進撃の巨人/ヤマト

進撃の巨人・19話。女巨人はエレンたちの元に迫り、次々と兵士たちが損耗してゆくもリヴァイ兵長は動かない。命令の不可解さに「どうしてやろう」と思い悩むエレンだが、そんな彼に「テメエの判断で好きにやれ」と意外な言葉を返すリヴァイさんである。そしてエレンが思い出すのは、彼が思いがけず巨人化してしまった時のリヴァイ班の情景であり、あんなけ信頼してくれるんならここはコッチも信頼してやろかいな、と決断する。そしてポイントゼロにおいて、多大な犠牲を祓いつつも女巨人の拘束に成功し…っちうね。

リヴァイ班長(とエルヴィン団長)は独自の意志と強キャラぶりを保持し続けているが、それ以外の兵団構成者はそれなりに弱いところがある、という図。弱さってのは人間らしさでもあり、エレンに対してその弱さを認めてさらけ出すことで、エレンは彼らとの間に「人間同士の関係性」を感じることができるワケだ。そういうアレコレを受け、回想から戻ってエレンが命令に従うと決断するシーンでヴォーカル曲がかかるという感動展開はまァ王道だけど、ちょいとオーヴァー過ぎるかなとか思ってしまった。何だろう、演出の濃度が少し薄かったと感じたからだろうか。…作画の乱れこそほとんど無いものの、今回もSEに絵がついてってないところがいくつかあった気がするからなあ。いや、ホンマスケジュールしんどいんやろなと。

そんなこんなで拘束された女巨人ですが、まあこのまま上手いこといくかどうかはちと怪しいとこではありますな。思考能力がほぼ人間そのままだし、油断がならんのは兵長たちの言うとおりだ。…あと何だ、ハンジさんは本当におもろいなあ。コメディリリーフであり狂気の体現者であり冷徹なブレインであり、この人が出てくると作品世界の広がりが(いささかヘンな方向に)拡張するような気がする。パクロミさんもエエ演技しまっせ。それとあとオルオさんはちゃんと耳塞げ。この人もいちいちバカチンで面白い。

宇宙戦艦ヤマト2199・20話。承前、七色星団にてドメル艦隊との大決戦。いやもう、お互い死力を尽くしてってのがよう判る、フラフラになりながらのド突き合いバトルでこれはすげえ。前回「WWII海戦そのまんまやん」と言いましたがその度合いは更に進み、空母艦隊は宇宙空間に波紋航跡残して進むわ雲間から襲い掛かる急降下爆撃機を艦載機と高射砲で迎撃するわ重爆撃機は飛行甲板から発進した後一旦沈み込んでから飛んでくわ敵戦闘機は「太陽」を背にして襲ってくるわ、もうやりたい放題。被弾して甲板上をすべり「落ちて」ゆく艦載機の絵に思わず「カッケー!」つっちゃったよ。

なかでもあの急降下爆撃機、逆ガル翼やら機首んとこのデカいオイルクーラー(みたいなもの)やら、スツーカそのまんま過ぎますやん。急降下(ってったって宇宙空間でどっちが上や下や判らんけど、そんなんエエねん)の時にキッチリサイレン鳴らしてたりして、バカだなホンマ! …気になって前作、初代のヤマトをチラッと見てみたら、この宇宙スツーカは昔っからほぼデザインそのまんまなのな。ヤマト侮りがたしである。

てことで、一大海戦として非常に充実した、見所満載のサーヴィス回でした。前回も言うたけど、前作の要素を忠実に盛り込みつつも各部のバランスを丁寧に取っている感覚はとても好ましい。「猛将ドメル」というラベルに相応しい戦いぶりを見せつつ、それでもヤマトが勝利するというスジをさほどの違和感なく構築してあるだけで満足よ。あと森くん結局攫われちゃいましたけど、そんかしそっくりさんが目覚めたしいいよね! ってことで。いやそうもいかんので奪還話も来るんだろうけどさ。