ちはやふる

ちはやふる2・4話。予選一発目に当たるは先輩の坪口さんとこの生徒である。ノーマークだったこのチームに対し、千早たちは…いや、主に太一は予想外の苦戦をさせられるのですが、っちう話。…いやあ、こんな前哨戦段階でなんとドラマチックな一話であることか。この作品の描く世界の幅は結構広いのだが、それでもやはり根幹部分はかるたの試合にあるのだなあと再認識させられるお話でしたよ。

ま、そのドラマのために結構ワリを喰ってんのが太一さんの「運」なんですけどね。公式で不運キャラであると言明されちゃったのは厳しい試練の道ではあるけれど、しかしそれは同時に彼に主役級の貫目を与えることでもある。当然タイトルでもある千早さんが筆頭主人公ではあるんだけど、彼女のDB悟空的な突き抜けたキャラのでかさは、どちらかというと物語の心柱としての役割が強く、太一さんのような「人間的弱さの克己」としての主題は薄い(だからこそたまに千早さんが壁にぶち当たったりした場合のギャップ効果も大きいんですけどね)。

そして、だ。この作品が興味深いのは、そんな個人としてのドラマをボーダレスに群像レベルにつなげてくることだ。どんなネタも決して個人々々の閉じた話で終わらせないのは律儀とも言える。今回であれば太一さんの重層的な不運とチーム皆の思い、二つのレイヤの結節点となるのがあの大量のタオルのシーン。大丈夫、太一さんはチームを信じて好きなだけあがくがいいさ! ってこっちゃよね。にしても、この時の千早さんの満面の笑みは卑怯である。盛り上がりの面でも、ギャグとしても。

…てことで、多分これからも、太一っちゃんは不運キャラを引きずってっちゃうんだろうなあ。お話作りにとっても便利だしなあ。うん、がんばれ。