クロワーゼ

異国迷路のクロワーゼ・4話。ブランシュ家のご令嬢・アリスさんの大登場である。ジャポニズムに傾倒している彼女はユネさんのうわさを聞きつけてどうしてもお持ち帰りしたく思い、ブルジョアらしい物量とお嬢様らしい強引さで攻勢にかかる。もとよりブランシュ家をよく思っていないクロードさんはその様子を苦々しく見るが、しかしユネさんのことを思えば金持さんちで暮らす方が幸せなのでは、とか思っちゃってどうしたものやら、っちうね。


ユネさんがアリスさんに語る、クローデル家に居る理由と着物を受け取らない理由。それぞれワシらにとってはよう判る…まあ、少なくともこういう物語の流れにおいては判る概念なのだが、アリスさんにとってはどうなのか。文化的にも階層的にも異なる二者間にて、ちょいと微妙な概念を語るのに、「着物」という判りやすい目標物を中心に据えるってのはよい構造だ。扱いようによってはいくらでもヤなキャラになりそうなアリスさんを、エエトコで友人関係に持っていくバランス感覚もよし。そうね、お嬢さん同士の仲良さのためには野郎は排除しての耳打ち話が効果的よね。野郎ってのががクロードさんのような朴念仁ならばさらによし、だ。


割とマンガ的なデフォルメ表現の多いこの作品だけど、夕食にすき焼きを作らせてもらえるかも、とワクテカしているユネさんのシーンはあくまで「風情」のレベルで表現してんのが良かった。期待してる表情と間合いがかわいらしい。一方でブランシュさんたちはいちいちきゃらきゃらりんと効果音が入る、その対比もおもろいねえ。