たまこまーけっと/新世界より

たまこまーけっと・9話。おもちの日にもちつきイヴェント開催、それとともに各所各時代でいろんなポンワリ恋話が発生する話。現在進行的には妹のあんこちゃんが思い人の引越しに落ち込んだり発奮したりする話がメインだが、それにおとーさんの過去と「例の歌」のこととかモチゾーさんがほんのちょっとだけ報われるのこととかが絡んでくる、と。しかしここにきて、たまこさんが恋愛上でもそれほどニブカンではない、ってなスジも見えてきてますな。あんこちゃんの心の動きにキッチリ対処して、その後モッチーにもフォロー入れた手練手管はただものではない。モッチーにとってはますます魔性の女としての存在になってってるワケだが、まァ本人が泣いて嬉しがってるならよし。

今回は妹さんがメインだけあって、彼女のちまっとした背丈を生かす演出が多くて興味深い。あんこちゃんが帰宅してきて引き戸を開ける仕種、両手を添えてうんしょと開けるアレだけで彼女の幼さと丁寧な心性が判る(ちょい後、同アングルでたまこさんの帰宅シーンがあるのがよい対照)。あとたまこさんがあんこちゃんの背中をそっと押してあげるシーン、屈んで目線を同じ高さに持ってくるのがエエよね。命令や指示じゃなく、対等の立場としての声援である。…やっぱたまちゃん、この作品のイノセント最強主義の体現者やな。

んでもって裏のメーンイヴェントが藤原啓治お父んの大活躍。別立てのキャストが無かったってことは、若い頃もあの歌も全部啓治さんの演技ってことなのか。スゲエな…若いなおっさん! 一応歌い手さん名「ダイナマイトビーンズ」を検索してみたが、どうやらこのアニメ専用のモノのようだしな。ああ…ダイナマイトビーンズで「豆大」ってことか。青春っぽいネーミングセンスやなあ。

新世界より・22話。思いがけず再会したキロウマルと何とか命を拾ったイヌイさんをパーティに編入し、サキさんたちが向かうのは死都・東京である。話も真ん中辺りに来てやっとサブタイ「東京」が表示される、という凝った演出が効果的。して何ゆえそんな面倒な所へというのは他でもない、謎の最終兵器・サイコバスターを求めてである。強大なイレギュラーたるバケネズミ側悪鬼と対抗するにはそんな伝説の兵器にすがるしかない、という。…強毒化された炭疽菌、ですかあ。それはまた…何と言うか。

東京地下の地獄めぐりシーンは(ある意味での)サーヴィス精神とエンタテイメント精神が満点であり、そーゆーの苦手な人からしたらかなりキッツいシーケンスであろうなと思いました。蟲と汚物でできた地面に足首まで埋まりながら歩くってのはワシだってヤです。前半の手紙シーンであんなけ強い々々言われてたサキさんが「いーやいやいやむりむりむり」となっちゃうのが、よう判るけど笑ってしまった。そらムリやよね。うん。

今回も相変わらず、内容の多いシナリオを30分枠に収めようと苦労してんのが見えますね。前半は手紙朗読の裏の映像でずんずん話のディテイル進めて時間を節約、後半も長ったるいデータ端末の台詞にかぶせ気味で各人の台詞をツッコんでいる。その分上記のキモいシーンをたっぷりと…。まあ、原作はもっともっと濃厚に気持ち悪いんでしょうけどね! あと、リュックに入れられておとなしく運ばれてる端末ちゃんがなんかかわいい。物語上の用が済んだらアッサリ退場しちゃいそうだけど。…んでお声が平松晶子かあ。親分が玉川砂記子で端末が平松、っていうエエ感じのヴェテランキャストがなんか楽しいな。