中二病/ガルパン/新世界より

中二病でも恋がしたい!・10話。ちゅーわけでまあ、恋をしちゃった中二病さんお二人である。前半は周囲の助けもありつつ二人がいかにして不器用な心を交わすのかという、後半はそれだけでは世の中上手くいかねェぞというお話。どちらもキーとなるのは中二病なのだけれど…どうだろうねえ。このままの調子ではリッカちゃんは中二病を卒業/克服し、現実なるものと折り合いをつけて「まともに」なることで終わってしまいそうだが…ううむ。

確かにリッカちゃんの中二病は辛い現実から身を護るためのシールドであり、いつまでもそうしているのはいびつなことだろうけれど。それでは単に中二病を「一時的な取るに足らぬもの」と切り捨ててしまうような雰囲気が出てしまう。まあこの作品ならなんかかんか軟着陸地点を見つけてくれるのではないかな、と思う。しかしカラコンと眼帯を取り、「見上げてごらん夜の星を」を歌うリッカちゃんは…これは訣別の意思を持っている、のだろうか。

今回は主役二人のワキである賑やかしさんたちが意外な健気さを見せててよろしおました。特にデコちゃん、いつもどおりの中二モードでどたばたするかと思いきや、ちゃあんとリッカちゃんの心の支えになりつつ自分は陰で涙こらえるとかお前かわいいな! 一色さんは一色さんだけど。んでもってモリサマさんは相変わらず苦労人でありなんかお母さんだ。

ガールズ&パンツァー・8話。プラウダ校戦開始である。ワシらがソビエトに対して持ってる、物量だとか無茶な消耗戦術だとか全体主義だとかのステレオタイプなイメージをしっかり押さえてくるのは、何というか丁寧だな。雪中夜間の小さな集落における戦車戦ってのは、ああ…パンフロを思い出しますなあ。第五パショーロクにガイトロヴォ、だ。

まずもって物量。サンダース校を上回る15輌の持ち駒、その内訳もT-34/76と/85も然りながらJS-2mと…KV-2か! これはまた思い切ったチョイスやなあ。今回ラストで大洗組は協会に立てこもったけれど、このギガントならばソレごと吹っ飛ばせるよな。あと戦術、2輌のT-34をおとりとして消費するという贅沢な、いや人命(じゃないけど)の安い戦い方が実に「らしい」。ヘタ打ったらシベリア(寒い教室)送りだとか言うてたけど、このおとりさんたちもそれに該当するのだろうか。しちゃうんだろうなプラウダだから。後ろから政治将校が狙い定めてないだけでもめっけもんである。

ウラー! の鬨の声とともにカチューシャ歌いながら進軍してくる辺りも、いかにも共産圏映画っぽい雰囲気でよろしい。ちうかこの前後、プラウダリーダーのカチューシャちゃんがカチューシャに乗ってやってきてカチューシャ歌ってるという天丼攻撃がバカバカしくて良かった。ついでに髪の毛にカチューシャつけてたらおもろかったのに。がはは。

一方の大洗組は慢心と戦力不足であっという間に戦力ガタガタ。三突の履帯損傷と四号の砲塔破損は厳しい状況やな。本戦闘にはポルシェティーガーは間に合わなかったようだけど、どのみちこの雪原では満足に機動できなかったかもしれん。ま、次回どのように挽回するのか楽しみにしよう。

雪原の中での戦車機動を描写するCGがなかなかの迫力。雪を蹴散らし急角度で上ってくるJS-2mの絵とかカッチョエエよね。えーあと、検索してみたらノンナさん役の上阪すみれさんって重度のロシアオタみたいっすね。ドイツからロシアへのオタ興味移行とかガチやがな。…モデルグラフィックスに八九式の作例を二日であげちゃう中村桜さんといい、このアニメは中の人たちも業が深いような気がするな。

新世界より・10話。シュンさんの「業魔化」とその結末。この世界の人間は常に無意識からの呪力を漏出させており、その影響で生物の進化、というより異形化が加速されている。その漏出が暴走した結果が業魔であり、シュンさんはその「業」によって半ば自滅の道を歩んでいる最中である…と。全てを飲み込みこの舞台から去る直前、最後の最後で好意を伝え思いを通わせようとするシュンさんは…ちょと理性が克ち過ぎた悲しさを感じますな。こういった暗部を隠蔽することでこの社会はなんとか平静を保っていたってことだろうが、子供たちはともかく大人はどこまで周知してることなのかねえ。あるいは成人したら誰もがその辺の謎などを教えてもらえるのだろうか。

こないだに続き二回目の山内重保演出・羽山淳一作監回。相変わらず独特の演出と画面で、斜めを多用した不安定なレイアウトやら微妙に違和感のあるカットの繋ぎ方やらでなかなか咀嚼しにくいことだ。ただ、どうにも鬱々としたダウナーなネタの回だけに、こういう不穏な雰囲気は割とフィットしてると思ったりする。あと何だ、今回は冒頭から妙にサキさんが艶かしいよね。動きもともかく視線の投げ方とか、実に官能的でした。