アクエリオン/ラグランジェ/ちはやふる/テルマエ・ロマエ/未来日記/ラストエグザイル

アクエリオンEVOL・3話。前回のアレコレもあって特例的にアクエリ学園に編入されちゃうアマタさんとミコノさんのお二人である。早速その適性を検査されるアマタさんであるが、表面的な能力はともかくどうやら心理の深ァい所に謎があるようだ、と運命的アニメの主人公らしいネタが提示される。とまあ、そんなこととはあんまし関係なく、本筋は女子寮まで穴掘ったりヒロインのスカートの中に頭突っ込んだりシミュレータによってジャンピング土下座かましたりするってのが本筋の回でした。


大オチに持ってきた上記ジャンピング土下座は、ネタとしてかなりエエ感じのサプライズになっててよろしかった。どげせんというかシャーマンというか、こういうのを躊躇い無く強振してくるってのはなかなか勇気の要ることではあります。外すとサムいもんね。器用な小技のコメディで爽快に仕上げるラグランジェの演出とはまた違う、話の芯の部分でマジメなボケがガッチリと根を下ろしている、というアクエリオンの特質を見た思いであるな。このまま進んでくれるとよい。このまま。


鳥海浩輔声のチャラ兄さん、名前がアンディ・W・ホール。ダブル穴だったりウォーホルだったり、いろーんな意味でバイな感じのするお名前であるな。あとあの司令室、真ん中に司令席でその左右に対抗する幹部二人、っちう構図が何かゴールドライタンを思い出したりした。ウヨッカーとサヨッカーとマンナッカーである。いやマンナッカーは司令じゃないけど。


輪廻のラグランジェ・2話。行き当たりばったりでロボ操縦者になっちゃったまどかさんは、それほど休む間もなく更なる敵の襲来に駆り出される。ところが今回はこないだのように上手いこといかないのである。そらまァそうだ、この尋常じゃない状況下でフツーに戦える方がおかしいのであってねえ、とか思ってたら能登のおねーちゃんが「細けェこと考えてんじゃねーよジャージ燃やすぞ」ちうたので俄然考えることをやめることにした。そしたら上手くいった。…というお話。


うーむ、ウジウジした展開をとことん拒否する姿勢はなかなかよろしい。元が前向き能天気キャラのまどかさんなので、ギャップとしていつか本格的に曇る展開もあるかもしれないけれど、これならば最終的にガッツリぶっ飛んでいくのだろうなという希望が持てることである。その辺のダウナー要素は同志ランさんが引き受けるのかしらね。ちうかどうももう一人の仲間と思しきでかちちムギナミさんの立ち位置がまだ判らない。…どーもあの人、フェイク天然キャラっちう感じがするんですけどね。まあ。


細かいところでちょくちょく挿入されてくるすっとぼけたコメディ要素がいちいち有効だな。前回の敵ロボがバックドロップ体勢そのまんまのポーズで空輸されてるとか、まどかさんの基地脱出理由がケータイの電波が入るところ探してたからだとか、こういうネタは最後まであり続けてくれるとワシ嬉しい。あとあの敵の三人野郎、これまでも薄々そんな雰囲気はあったのだが、予告の段階で完璧にバカチンであることが提示されてしまった。まァ予告の芝居が本編と異なるってのはよくあることではあるけれど、どうでしょうね。しかしもし三人のキャラがあの通りだとすると、所謂所の「敵」ってのは誰なんだろうっちう問題がでてくるな。ふむ。


ちはやふる・2話。新さんの受難と太一さんの計略、そしてそんな周辺の事情なんかあんま考えてないからこそ物語を動かしてゆく千早さんの三人について。言葉や自身の性格もあって孤立している新さんだけど、ことかるたのこととなると自己の表現ができるのである。太一さんはそんな彼が気に入らない。何より千早さんと懇意にしているのが気に入らない。だから…というね。


これはワシの偏見なのだけれど、この…何というか、生々しい「イヤな性格」の出し方は少女マンガなんだなあとか思ったりする。悔しさからつい新さんのメガネを隠してしまう太一さん、はまあ後のフォローもあるのだが、妹のかるた勝利を一笑に付す姉とか「勝てないかるたなんかやるな」と見下す太一の母とか、見ててリアルに「わあ心が痛いや」ってな感じですわなあ。…メガネを返した太一に「卑怯だが少し判る」と返す新さんは、それだけ負けず嫌いな性根を持っているということだろう。ことかるたに関しては、ね。


うーん、やってることはオーソドックスな部活モノに近いんだけど、これはなかなか心揺さぶられるお話であることだな。持って行き方が上手いんでしょうかね。


●新番組・テルマエ・ロマエ。原作は1巻まで読んでて、すげえ面白かったが映像化するには工夫が要るだろうなあとか思ってた。んでもって今回のアニメ化、まァ実写映画の露払いってとこでしょうが、どうすんのかなと思ったら15分1話のフラッシュアニメとしての制作である。うーん、それは方針としてアリっちゃアリやよね。実は蛙男商会の作品見たの今回が初めてであり、独特のノリには慣れが必要かなとは思うものの、思いのほかソツのない作品として成立している。…オリキャラみたいのはあれ、蛙男商会さんのレギュラーですかね。そういうのはちょっと判らん。


視聴語ざっと原作再読してみたら結構忠実なのな。てことは、マンガのノリと面白さをアニメにアダプテーションするのがちゃんと上手くいっているということだ。毎度々々ガッツリと感想を書くような作品じゃないとは思うけど、モノがフロだけにだらーっと見るには楽しそうである。うん、視聴してみよう。全3話でそっからブラックロックシューターに引継ぎ、かあ…。どっちかっつーとそのBRSの方にあまり食指が動かんからなあ。あとEDテーマと画像がとってもカッチョ良かったです。


未来日記・14話。廃旅館篭城戦、その決着。絶体絶命のお三人さん、アキセさんの推理によるユノさんへの精神攻撃も空しくいよいよダメか…っちう時に何故か高坂さんに日記能力が目覚めるのである。日記能力や本人の資質もあってユノさんにはちょいと太刀打ちできない程度ではあるが、この情況を突破する糸口としては充分な擾乱要素。そしてユッキーはユノさんを見限り、皆は廃旅館を脱出する。…それでも諦めていないユノさんは何というか、これはこれで究極なる無償の愛ではあるのだが…。


確かにユノさんの行動原理は純粋に一点、ユッキーを護ることのみにある。その限りにおいてはほぼ最強に近い能力を持つのだが、いかんせんユノさんにはユッキー自体の内面・心象を慮るという能力が欠落しているように思える。その非常識性が強さの源泉っぽくもあるので難しいところですがね。とまれ、ユノさんにはまだまだ謎があることは間違い無さそうで。


高坂さんに日記能力が「目覚めた」ってのはちょいと困惑させられる情況だな。日記所有者はもともとの12名から増加する可能性があるっちうことかしら。それともこれもムルムルさんの意図によるものかしら。あるいはあの巨大二頭身なオバハンが何らかの介入をしているということかしら。ちうか小桜エツ子の人、いつの間にか新たな就職先見つけてたのね。


ラストエグザイル-銀翼のファム-・13話。グラキエスに落ち延びたファムたち三人が、現地のゆかな声のディアンお嬢さんをタラシ込んでアレコレするお話。いやーやっぱし人助けはしとくもんやよね、っちう…よりも、ファムさんの人タラシ能力のスゲさを称揚すべきやろなあ。ホンマ当たるを幸いなぎ倒すってな勢いであり、これはミリア様の覇道にとっては必要な能力ではなかろうか。ま、それはそれとして。


言語がロシア語で気候がロシア、多分国家体制的には閉鎖的全体主義なグラキエス…の、エリートパイロットであるディアンさん。今までこんなフランクな扱いされたことなかったワ、ってんで教科書的にデレてゆく彼女は微笑ましい。しかし、こんなシチュエーションでも別言語にこだわる演出はちょっとおもろいなあ。空族たちとグラキエス、その思想性の違いをヴァンシップの設計に語らせてるのも上手い。かたや開放型で固定武装はなし、こなた密閉式でガッツリ武装。何故その船には風防がないのかと訊かれ、風を感じたいからだとWWIのヒコーキ乗りのような回答を返すファムさんが「らしい」と思う。…けどまあ、判るけどまあ、グラキエスの気候ではそら自然と密閉式にはなるよね。一応ディアンさんも感激してくれたけど、多分寒いよね。うん、それはそれとして。


まあそんな寒さはあるにしても、ラストの飛行シーンはそれまでの流れのシメとして、かなり力の入った爽快さが出てたのは間違いない。シリーズラストにあるだろう新規グランレースにて、また顔合わせ願いたいものである。…ちうかやっぱワシ、グラキエスのインダストリアルデザイン好きだわ。あの飛行服だか与圧服だかのデザイン! 金魚鉢ヘルメット! ああロシアアヴァンギャルド…は違うか。いいや、それはそれとして。以上。