タイガー&バニー/アザゼルさん/青の祓魔師/花咲くいろは/カイジ

TIGER & BUNNY・6話。当初からちらちらと見え隠れしていた大きな敵の尻尾が見える話。どうやらそれはバーナビーさんの両親と過去を奪った者と関わりがあるらしい。ウロボロスという名前と怪しげなシンボルを持ち、強大な炎を操る能力者を有する組織…ってとこだろうか。さーてねー、物語的にアレコレして考えるとやっぱしあのお父ん代わりのおっさんが怪しすぎるところではあるが、まあそれはそれとして。


今回は能力者VS戦闘ロボがアクションの見所。結構イカしたハッタリデザインのロボでして、無茶苦茶大口径の連装銃にネイサンもびっくりのフレイムスロウアー付き、ついでに後半は(都合よく)頭部装甲だけ外れて中の人が見えたままの戦闘…とまあ、なかなかロボ少年心をくすぐる描写でよろしござんした。


話の転がし方も相変わらず上手い。ますます声が小さくなったサイトーさんの「エレベータが動かなくて困った」っちう話を受けて、そういえばあの時…と爆弾事件のアイツを想起する、っちう描写とかね。なんてことない仕掛けなんだけど、手堅いわな。…タイガーさんがあんなハデなロボに襲われてるのに「電話がなかなか繋がらないから」ってんで誰も気づかないとか、プロデューサが危ないってのに電話もしないとか、そういう辺りはまあ、演出のウソってことで。


にしてもやっぱ、ネイサン姐さんはエエお人っぽいね。漢気…だかオカマ気だか、そんなんがある。世話焼きオバハンっぽいとも言えるけれど。


●よんでますよ、アザゼルさん。・5話。天使登場、その名をサリエル。まあそら悪魔居てるんやから天使も居てるか。見た目からして割とダメそうなお方だがやることも結構ダメであり、目の前でどんな悪事が発生しようと悪態つくのみで何もしない。…どうやら「天使」ってのはそういう存在ということらしい。メインの業務は悪魔との戦いなワケですな。てことで今回の新悪魔はもっさん…えーと、モロクか。サリエルにせよモロクにせよ、毎度ながら結構名のある奴らがぽんぽこ登場しますねえ。


サリエルもモロクも出てきたはいいものの今回はほぼ活躍は無し。モロクさんに至ってはその職能、アザゼルもべーやんも恐れる「暴虐」の力を見せる前に血ィ吹いて転がりまわったのみ。バカでよいなあ。次回ちゃんと活躍してくださればエエが、何となく予告のあおりが前フリのように感じられてならぬ。


えーと本編? うえだゆうじのクズデザイナーが自業自得でエライ目に遭う話、ってことで。べーやんの職能によって秘密を暴露されるっちうネタにおいて「つーか私今せーり来てないんすけど」っちう台詞がこの作品らしいビーンボールでよろしい。んでキャストですが、前述のうえだゆうじに加えサリエル草尾毅、モロクに玄田哲章と相変わらず豪華、ちうかモロクの玄田さんの台詞「ぬぬぬぬ」「うぎゃー」だけでしたけどね。


青の祓魔師・4話。実戦に行くユキオさんにくっついてくリンさんであり、その途中の祓い屋専用の用品店にて出会う和服少女・しえみさんが今回の主役。てことでまたまた出演の花澤さん声キャラである。ホンマここしばらくお忙しいわねえ。


彼女は悪魔に取り憑かれている。悪魔は彼女の心の隙間、亡き祖母の記憶に忍び込んでいる。祖母の他界の悲しさと喪失感を代替させるものとしての庭と植物、それに固着する悪魔、という図式。悪魔っちうよりはタチの悪い妖精や妖怪に近い…そうねえ、悪のために悪をなしているっちうワケでもなさそうな存在ではあるな。まあ厄介はクソ厄介ではあるけれども。


リンさんの言葉によって自分の庭への思い込みが上っ面のものであることを悟るしえみさんと、その姿に自分の姿を重ねるリンさん、っちう仕掛けはオーソドックスで悪くない。が「あ、なるほどね」と憑物を落とすにはちと話の持って行き方が弱かったか。あとリンさん、いかに相手の説得目的だからって鉢植え割っちゃいけません。それは悲しいことだぞ。


しえみさんのお母ん・お婆んにそれぞれ唐沢潤と松尾佳子というキャスティングのそこはかとないシヴさも然りながら、お花悪魔に富沢美智恵ってのもなんかスゲエな。そういや富沢さんと唐沢さんはブラクラつながりでもあるっけ。怖い姐さん勢ぞろいだんな。


花咲くいろは・6話。オハナさんの初給料とともに来襲したのは、アホボンの手引きによる経営コンサルタント。旧態依然の旅館を立て直さんとしていろいろヤるワケでして、案の定上手くいくわきゃねェのである。しかしお節介で要らんこと考えがちでとにかくよそに介入する傾向のあるオハナさんとしては、この問題ほっとくワケにもいかない。そう、初給料の価値のためにも…っちうね。


この経営コンサルのタカコさんがですねえ、ワシら素人が揶揄的に思いつくような…まあ(笑)つきの経営コンサル(笑)っちう感じのお人でしてねえ、実際のコンサル業やってる人からしたらどんなもんよ、っちうね。「仲居たちにきわどい衣装を着せてサーヴィスさせる」っちうアイデアからしていろいろとダメっちいよな。てことでアホボンはアホボンなりに考えているのではあるが、その「間違った方向」への努力も実は女将の過去の経験と重なるところではあり。ご新規さんを引き入れるだけじゃなく、ご贔屓さんにも喜んでもらうような施策やないと意味ありまへんでェ、っちうところも含めて、女将の若気の至りたる「旧い和装」というのはお話の落とし所として悪くないな。「現実としてこれで劇的に変わるかは判らないけれど」というシメ方も含めて、ね。


しかし今回登場のタカコさんといいチョーの爺さんといい、各キャラの配置具合がホンマ昼ドラっぽいなあ。安定感がありつつも適度なゴタゴタ要素もある感じで。これって2クールだよね? 半年のスパンというそこそこのボリュームがありゃこそのバラエティだわな。


逆境無頼カイジ 破戒録篇・5話。班長に鉄槌を下すための機会をうかがうカイジご一統。節制に節制を重ねてタネ銭を貯める彼らにちょっかいかける班長一派であるが、ここでカイジが一見やらずもがなの「ビールぶっかけ」をやらかしたので始まってしまうイジメの嵐である。とっといた角砂糖に汚水かけられてたり靴に生ゴミぶちこまれてたり、まァていどひくいイジメ行為だけどこういう閉鎖空間では陰湿極まりないわなあ。…節制してるシーンの柿ピー分け合い絵が良かったなー。どうにもみみっちく、かつ切実でねえ。


イジメと節約を乗り越え、とうとうやってくるご開帳である。タメにタメて引き絞った弓のテンションが解かれる瞬間。班長の挑発を受け、満を持して立ち上がるカイジさんのシーンは大仰ですばらしい。なんつっても「ざわ」のサンプリング音を旋律の一つとして使ってるあのBGMだわな。あの曲欲しい。


あとは毎度の演技合戦。今回もチョーさん大活躍、「みな声には出さねど期待しとる、遺恨試合を!」の抑揚はホンマ舞台演劇やわなあ。んで黒崎さんは堀内賢雄か。大御所っぽいお声でよし。ケンユーさんこんな感じのフィクサーっぽい役増えてきたねェ。