進撃の巨人/アザゼルさん/ヤマト

進撃の巨人・12話。エレン巨人を使って城壁の穴ふさぎをしよう大作戦は明らかに失敗である。エレンとしての意識もなくただ暴走している巨人に、何とか説得しようとして顔に向かって語りかけるミカサの言葉も届かない。ただし顔に取り付いた彼女をぶん殴ろうとして自分自身を殴り倒しちゃった、というかなり情けない成り行きによりとりあえず暴走は収まることとなる。…この作品、こういう「極限状態での喜劇」みたいな描写多いわよね。サシャの行動のように割とコメディ色が強いケースもあるが、今回の場合は人間ってのァ無力だなあ、という諦観っぽい乾いた笑いが大きいっすな。

さて、見ン事作戦失敗となればそのケツをどうぬぐうかってことであるが、この場の指揮官たるイアンさんは「エレン巨人を護る」という意外な選択肢を採る。不満やらなにやらを押してその任に当たる精鋭たちの一方、アルミンはエレン巨人に再度の説得を始める、と。ミカサは正攻法な言い聞かせを試みて失敗したが、アルミンは延髄にカタナぶっ刺してから半ば直接的に言葉を送りつける。アルミンらしい「正解を選択する能力」ですな。言葉の内容も「外」をキーワードとし、巨人体から脱出することとこの城塞都市から脱出することの双方でもってエレンの人間性を喚起する、という。…なるほど、彼がこの物語に欠かせない主役の一人であり、エレンが絶対の信頼を置く人であるワケだ。

作戦はこのまま失敗、エレン引っ張り出して退却という流れもあり得るけれど…どうかな、次回予告見るとそういう方面には進まないっぽいかな? 何とか意識をつないでエレンが土木作業を開始するのか、はたまた他の巨人の殲滅に向かうのか。さてね。

●よんでますよ、アザゼルさん。Z・12話。割とどん底気味なアザゼルさんであり、彼にあるのは便所掃除・居場所の喪失・さくちゃんたちからの侮蔑の視線。挙句にお母んが寝取られとるわキヨコの情交現場に居合わせちゃうわ、もうボロボロ。この辺のどうしようもなくなってゆく描写のたたみかけはホンマ、この作品らしい容赦のなさでなかなかスッゲエ。雨中傷心のアザゼルさん(それでも声かけてくれるの待ち構えている、ってな妙なプライドはあんだよなあ)に最後の追い討ちをカマす芥辺氏で次回に続く、と。

でもなー、このテンプレみたいなベタな転落描写もなー、この作品のことだし「浸れるような悲劇」として終わりにはならず、もっと別ベクトルのひっでェ話になりそうな気もするんだよなー。このまま没落と再生とちょっとしたオチ、で終わるような小奇麗なアニメ/マンガじゃねっだろなと。いや判んないっすけどね? ちうかインキュバスさんはやっぱしウラがあったけど、悪魔だしそれはそれとして、キヨコも何か隠し事ありっぽい気はします。お前の方から誘たんちゃうけ、とか。あと釘宮さんのオウッオウッというあえぎ声、1期の時と比べるとちょっとだけえろっちくなってたような。なってなかったような。よう判んないっすけどね?

●んでむろみさんは…ええと、なにこのほぼ純粋な18禁アニメ。アバンでキュウリ使って擬似フェラやってんの見て「また飛ばしてんなあ」と思ったらそんなんが霞んでゆくほどの爆走バカえろ描写のつるべ打ち。ほとんど奇乳クラスの富士さんのちちを執拗にいじくり続けるだけの10分間という、ホント何考えてんだコイツらは。打ち上げ花火が乱舞する中ちち揉まれて絶叫してる富士さん、という絵もアレだが、尾っぽのヒレを破るということを陵辱乱交のあからさまなメタファーとして作劇してる一連のシーンはホンマもう、どうしたものやら。同じようなえろシーンをしつっこく繰り返す手法といい、コイツら判ってやってやがるよね。てェか尾びれに意味深なカゲを作画すんなすんな。いや、もう、大笑いしましたよ。前のアザゼルさんともども、地上波でやってエエんかいなこれ。

宇宙戦艦ヤマト2199・12話。ヤマトではメルダ/ガミラスをめぐって古代に島が突っかかり、ガミラスではドメルの軍人気質とギムレーの陰謀気質が対照を成す。いずれも人が集まって作られる集団のこと、そうそう一枚岩ではいられないワケで…っちう話。こうしてお互いの齟齬や理解不足を共通テーマとしてメインに据えた話を作るってことは、やはり最終的にはある程度の和解が収束地点となるんだろうな。いや、ここまで積み上げた上で無慈悲で終わりなき殲滅戦を示唆して物語は終わるっちうアンチクライマックスもアリだけど、それはヤマトのリメイクとしてはあまりにも…ねえ。

初めと終わりを古代たちの話で挟んでんので一応ヤマトメインとはなっているが、やっぱし強い印象を残すのはドメルたちの絵面だよね。政治に興味はないと言いつつ、ある程度如才なく行事をこなすドメルの好漢ぶりは国民英雄だけのことはある。やがてヤマト討伐の任を受けやってくるであろう人物を、数話のスパンかけてじっくり彫りこんでくるってのが丁寧なことだ。…総監督のガミラス趣味が横溢してるよなあ。

最終的に和解する古代と島の様子を見てうふふと微笑む森雪さん。物語開始当初の「あの精神年齢の幼いガキどもめ」とか言うてた頃に比べるとだーいぶデレてまんな。えーあと、コスモゼロでハモニカ吹いてる古代んとこへやってくる森雪さんのシーン、何故かすっさまじいしりコンシャスな作画になってて割と参った。うん、別に参らなくてもいいけどさ、改めてこのボディスーツのはれんちさを思い知らされたりした。