ペルソナ/Another

ペルソナ4・14話。前回のお話をナルカミさん側から見る、物語解題編。ナナコちゃんの傘とか謎の女性たちとかナルカミさんの不思議行動とか、の一連の流れはいかにして現出せしか。ま、基本的にはデッドパンなまま巻き込まれてしまう、お人よしにして高能力なナルカミさんの性質がなせるドラマ作りなんですけどね。いや流石主人公、誰に対しても男前やわナルカミさん。


ラブリーンの傘を買ってあげたいなと思ったナルカミさんの初めの一歩が、あれよという間にいろんな人との関係性を形作ってしまう脚本。なんちうか、おもろい云々の前に「話の出し入れにホンマ腐心してんなあ」とそんな感心をしてしまった。わらわらと並行して流れてきた各ドラマが、ラストの夏祭りシーンで一つにまとまってドン! という構成は美しい。ただ、まだちょっとだけ端折られてるとこもあったような気がするんですが…そこら辺はひょっとしてソフト化のときに補完されるとか、そういうこってすかね。


てことで今回は何か脅威とか敵とかの出てこない話だったのだが、それでも各所にいつもの演出/BGMが盛り込まれてんのがバカっちくてよろしかった。川の主釣りに「ペルソナ(カッ)!」じゃありませんよ。…あと、あのお狐様は何者で? いずれ名のある神なので?


●新番組・Another。綾辻行人原作、水島務監督の…ミステリホラーですかね、そういうお話。何やら穏やかではないイメージシーンのアバンやらOPやらを経て、本編始まっても不穏な雰囲気はちっとも晴れない。とにかく「何が起こっているわけでもないのにただただ不安と違和感はある」という演出よねえ。水島監督はこういうのも上手い。絵と間合いで見せる、映像メディアの強みの一つではある。


霊安室に行く少女を追うシーンなどあからさまに不気味なシーンを除いても、たとえばお見舞いに来た三人生徒の「どこ」とは言えないがいちいち違和感のある会話の間と構成、クラスでの会話中何かに気づいての一瞬のアイコンタクト、メイさんについて訊かれたメガネさんのじわあっとした不思議な反応作画、などなど。コンテの段階で「どういう風に見せたい」という意思と技量が確かなのだよな。確かにおかげでなかなかに、コワい。


物語はどうもこの町自体に因縁もありそうな、何やら底深いネタがしこまれてそうですな。上記のごとく作品のクォリティはとても高そうで面白そう、なんだろうけど…ワシ、この手のホラーチックな作品自体が苦手なんだよなあ。うーん、保留。