ダリフラ/バキ/ルパン/ひそまそ/メガロボクス

ダーリン・イン・ザ・フランキス・22話。ラス前のクライマックスで、一大バトルの上にゼロツーさんが巨大花嫁になって宇宙のかなたに去る(新郎のヒロさんもついでに)という、なんか風呂敷広げたなーという流れ。ゆるやかに衰えてってる登場人物たちが、そういうもやもやを吹っ切るように大立ち回りしてんのは爽快ではあるが痛々しくもある、かしら。あとしらんうちにナインズの人たちは全滅してたんですけど、もうちょっとキャラ生かしたったらよかったにのう、とか思った。なんかちょっとかわいそうでしたよ。

●新番組・バキ。グラップラーの方のアニメからどんだけ経ったかもう覚えてないけど、今回は死刑囚編。ツカミとしてはもう、これ以上ないくらいベストのツカミっぷりでかなりよくできておる感じ。とにかく死刑囚各キャラのキャスティングが絶妙で、スペックの茶風林とかもうのびのびと怪演してて楽しそうでよろしい。またこの、アニメとして動かすにはとんでもなく向かない板垣キャラを、なんとかアニメとして成立させてる手間ひまにも割と感心する。ただまあ…皆さん思うことでしょうけれど、この死刑囚編って堂々のクライマックス! って終わり方じゃねーんだよね。そのまんまやったらシリの据わりの悪いことこの上ない感じになりそうなんですけども、どうすんのかなあ。…あと前作での独歩ちゃんが今回徳川のジジイやってんのはこれ、ハゲ繋がりか何かか。キャラ同士と中の人の。

ルパン三世・12話。五右エ門担当回。ヤタケタに強いがストイックでマジメなので世間様のあれこれとはズレますよ、という典型的な話で、そのお相手が清楚なお嬢さんとガキってのもそらそうだろうな感高い。個人的には戦闘能力オバケの五右エ門が好みなんだけど、赤ジャケルパンの話ならこういうテンプレの方が合ってるとは言えるかな。…ガキとお嬢さんに小林由美子戸松遥。鉄板の小林さんはともかく、戸松さんはこういう衒いもないお嬢さん役ってのも最近あんましないんじゃなかろかと思うけど、モノがルパンとなると十二分に若手お嬢さん扱いになるんやな、とか思った。

ひそねとまそたん・最終話。先代のDパイや自衛隊や国家組織や、それぞれに事情と信念を抱えているが故にこんな納得いかない流れになっているのであり、じゃあひそねさんはどうするの、という話。彼女はあんまり「考えてない子」なんだけど、それ故に感性の発露として出てきた答えはムチャクチャながらも強さがある。結局ひそねさんが生贄だか犠牲だかになったように見える結末だが、同僚の方々はなんかちっとも心配せずに「あいつのこったからすぐ帰ってくるわな」と思ってるのがとてもらしいなと思った。案の定帰ってきたしね。あと、クライマックスんとこで逆シャアシチュ(こんな石ころひとつ)の初代台詞(やってみる価値はありますぜ)をぶっ込んでくるのは相変わらず大概なことだなあと思う。これは脚本じゃなくて総監督のセンスかねえ。

総評としては、ワンクールの目先の変わった作品としてなかなかの拾い物ではあるものの、どうにも掴みづらいアニメだなあってのはどこか最後まで印象にあったことではある。どっか足りなくてどっか過剰であるような。それはつまり、キャラや設定や舞台などが「いかにも作品の枠内として誂えました」ってなカタチになってない、ってことなんだろうな。ワシそういうガッチリ固めた作品も好きなんだけどね。とまれ、このアニメの場合は、そういういささかのチグハグさが作品としての味になってるってのも間違いない。ひそねさんの素っ頓狂なキャラはとてもよかったしねえ。てことで、うんまあ、面白かったけどヘンテコでもあったな、ってとこかしら。

メガロボクス・最終話。様々なデスフラグをおったてて積み重ねた上で、とんとステップして踏み越えたようなどこか突き抜けたエンディング。多少肩透かしだった印象はぬぐえんでもないが、こういう穏やかな終わり方を選択したってのも原作ありきの作品としては充分にアリだと思った。試合シーンは泥臭く壮絶って感じではないものの、キッチリとユーリの強さとそれに喰らい付くジョーのマインドが出てたな。しばし会場の時計が止まり、その中で意識を交わすシーンはなかなかカッチョイイ。てことで面白かったのだけれど…メガロボクスのイメージとしてあのギアがまずあったので、あのメカがそれほど前面に出てこない流れ(最終的にはなくなっちゃうし)は個人的にはちと残念ではあった。まあ、この構成だと最後まで出てきてたら邪魔だったかもしれんけどもねえ。