花咲くいろは/カイジ

花咲くいろは・25話。ぼんぼり祭りを前に空前の客入りとなった喜翠荘であるが、そこに働く者たちのギクシャクは続いている。いつもの無茶な突破力を失ったオハナさんも然りながら、女将とそれ以外の陣営に分かれて戦っている風情がどうにも袋小路な雰囲気でねえ。先週感想で書いた各々の問題点、女将は子離れできてない/みんなはこれを「戦い」として見ている、っちう状況がそのまんまなのでねえ。…これをキレイに表現したのがナコさんの「みんな女将さんの方ばかり見ている」という台詞。そ、誰一人客を見ていない。もちろんそれで疎かになるような旅籠働きもしていないが、それでも…。


この作品の特色の一つだけれど、何か大きな問題が提起された場合、その解決策は基本的に明確なキーポイントによって与えられない、っちうのがある。悪く言えばなし崩し、よく言うならば醸成された止揚。今回もナコさんの言葉とお母んの乱入という外力によって、ギスギスしていたパワーゲームが微妙に変化する。…一仕事終えた彼らが見る、ぼんぼり祭りの風景は何を示しているのだろう。


色々あってそろって仲居仕事しているババハハムスメの三代女は何というか、絵的には流石の押し出しであって「あーこりゃ確かにコイツらの物語だわ」っちう感じがガッツンガッツンいたします。女将から娘と孫娘に手渡される「お膳」の重さは、そのまんま彼らの過ごしてきた諸々の重さではあろう。…さて、どのような結末を迎えますやら。


逆境無頼カイジ 破戒録篇・24話。最後の関門、それは穴周囲より噴出すエアカーテン。もうなりふりもクソもなく、ギャラリーのブーイングも押しのけての発動である。がしかしこうかはばつぐん、パチンコ玉のハネという偶然事に頼ってもカイジさんの負けはほぼ確定してしまう。…それまでも逆転々々の構図は続いてきたが、流石にこの追い詰められた感は大概なものがありますわな。


んでもって、ことここに及んでカイジに「引き分けで手を打とう」というこの上なく情けない台詞を吐かせてしまうのが福本作品の真骨頂やよね。勝算も策謀も尽きた状況下においても浅ましく未練たらしくカネにしがみつく、そんなカイジの情けなさ/生命力。ま、すげえわ。


マンガでは演出効果として割とアリな、カケアミで半白となって「燃え尽きた」を表現する絵面だが、カラーのアニメでやられるとなかなか強烈だよね。グレーや白じゃなく、ちゃんとカケアミっぽく処理してんのが面白い。…さ、こっから復活ですよ復活。ほれほれ。