる人はみなどっかおかしいのでありましょうか。そういう視点からするとゴトーさんも、「彼女」に関してのモヤモヤは付きまといますねえ。その彼女とやらは本当に実在するのでしょうか、というかさ。いや、うんまあ。