ラストエグザイル/ペルソナ4

ラストエグザイル-銀翼のファム-・21話。リリアーナ王女の死は一瞬、ほんの一瞬だけ世界の争いを制止する。が、その静寂は平穏ではなく、その後始まる混沌へのスプリングボードに過ぎない。舞台から去ったリリアーナの位置には、サーラ・アウグスタがムリクリに据えられ、そして彼女は旗印・口実・鍵など様々な意味が与えられ…そして姿を現すグランエグザイル、一発撃ったらソーラレイですよー、っちうお話。


各人の思惑によって各々のコマが無秩序に動く中、ルスキニアさんとグランエグザイルが豪腕でチャラにしてしまう、という見た目典型的なラスボスお披露目展開ではある。平和のため信念を持って大量殺戮を行うルスキニアさんは、その思い入れがちっともこっちに伝わってこなくて感情移入しづらいところも含め、思想型の悪役として申し分ない押し出しを有していると思う。


ただまあ、こないだからそうなんだけど、その「判りにくさ」が色んなところに顔を出してて話についていきにくいんだよね。各陣営各キャラ、どの立場から見てもグダグダな泥沼に陥ってゆくこの騒乱はまァ、リアルっちゃリアル。確かに実際の戦なんてのもこんな感じに散漫なものなんだろうけれども。…ちうか、やっぱし主人公のファムというピースが舞台に対して小さすぎるんだよな。舞台とお話のヘソになってくれないので話を俯瞰しにくいというか。…うーむ、これ、デウスエクスマキナなオチが付きそうな気がしてきた。どうなのかしら。


ペルソナ4・23話。ナナコちゃんと喪ったショックは各人を何かに駆り立てる。何か、誰かに焦点を当ててそこに憎しみを向けずにはいられない。生田目を吊るせ、ヤツを落とせ…。しかし何とか踏みとどまり、状況の正常化に向けて歩みだそうとするナルカミさんは本当に強い。その後、友人のハナムラさん相手にぼろぼろと泣いてしまうという弱さの発露も含め、とっても主人公力の高いお人ではあるな、とは思いますな。


その過程で生田目さんは真犯人ではなく、その背後に更なる影があることが伺えることが判る。シロガネさんのサジェストを受け、ナルカミさんは何か/誰かに思い至ったようであるが…その条件を鑑みるに、身内のお仲間って線もありえるのがコワいわなー。初期メンバがラスボスでしたってのは割とある設定だけど、もしそうならけっこう辛いとこですよ。しかしクマさんはどこに消えたのだろう。まいいや。


んでもって後半にてナナコさんは割とアッサリ復活するに至りました。過度に重たい展開にならなくてワシ的にはよろしいのですが、何でしょうね、復活の原因とかは具体的にあんでしょうかね。生田目から真意を聞き出すための物語的ギミックならば別にマジ死亡→復活とかさせなくてもできたことやろから、やはり何らかの力が働いていたのか。あるいは原作ゲームでの分岐状況における一ルートってだけかもしれませんけれど。