宇宙海賊/宇宙兄弟

モーレツ宇宙海賊・最終話。グランドクロス号×3を相手に獅子奮迅の海賊どもである。ほぼ全編にわたって艦隊戦と白兵戦のバトルバトルな展開で、それまでにない派手な絵面はいかにも最終話である。強行接舷(というよりラムアタック)して敵船に乗り込み、さァ海賊の時間だとばかりに勢ぞろいするご一統のシーンはムチャクチャかっこよかった。そして最後、必要充分のエピローグを付けて余韻もバッチリ…って劇場版予定っすか! それは嬉しいなあ。

あと今回はBGMも印象深かったな。それまでの話でも出てきてたのだろうけれど、重厚なエエ曲ばかりで戦闘シーンがいやが上にも盛り上がる。それにしても…今回のクォーツさんの行動が新鋭機のデータ取りならば、次に戦うときには相当に苦労することになりそうだ。ま、その前にマリカさんがクォーツさんをタラシ込んでしまえばエエんですけどね! 

●総評。未来の女子高生が宇宙海賊でゴー! ではあるが、タイトルから想起される雰囲気よりも格段に地に足着いた作品。そらまあ、笹本原作でサトタツ監督となりゃそうなるのは明らかではあるんだけど。どこか垢抜けないキャラデザイン、ドンパチやる前に前哨戦のECM・ECCMでカタがついちゃうような戦闘シーン、保険会社との約款と政府免状がついて回る海賊稼業…とまあ、ストレートに売れセンの作品とはちょいと言えない要素の集合体である。つまり、ワシ大好き。

たくさんの女の子と宇宙海賊戦闘、と一見あざとい道具立てでなんだけど、「こういうお話を展開したら面白いだろう」「こんな描写を積み重ねたら興味深いだろう」と、あくまでストーリィの魅力で作品を牽引しようとしている姿勢が大変に好ましいと思う。そのストーリィがワシ好みとなったらなおさらだ。とにかく、大量の登場人物のうち誰一人として「無意味に足を引っ張るバカキャラ」がおらず、程度の差こそあれみな最善手を尽くしてテキパキと物語が進む快感よ。その中にあって、主人公のマリカ新人船長さんはやはり魅力的だ。イザって時の肝の据わり方がいいよね…弁天丸クルーが認めるだけのことはあるよね。

作画的にちょくちょく息切れ気味になったりもしたが、一定のアベレージを維持してくれた上で毎回楽しい「お話」を語ってくれたからまあ、いいや。序盤ちょっとスローテンポだったという評もあるようだが、ワシはあの辺も結構好きよ。マリカさんの人となりと周囲の状況、それにこの世界の基本的ディテイルを見てるだけでも楽しかったし。うーん、結局この2クールで一番次回が楽しみな作品であったなあ。

聞けばアニメ立ち上げは結構以前の話で、現在は原作もそこそこ溜まっているそうで。どこまで人気があったのかちと不安ではあるが、劇場版と聞けばそらただ事ではない。わしもオッサンになって大概めんどくさがり気質を得たが、ことこの作品に関してはぜひ積極的に見たい。てことでよしなに。

宇宙兄弟・15話。A班では時計の破壊、B班では夜中のアラームによって内部はギスギスした状態となる。こーなると残るC班がどういう状態なのかが気になりますが、あっちには主要三人が居ないのでどうしても描写は薄くなるのかなあ。…時計の破壊はどうやら福田さんがやっちゃったということのようだが、確かにその理由は判らない。あるいは冒頭、試験官たちが言っていた「仕事」ってのがそれにあたるのでしょうかね? 特定の人を選んで「こうしてくれ」とミッションを伝えるとか。今回ならばメガネケースにメモでも入れたか?

A班内において、状況の表面的キーパーソンはやっさんである。口が悪くて思ったこと全部言っちゃう彼なので、畢竟この疑心暗鬼の状況を積極的にかき回すことになる。前半で福田さんのメガネの調達要請をしたのが彼だという、ついでに「俺は何も言うてへん」と強がるためだけに文字に書いてカメラに見せたという照れ隠しもある、そんな描写を置いといてのギスギス描写は意地が悪い。逆なら下げて上げることで効き目が倍になんねやナ、ってとこでしょうけどねえ。

冒頭、ムッタさんの走行メータ話がキッチリうそだとばれてるのが何というか、はずかしーとか思ってしまいました。みんな信じたから結果オッケーというのがムッタさんへの評価として相応しいけど、やっぱその、いい気になってしゃべくってる動画見ながらだと恥ずかしさ倍増よねえ。