花咲くいろは/カイジ

花咲くいろは・18話。人魚姫なこち、である。おうちでは(生活面でちょっと頼んない)両親に代わって生活を切り盛りしているナコさんであるが、旅館やお外ではイマイチ自分に自信が持てない状態。そこへさして今月のお給金がちょいと良かったものだから、なんじゃいこれはひょっとしてワシ期待されてんのか変われというのか、と不安になるのである。ほたら一発自己啓発じゃーい! そしてそない簡単に上手いこといくかーい! …というお話。


おうちでの活発な自分が「本当の私」だと思い、旅館での自分とのギャップに苦慮するナコさん。紆余曲折の後、いやいやどっちも別にウソっちうワケやおまへんで、というところに落とすのはベタにして妥当、その為にちゃんとあちこちに張ってある伏線も上手い。人魚姫のイメージシーンで、じゃらじゃらとつけたアクセサリーが「重くて沈んでしまう」という比喩も判りやすくてよかった…が、それ以前に人魚女王女将とその眷属、このインパクトに目を取られてしまいましたですね。楽しそうやなナコち。


…でもね、なこちのご両親もね、もうちょっと気を遣ってあげてもエエかな、とは思いますけどね。仲良さそうなのでまあエエんですが。


逆境無頼カイジ 破戒録篇・17話。きつい釘のシメは越えたものの、その先に立ちはだかるバーのブロック。あまりにもあからさまなその妨害はギャラリーの興をそぐまでに至るが、それでもどうしようもないことには変わりない。そしてここに追加されるギャラリーが二組。カイジの成果を祈り続ける45組の面々と…妖怪・兵藤会長のお出ましである。


てことで今回、カイジさん側のお話はあんまり進まない。一見無駄にカネを消費し、ただただバーに(一発四千円の)玉を当て続けてるだけのことである。しかし兵藤会長が出てきたっちうことで、何かもうワケの判んない迫力だけは十二分に出てきてますよね。再登場一発目から「ヘンな声立てながら大桶一杯のワインをナメナメしている」とインパクト抜群ですよ。…いやね、金持ちだとかごうつくだとかヤなやつとかいろいろ表現したいことはあるだろうが、何をどうやったらこんな絵面を思いつくのやら。もう会長のシーンだけで腹いっぱいですわ。


お声は当然津嘉山正種。卒中以来ちょっと台詞がロレってんのでちと悲しいなあとか思うけど、ことこの福本悪役としてはそれさえも武器になってるわな。怖ェよおっさん。