過去遡及的ゲン担ぎ

●用事があって本社に赴いた帰り、もうあと数十メートルで家に帰り着くというところで手帳を忘れてきたのに気づく。しまった、アレがないと明日からろくに仕事も出来ない。しょっがねーので余計な荷物を家に放り出してから再度本社にとってかえす。少し早めに帰宅できたと思ってたのに、ああクソ全くもうと呪詛吐きつつ駅へと向かう。


ワタシにはめんどくさいゲン担ぎ、というより半ば強迫観念に近い行動があって、それは例えば「階段を二段飛ばしで丁度昇りきれるようにする」とか「改札のゲートは同じところを使う」とか、そういった愚にもつかないものである。この行動から外れるとその日一日モヤモヤしたままで過ごさねばならぬ。何か業務で面倒ごとが発生すると「ああそういえば来るとき階段でいつもと違う昇り方しちゃったっけなあ」とか思ってしまう。実に下らんクセである。


しかしおかしいなあ、今回は行き帰りともにその辺のゲン担ぎは問題なく遂行していたと思うのだけれどなあ。どっかで無意識に不吉をもたらす行動でも取ってしまっていたか。いやいや元々こんなゲン担ぎ、ジンクスなんかに意味は無いのだ。必ず発生するトラブルにいちいち瑣末な行動を紐付けしていてもしょうがない。などとぐるぐる思いつつ本社に戻る。お目当てのところにブツを見つけ、残務中のお人に挨拶して退社する。


帰り道、乗り継ぎ駅の階段の途中で見事にたたらを踏み、階段状でのゲン担ぎを乱してしまう。…何故かホッとしているワタシは多分、バカである。