ダンタリアン/うさぎドロップ/夏目友人帳

ダンタリアンの書架・3話/4話。二階建てではあるが放送時間はいつもどおり、つまり15分×2話、っちう体裁。…んー、表記は放送準拠でいくか。次週の放送タイトルは5話で日記は4話、となると混乱しそうだしね。


Aパート3話は「叡智の書」なるものによって大天才になったお子さんたちの話。毎度思うがなんでこう、アンファンテリブルってのは知恵と同時に「ヤな性格」までも獲得しちゃうんだろうね。犬やねこに対して「ふふん貴様ら劣等頭脳生物めが」とか上から目線で応対する普通の人間なんてあんま居ないと思うんだが。んでもってお子様たちは「いや俺ら世界征服なんてしませんよめんどくさいのが判るくらいは頭良いんで」という、熱血モノの負け側ライバルみたいなこと言うて肩透かしにシメる。うん、まあ、そうやろね。目的もなしにそんなめんどいことやらんわな…暇つぶしとなるとどうか判らんけど。


しかし割とキャラも立ってたし、能力自体は高そうな集団だったのでなんぞの折に再登場してもらえんかな。シンクタンク的な立ち位置の存在として面白いんと違うやろか。あとディスワード卿が本屋で手に取った本はあれ、「樽」と「スタイルズ荘の怪事件」か。ま、叡智もない人間どもにとっては十二分な娯楽でありましょう、ちうことですね。


Bパート4話は謎の本と謎の花、高く売れそうな本があると聞きつけてやってきた押し込み強盗さんたちが撃退される話。「本の形に擬態して読もうとした人間を喰う」というムチャクチャな生態の食人植物がおかしい。もうちょっとおとなしいデザインにもできただろうが、あえてこの、和風RPGの敵キャラみたいなスットコデザインも…話の流れ考えるとアリっちゃアリだな。何となく筒井の「メタモルフォセス群島」を思い出した。


てことで掌編二題。いずれも他愛ない(いや強盗さんは身体溶かされて死んでますけど)話ながらコンパクトにまとまってて視聴しやすい。こういうのがたまに入ってくるのは悪くないな。ちうか全編この調子でもそれはそれで。


うさぎドロップ・4話。三ヶ月経過、年少組のお姉さんとしても同年代のお友達としてもちゃんと馴染んで遊んでいるリンちゃんに一安心。リンちゃんはコウキくんという友達を作り、そしてコウキママは大原声の美人さんなので大吉っつぁんドキドキである。もちょっと未分化ながらちゃんとコウキママへの対抗心を見せてるリンちゃんがかわいい。…そう、大吉も言うとおり、リンちゃんは順調に心を成長させている。彼女独自の、人としての、心。お母んの正子さんはどう思っているのか。あなたの子供ですよ。という話。


大吉さんにもリンちゃんにも、周囲にはエエ人ばかりですな。後藤さんも春子さんもコウキママも、困っている大吉に対してキッチリ向き合って会話してくれている。なかなか現実そうはいかんのだろうが、多分これは大吉さんの人格と普段の行いがよろしかったからでしょうな。バタバタしている二人を見てコウキママは「家族だ」と言ってくれる。他者からそう言われるのは嬉しいことだ。…そしてまあ、その問題は上の正子さんへとつながってゆくのだが…どうだろうねえ。


まーそんなこともともかく、毎度ながらリンちゃんかわいい。あいかわらずプンスカふくれてる表情がとてもかわいい。お姫様抱っこされて照れてるのがかわいい。…そのうち曇っちゃうのかなあ。曇らないでほしいなあ。てことで以下次号!


夏目友人帳 参・5話。田沼さんと、それからタキさん再登場の巻。確かこのお嬢さん、一家伝来の「陣」を使ってアヤカシを見ることができる人…だっけ。その出自に違わず大層なおうちにお住まいであるが、たまたまそこにお邪魔した夏目さんと田沼さんによって、いや主に夏目さんによって面倒ごとが発生する話。「誤って封印を解いてしまった」ってのはこういう作品だしよくあるプロットなのは仕方ないが、それにしても夏目さんの周囲にはそういう存在が多すぎる。ま、運というか星のめぐりというか…ね。


お話の構造は割とストレートに和風恐怖作品のもののソレでしたな。体の部分をばらばらに封印されていた妖がそれを取り戻すまでの恐怖感や脅かし方、クライマックスのニャンコ先生との大立ち回り、とね。作画的にも見所多くてよし。


通底していたテーマの一つは「目を合わせる」ということ。見ること、見られること、見えてしまうこと。夏目さんはそれによって過去は孤立し、現在は朋友を得ている。付喪神のような小妖怪たちは「目を合わせた」ことによって夏目さんと関わり、「目も合わせられない」のにタキさんの祖父の許に集まっていた。「見る」ことができないタキさんと田沼さんも、夏目さんの視線の動きによって彼らを知り、感謝の言葉を述べることができる。…縁ってのはそんなもんなのだろう。顔を正対させることってのは畢竟、心と言葉を相手に向けることなのだ。封印の絵が逆さ向き≒正しく向き合っていないもの、ってのは多分、偶然ではないのだろうな。


ナビ役のオバハン妖怪に渕崎ゆり子。この作品、こーゆー辺りのキャスティングが面白いなあ。同じくチョイ役で菅生隆之とか何とか。贅沢ねえ。