進撃の巨人/ヤマト

進撃の巨人・14話。エレンの巨人化能力はかなりの議論と不安を巻き起こしている。憲兵団は彼の調査解剖を求め、調査兵団は対巨人戦の兵器として期待し、その他諸々。そこに宗教団体やら商人組合やら、勿論一般市民やらの思惑が絡んできてもうワヤである。そこで軍による審議もてどーしよっか決定しますよ、という運びになり…ってことで今回の話はまるまる逆転裁判で意義あり! っちうアレですな。

物語の文法上ある程度しゃーないとは言え、憲兵団はとことん高圧的な、そして裏側に怯懦の心の見える類型的な役割である。宗教家や商人集団などエレン処分側の面々は大体そんな感じであり、おまけに早速身内で分裂してたりしてどうにもシャンとしない。それでも恐怖という感情にはとてつもないパワーがあり、エレン処分の方向で大方決まりかけた時に発動する切り札パワーカードがリヴァイさん。…身内を過剰にボッコボコにして対立相手を引かせ、結局話を有利に導くってのはアレやね、基本ヤクザ屋さんとかの手法やよね。無論それだけじゃなくて「お前ら処分するて土台ムリやんかいさ、俺はこうしてボコれるけど」というネタを叩き付け、その上で「ワシらお外に出るからあんたら安全になるよ? ねえ?」というちょいとしたお為ごかしも譲歩的に見せるという流れもあり。うーん、この尺の限定的なエンタテイメント裁判としてはなかなか妥当な落とし所じゃなかろか。

てことでエレンさんは晴れて調査兵団入り、塀の外に出られるってワケか。この先更なる面倒な戦闘がありそうだが、それはこの先。あとその、リヴァイさんがエレンさんをボコってるシーン、後ろで見てるミカサさんの凶相がきゅーとでよろしかった。そのうち直接殴り愛でもしてくれるんやろか。

宇宙戦艦ヤマト2199・15話。ヤマトとガミラス、双方で内輪もめの兆しあり…ってガミラスの方は総統暗殺っちう非常事態になってんですけどね。これ、ヒトラー暗殺とかその辺が元ネタかしらん。ここでホンマに総統退場とはちと思いにくいので、何らかの方法で生き延びてると思いますが…そうなるとこれは暗殺首謀者を炙り出すための前置きってとこだろか。このゴタゴタのおかげで、九分九厘仕留められていたヤマトをみすみす逃がすことと相成ったドメルさんの心中やいかに。あすこまで追い込んだんならもう一押しくらいしてから引き上げたかったやろなあ。なんか奥さんが叛乱分子に加担してるようだし、ドメルさんの行く末はちとアヤシゲではある。

んでもってヤマト側のごたつきであるが、今んとこ新見女史と伊東さんがそれぞれの立場で動き回ってるご様子。新見さんが篭絡にかかってんのが島の兄ちゃんだってのが意外だけど、確かにフネの進行を握ってるヤツを抱き込むってのは効果的かもしれないな。…この辺の篭絡シーン、新見さんの動きが妙にしっとり粘っこくて一種の見所ではあった。島くん、どうするよ。

後半のメインディッシュ、VSドメルとの本格海戦は流石の物量作画で実に豪勢。上記の通りお家の事情でドメルさんが引いてくれたから助かった、ってのが本当に実感できるような絶望的ボコられ方でしたな。敵戦力の最も厚い所にまっつぐ吶喊、お互いの船体をこすらせつつすれ違うというやたらに熱い展開がまた、うおおって感じ。この時のドメルさんの凶悪な微笑もよろしい。

なんかユリアちゃんがサーシャだかユリーシャだかに乗っ取られ中のようで、真田さんといきなり波動物理学談義始めちゃうシーンがワケ判んなくて面白かった。カラビ-ヤウ空間がどうこうってことは今の超弦理論がヤマト世界でも有効なんだろうけど、えーとブチンスキー方程式ってのはひょっとして出渕のおっさんから名前取りました? ミノフスキーみたいな? あと今回の戦場たるパルサーの絵がとても良かった。実際ああいう風には見えないだろうとは思うけど、科学雑誌の見開きページっぽい絵であれワクワクするよね。いいよね。