エウレカセブン

エウレカセブンAO・10話。米国に出現した敵さんであるが、この作品のご他聞にもれず国家ってェものは大概めんどくさい存在であって、今回も戦闘以外の折衝やらメンツやらイデオロギーやらで苦労するのである。あーもーめんどくせーなー(作品内容的にも制作者のキャラ的にも)、とか思ってたら敵シークレットとの戦いでそれ以上の精神的苦痛を背負い込むアオさんであり、っちうね。

スピ版宇宙戦争の如く目の前で人が塵芥と化す、というトラウマチックな情景に退行気味となるアオさん。まそらしょうがねェかな、しかしこの手のアニメのネタとしてはちと手垢のついた表現だな…と見てる間に、しかし彼は少々ムチャながら対抗策を編み出してしまうのである。そうね、今んとここの作品のエエトコの一つは彼のこういう性格であろうな。ロボアニメ伝統的な「ナイーブ主人公」という性格を持ちつつも、ある程度はテメエで考えて状況を推し進める力を持っている。いつまで突っ張れるか判らんが、とりあえずはこのまま悩みつつもけっぱって頂きたいものでございますよ。

今回もう一つのテーマはリーダーのイビチャと「パイドパイパー」の由来。笛吹き男とは不穏なあだ名だと感じていたが、強い使命といささかの自虐を持った名前っちうことなのね。ここでもボスニアの紛争という極めて生々しいネタが使われる(そういやヨルムンガンドでも出てきたな)だけに、イビチャさんの「何かを押し殺しているような冷静さ」というキャラにある程度の妥当性が付与されることだなあ。

さて。何とか苦境をしのいだゲ社であるが、ひょっとして今回の戦いでシークレットは「人型のものも敵だ」と学習したっちうことなのかしら。その学習がこの個体だけのものならばエエが、そうでなければ結構めんどくさい展開になりそうだ。

…あと、オタマジャクシみたいな敵の口にミサイル一杯ぶちこんで破裂爆散、っちう絵はアレだ、OVAジャイアントロボギャロップ思い出したりした。どうでもいいっすね。