未来日記/テルマエ・ロマエ/夏目友人帳/あの夏で待ってる/ラストエグザイル

未来日記・15話。高坂さんに発現した未来日記能力は、どうやら真の未来日記所有者による二次的なもののようだ。んでその本体はどこぞのサーバであり、この場合のケータイは単なる端末に過ぎない。となるとその電波中継システムを何とかすれば勝てるんやおまへんか、と思いつくアキセさん。しかし物事はそう簡単には運びませんで…というね。


アキセさんの策は毎度々々妥当で明晰なものなのだけれど、周囲の状況が更に異常だったりすることでそれを覆す。今回も冒頭からチラチラと見え隠れするユノさんの影、あーこれはめんどくさいかもと思ってたら案の定計画を台無しにされてしまう。いや、食事シーンで一瞬イメージ的に現れるユノさんのおっそろしいことよ。…んでもって「実は二次的日記だけじゃなくマジモン日記能力者でもありましたー」という襲撃者コンビのサプライズ展開になると、そんなユノさんの存在が俄然頼もしくもなる、のだが。


結局ラブラブペアの前に今回は完敗の主人公サイドである。関智一声でラブラブ言われるとドモンみたいな感じがしますがそれはともかく、彼…マルコさん言うにこの戦いはペア二人のラブが験されるのだと。つまりお前らの愛は偽者だと。ま確かにねえ、はたで見てても(過剰かつヤンキー気質ではあるが)マルコ-愛さんペアの方が健全ではありますからね。「アタシを愛してるって言って、フリでOKだから」っつーユノさんペアに比べるとねえ。ユッキーの方がその辺を乗り越えて愛を示せるか、ってとこが勝負になったりするんだろうか。


にしても、ケータイを破壊せず奪うだけってのはちょいと不思議。何の目的だろう…真の愛を見せるために俺んとこに来い、か?


テルマエ・ロマエ・2話。相変わらず面白いが、特にどうこう言うようなネタは無いなあ。ぼーっとゆったり見て楽しむ、という正しい娯楽作品じゃねーかなーとか思う。視聴後にマンガの方見てみたけど、サブキャラの中でもチョイ役はほとんどアニメオリキャラなのね。ま確かにお風呂ショールームの同僚OLはあんな人外じゃなかったよな、とかおぼろげには感じてたけど。…でもアポロドロスはこの後再登場するはずだけど、あんなラクガキみたいな絵でいいのかな…。


夏目友人帳 肆・4話。夏目さんちを訪いし狐面の妖怪は、実は案外純情さんであった。ヨビコってことは山彦とか木霊とかの眷属なんでしょうが、成り行きで悲恋に終わった女性の相手の声真似を演じているうちに…という、なかなか由緒正しい異種交流譚である。声をその本性とする者が文字情報たる文を受け取って困惑している、っちう入れ合わせが面白い。音声と書き文字の対比とともに、妖怪と人とを隔てる時間概念対比の描写もちと切なくてよろしかった。


声の妖怪の面目躍如、冒頭シーンでの「声真似して夏目さんに扉を開けさせてから侵入する」というシーケンスがとても怪異らしくてエエ雰囲気だったな。扉ってのはそれだけで一種の結界でもあるのだろうね、あの手の妖怪にとっては。


外見はおっさんなのに妙にかわいいヨビコさんに中野裕斗。あー、ギンコの人か。本業は俳優さんだからかたまにしかアニメではお見かけしないが、こういうちょっと引いたシヴさのある役にはよう合う方なのでちょくちょく声優やって欲しいなと思う。あと、妖怪カラカミ出現近辺の動きとか全体的なレイアウトとか、今回はいつにもましてワシ好みな絵が多くてよろしございました。ちうか先生、ジャム喰って饅頭喰ってポン酒ラッパ呑みして、何でもアリやな雨風やな。


あの夏で待ってる・3話。「言わないで」のあのシーンを巡って、カイトさんが妄想してイチカさんが妄想してカンナさんが妄想するのでレモン先輩が暴走する話。なんつーかその、チミらホンマ健全青少年やな! こういう、本心を出すことに躊躇いがあることで転がってゆくお話ってのは、青春時代の特権的なモノですわな。じれったさや枝葉末節など、合理性の元に切り捨てられるようなものにこそ語るべき要素が存在する。若いっていいわよねえ、うふふふふふ。


それにしたってただモジモジしてるヤツばかりではなかなか話も進まないので、積極的に場を擾乱させる存在がないと困るのであり、つまりレモン先輩は便利だよねとまあそういう。前回も言うたけど、こういう狂言回し/トリックスター的な、ちょいとメタレベルの違う場所に立つ人物ってのは特権性を持つのだけど、そのバーターとして物語上でドラマチックな存在になることは難しい。一歩引いた位置に居る者の寂しさ、よね。なんかエエ人見つかればよいねえ、田村レモン先輩もね。


今回ラストのヒキでかーなーり接近してしまいそうなカイトさんとイチカさんをよそに、ぐるぐると煮え切らない周囲の友人たち各々も目を離しづらいことだ。哲朗さんに対するミオさんの言葉…人の恋路を邪魔する馬に、自分自身が蹴られるってのは痛いよ、という。それは多分ミオさん自身への言葉でもある。あとはまあ…カンナちゃんよねえ。何をどう見ても悲恋に終わって悲しんじゃいそうな立ち位置がいじらしいや。青髪ショートの貧乳幼馴染…うん! 損な役回りのために作られたデザインそのもののような気がしてきた! 


ラストエグザイル-銀翼のファム-・14話。前回までのファムたち個人小規模視点・ほのぼの雰囲気とは対照的な、大艦隊戦によるゴリゴリの戦場描写というお話でご一席である。先鋒を務めて壊滅した、というよりは半ば意図的に殲滅を強いられた外様艦隊の描写とか、連邦新兵器とグラキエス大兵力による振りかぶってのド突きあいとか、スケールの大きな描写が見所となっている。んで最終的に双方とも「エグザイル」による人外バトルに入るのだが…っちうね。


さて、総統閣下におかれてはこの戦いの目的は何なのか。以前「増えすぎた人間を減らすため」とかいうこと言うてたけど、あの外様艦隊の扱いとか見ると「暗殺された先帝の恨み」とかそういうのもありそうな気はする。そして問題は沢城リリアーナさんの行動理由ですよね。総統と全面的に意を同じくするとは思えないんだけど、なんか弱みでも握られとんのか。とまあそんな「世界の動き」に比べてファムたち/ヴァンシップのなんと小さなことか。どの陣営も単純な善悪で図れないだけに、ファムたちが主人公としてちゃんと振舞うってのはなかなか険しい道のように思える。大変よねえ。


えー、あとはまたその、グラキエスのメカやら建造物やらですね。あの極端な傾斜カタパルトから、いちいち使い捨てブースターで爆発的な上昇迎撃能力を稼いでいるヴァンシップとか…ソ連的なムチャ思想が行き渡っててとてもよろしいな! ヴァンシップ乗りがみんな女の子なのはその軽量性からか、あるいは何か思想宗教的な物なのか。いやアニメとしての絵面優先っちうのは置いといて。