クロワーゼ

異国迷路のクロワーゼ・10話。クロードさんは仕事を請け負い、ユネさんたちは物置から掘り出した幻灯機でファンタズマゴリアを見る話。ユネさんたちが幻の映像を見るように、クロードさんは親父と親父の仕事の影を見ている。今のところ彼はそのことを鬱陶しく感じているが、オスカー爺さんの言うことには「人はそこに見たいものを見るものだ」と。クロードさんにとっての父親は、無意識の対抗者にして指標である。…意識の上での見たいものと無意識のそれが一緒になるのは、いつのことだろうか。


クロードさんを送り出した帰り道、ごく自然にギャルリの皆さんと会話しているユネさんの姿はなかなかに和む。あれだけ疎外感のあった初期の頃がウソのようであり、なんかこう、エエわよね。同じことがアリス嬢についても言えるようで、こちらも微笑ましいが…ま、これは先々このまんまというワケには行かない可能性もありますな。それはそれ。


基本的にギャルリを中心としたパリ市街が舞台なので、クロードさんの赴いた郊外の風景のヴィヴィッドさがとても映えますな。そうね、フランスってこういう鮮やかな色も持ってるんだよな。ユネさん、たまには旅行してみるとよいぞ。…あとあの回転幻影、フェナキスチスコープは唐沢なをきのカスミ伝でやってたなあ。実際に回転盤と絵のキットがマンガについてくる、というあの作者らしいバカチンマンガだった。