ヨルムンガンド/サイコパス/ロボティクス/中二病/ガルパン/新世界より

●…この辺で一瞬泊まり仕事が出ると見るアニメが大変なことになるなあ…。うへえ。

ヨルムンガンド・8話。冒頭よりDr.マイアミ登場、今回はいよいよ作品根幹たる「ヨルムンガンド計画」について本格的に話を転がし始める。キャスパーとココ、HCLI社の二人の間にも何らかの乖離はあるようですがね。そしてそんな雰囲気の変化を演出するためか、今までの大物ゲストキャラが続々登場勢ぞろいしてくるのである。豪華だなというか、不穏だなというか。

その中にあってまず、「カンの鋭い」武器商人たちは状況の変化に気付き、その流れに即応しようとしている。カリー社長はHCLIのパワーにお手上げして商売替えしようとしているが、トロホブスキのオバハンやブックマンどっちかっつーとココちゃんの方、何やるか判んないがその内容に興味があるらしい。いずれにせよ、これから何かデカいことが起こるのだろうがね。

キャスパーのやろうとしてるのは衛星による兵站通信の完全掌握。敵も味方も同じ兵站網を使うってのは軍としてはもってのほかだろうけど、ここで手を引いちゃうと相手に優越されてしまう、というとこまでシステムを作り上げちゃったんだろうなあ。これでHCLIは全ての情報と兵力が筒抜け…と、そう上手いこといくだろうか。

あと今回は出てくるゲスト、どいつもこいつもなんかお茶目でかわいらしいのがちとズルい。ショコラーデもカレンもミルドもかわいいけど、一番はスケアクロウの兄ちゃんがチンピラ振り回されキャラとして実にかわいい。とうとうショコラーデさんに「バカですか」とか言われてるし。…ま、それらのキャラの魅力は、ココの底知れなさとの対比を出すための装置でもあるのだろうけれど。

PSYCHO-PASS・7話。坂本真綾のお嬢さんは(割と勝手に)死んだ親父の意思を継いでゲージツ殺人に邁進するのである。それをちょいと後押しするのがマキシマさん一派、自らを「玩具屋」シリアルキラーたちを「いたずらっ子」に喩える軽さがいかにも悪の思想犯っぽくて判りやすい。失踪した幼馴染を探して自分も殺人のワナにかかり、気付いたら幼馴染の死体と人間解体施設にご対面…っちうラストのヒキはなかなかにコワいな。この作品の場合、こういういかにも助けが入りそうな状況でも普通にダメ、って流れがありそうなだけに余計にコワいわ。

さて。死んだ芸術家である父の恐ろしげな絵画は「世の中の狂気に対するカウンター」…適度な不快感や刺激をもたらすことで世界に健全さを保たせるのが目的、と。この父ちゃんは絵を描くことそのものが目的じゃなく手段であるような人なのな。だからこそサイコパスシステム普及後は自分の役目は終わったと筆を折ることができるのか。そこら辺、娘であるお嬢様の方はちと違うような気がするねェ。自分をいたずらっ子と称しているし、多分ご大層な思想やポエムは殺人という行為に従属するもののような気がする。判りませんけどね。

冒頭でコーガミさんと一緒に不正規別働隊っぽい行動をすることにしたアカネさんが、これからどうやって話に介入してくるかが次週の主題だろうか。ま、その辺も楽しみに。あとちょこちょこ出てきてた拡張現実という要素を、ちゃんと話のギミックとして使ってきてたのに好感を持つ。つーか服だけじゃなく顔も声も変えられるのね…。触られてバレたりせえへんのやろか。

ロボティクス・ノーツ・7話。なんかかんかでスペース飴というスポンサーも付き、結構アッサリと巨大ロボット製作への道が開けてってるご一統である。お父んからの猛反対で去ってったスバルさんも戻ってきてたけど、何でしょうね、小さな趣味のロボはダメだけどデカいロボならオッケーってことでしょうか…ってそんなワケないやろなあ。また後でお父んの決断的介入とかありそうだが。

しかし今回は、そういう判りやすい物語の進展具合はそこそこで、あちこちで今後への伏線を仕込んでいるのがメインみたいな感じではあった。太陽嵐と世界の破滅、アニメ監督であったフラウさんの親の不可解な事件、そして謎のMIBの介入。まあMIBさんたちは次回直結で話があるだろうからよしとして、フラウさんとこの都市伝説的な大量殺人はまためんどくさい要素ではあるな。当然これも本筋に絡んでくるのだろうが、ふうむ…あのロボアニメに何らかの謎や秘密が隠されていた、っちうことかしらん。

上記の殺人事件の話は、カイさんの病気について言葉がすぎたことのフラウさんなりの埋め合わせ情報なのだが、これが「ごめんなさいその代わりといっては何ですが」的行為に当たると認識しているのがフラウさんらしいヘンテコ加減だと思ったりする。しかし、レイアウトやカット割り、芝居のタイミングで何となく「すまなく思った」ことが判るように演出できてんのは上手いな。あと喜久子姉さん、まだまだちゃんと「17歳」キャラの声もイケるのだと判ったので良かったです。うん、少なくともそないムリもない…と思う。

中二病でも恋がしたい!・9話。やってきました学園祭。まァ学園モノの王道イヴェントは外しはしないわよな。てことで、夏の海以来何となく距離が開いてしまったリッカちゃんとユータさんをアレコレしようとするモリサマさんの話。そう、舞台の上の主役はリッカちゃん(とユータ)ではあるのだが、お話としてのメインキャラは今回モリサマーさんである。二人の距離を近づけるために奔走するという、なんつーかその、こうなると…うん、ちょっとモリサマご本人にもエエことあってもよいのでは、って気がしてくるねえ。

リッカちゃんの戸惑いとドキドキに対してごくストレートに「そら恋だよ」と言ってしまうモリサマさんが男前というか、部のお母さんというか、世話焼きオバハンというか。後半の恋愛大作戦シーケンスはラブコメ作品の定番であり、ああこれは何だかんだでもとのサヤに収まってめでたしかなと思ったら割とガチでお二人の距離が近づいてしまった。つり橋効果って偉大ねえ。この辺のどらまちっくさ加減は流石に手堅く、京アニらしい安定感がありました。

今回もよう動いて楽しかったけど、画面的にはモリサマとリッカさんが恋の会話してる辺り、話が盛り上がってくるにつれてちょうちょがどんどん寄ってくる、というギミックがバカバカしくも効果的でなんか笑ってしまった。ちょいちょい乱入してくるネコがよいアクセント。あとまあ…トーカ姉ちゃんも、いろいろ抱え込んで大変なのは判るけど、でもいっぺんちゃんとリッカちゃんと対峙してあげた方がエエと思うよ。とかね。

ガールズ&パンツァー・7話。サブタイで「アンツィオです」とか言うてるが、お話のほうは基本日常描写と今後への伏線であり、CM前の思わせぶりなワンカット以外いつまで経っても出てこない。あーやっぱこれあのパターンかなーとか思てたら案の定、試合開始から10秒で決着退場のアンツィオさんたちでした、という…。いろいろネタにされることもあるが、イタリーはイタリーでちゃんと強いのに! セモベンテとかカーロアルマートP40とか、味があってエエ戦車なのに! …アンチョビさんのCVも無かったけど、誰かとの兼任なんだろうなこれ。

本編。冒頭は承前であり愛河声の冷泉おばあとのエピソードを通じ、西住どのは自分自身の家族について考える。峻厳な母の言う西住流の真髄は「いかなる犠牲を払っても勝利すること」。家元の歴史と看板の重みっちうことだろうけど、この大洗において西住どのはまた別軸の価値基準、「楽しかった」という要素を見出している。仲間たちも然りながら、対戦相手からもそのように評されるってことは幸いなのでしょうな。…ちうか回想シーン、件の試合の真相ってあぶねーな! 試合中に僚車が転落水没、それを助けるために自車輌を放棄したから譴責、ってそれは協会が試合中止しようよ! こえーよ死ぬよ! それを「勝つための犠牲」とは普通言いませんよ! 

えー、それはともかく。あと今回で追加の戦車が発掘されるというネタもあり。シャールB1bisとはまたこのメンツらしいなあ、立ち位置としてはリーに近いか。そして物干し竿、もといIV号用の長砲身も出てきたのは打撃力に大きなプラスですな。なんかこの辺、ゲームのお使いクエストみたいでインスタントにワクワクしますが…あれ、最後に出てきたのは防盾からするとティーガーか? まほお姉ちゃんとカブっちゃうの? まあ打撃力は欲しい所だけどね。

前半の大洗の町並みシーン、取材の成果だろうけどやたらと稠密な背景美術になってて、すげえってよりなんか面白かった。あと「超巨大船舶の下層で迷子になる」という要素はとんでもなくワクワクしました。毎度言うけどワシこういうネタに弱い。ワシもこの巨大構造物の中で迷子になりたい。そして最下層にはワケの判らん独自コミュニティとかあったりしたらもっといい。住みたい。

新世界より・9話。不可解なシュンさんの失踪に対し、行動を起こすご一統。サキさん組はシュンの家に赴くもそこは厳重に封印されており、異形化した空間が残るのみであった。そして一方のマリアさん組は「不浄猫」の秘密に行き当たり…っちうお話。触れてはならぬ禁忌の中に踏み込んでゆく、ゾワゾワとした不安感がこの作品らしいな。シュンさんちのグラウンドゼロがどうなってたのか、イマイチ判らなかったけど…まあそれはいいや。

判んないって言えば今回も出てきた「業魔化」もそうなんだけど、今んとこの共通認識としては「人ならざるものに化ける」ってなことでいいのかな。シュンさんち周辺がことごとくヘンテコになってたの見ると、呪力の制御がきかなくなってんのか精神が崩壊して暴れたおしてんのか。とまれ、すでにサキさんたちの見知ったシュンさんではなくなっているのだろうな。…呪力の封印は破ることができたけれど、この作品的のカラーとして…ううん、シュンさんが元に戻れるかどうか。ま、今はまだどーなってんのか判んないんですけどね。

両親の懇願を振り切って友のために往くサキさんがものすげえ主人公ぶりでよろしい…っつうか無謀っつうか。出立前に無言で装備整えてるシーンとか、ハリウッドアクションモノの最終バトル前に隠れ家で武装確認してる退役兵みたいでしたよ。あと、自分の名前の由来によってある真実に気付くシーンの「あ、判ってしまった」ってな恐怖感もよろし。