有頂天家族

有頂天家族・7話。前半はなんかもう、醗酵臭までしかかってるらしい赤玉先生を風呂に入れようとする話。風呂嫌いで頑張ってはいるものの、入るならば弁天と一緒がいいとか言うわ脅しをかければシオシオ天狗風しか出ないわ、となかなか哀愁漂いつつもめんどくさい爺さんであるのはいつもどおり。ひとしきりやいのやいのと暴れた後、「そういえば汗もかいたのではありませんか、ひとつ風呂などどうでしょう」と水を向けられてうむうむと従う、という矢三郎との阿吽の呼吸がバカバカしくも微笑ましい。師弟愛というか、まあそんなんですわな。

何とか銭湯に放り込むことができたその矢先、偽右衛門選挙の牽制として金閣銀閣が乱入するもあっちう間に撃退され、そこから得られた情報は親父・下鴨総一郎の死について。どうやら矢二郎が関わっているらしいと聞き、慌てて彼の棲む井戸に向かって問いただすと「その通り」とな。ふうむ、これはまためんどうな…というか、先週のエピソードを見るだに親父本人はすべてひっくるめて認めちゃってるようだけど、まァそれ以外の家族にとってはそうそう割り切れるもんでもなかろうなあ。矢二郎兄さんが井の中の蛙となった理由ってのもそれでしょうねえ。…鳴きはすれども泣くことのない矢二郎ガエルのその面に、ぽたりぽたりと露が降りて彼の心を垣間見せる。そういや先週、弁天様の涙を面で受けていたのは矢三郎さんでしたか。

金閣銀閣来襲のシーン、役割としてはイケ好かねえ敵役の尖兵ではあるんだけど、どうにも間が抜けたとこが隠せないこの兄弟はやっぱ面白い。中の人の演技もあって、そらっとぼけた妙な味のあるお人…お狸さんである。あとこの辺の銭湯シーンは矢四郎さんの立ち居振る舞いがいちいちあざとかわいくてよかった。そのスジの人にはたまらんキャラなのではなかろうか。さて。