ゴシック/シュタインズ・ゲート/C/あの花/ファイアボール

GOSICK・17話。ベルゼブブの頭蓋・後編。ロスコー/コルデリア組の暗躍とブロワ侯爵の本格登場、今後の世界への大きな暗雲、そして久城とヴィクトリカの絆。…っちうお話だけど、まあ有体に言って「久城さんがヴィクトリカちゃんの両親にご挨拶する話」ですよな。まだご挨拶段階でそれほど認めてもらってはないけれど、アタクシ久城これからもっと頑張りますんで! というね。そんな認識でエエん違うかと思います。うん。


皆さんが懸念している嵐ってのはWWIIのことでしょうな。ロスコーさんはそれ以降の世界においては、自分たち「旧き者」の居場所は無くなってしまうだろうと思っている。それを防ぐために暗躍しているようだ。確かにまあ、奇術師という彼の職能は奇跡(オカルト)と技術(科学)双方の性格を持つものでもあろうしね。しかしあの、アカデミーのスパイっぽいうえだゆうじさんの死はちょっとよう判らんかったな。途中まではうえださんも周知の大芝居か何かだと思ってたんだが…あれ、普通に死んじゃったの? 奇跡でも奇術でもいいけど、あれって「衆人環視の中で殺人が行われた」以外の何者でもないやんね。盛大にスルーされてましたけど。死に損? 


そして今回もヴィクトリカさんはかわいい、のだが、あんましふくれっ面してくんなかったのでその辺は残念。まあ割とシリアス気味なエピソードだったしね。あと久城さんは、お姫様を護るべきナイトとしてはちょいと軽率に過ぎるキライがありますなあ。有毒ガスが立ちこめ敵も味方も判らない混乱の場に「ここで待ってて」とか弱きお嬢さんを残してくってのは頂けない。お話の都合上しょうがない、っちうかもう少し上手いこと動かしてあげて欲しかったな。


Steins;Gate・7話。モエカさん参入によってなかなか賑やかに…いやまあ、モエカさんほとんど喋らないので音声的にじゃなく視覚的にだけど…なったラボであるが、ここでオカリンは堂々の「実践的」な行動を採ることを決意する。それはメールによる過去改変。有体に言って宝くじで金持ちになろう実験。おお、先週ワシも考えた「そらまあタイムマシン持ったらやることは一つだよな」的考えですよな。…ここで億円とか千万円とかにビビって「70万当選で」っちう選択をするオカリンはチキンさんである。ワシも大概小市民だが、こーゆー濡れ手で粟な事象に関しては遠慮せんぞ。一等二億だ二億! 


実験の結果は割と空振り。いや「70万獲得」に関してはね。くじを買いに行った小林ゆうの人が番号間違えたのでオシマイっちう話だが、実験によって引き起こされた状況については少々問題をはらんでいた、という。些細な事象が変更されていたのもさりながら、世界線の不連続性を記憶していたのがオカリンだけであったこと。と言うより「不連続を経験したのがオカリンだけであった」と言うべきか。さて、彼は特別な存在なのか。メールで相談したジョン・タイターはそれを肯定し、彼にメシアとなってほしいと言うのだが…。


じわじわ話が進むねえ。アニメのオリジナル作品ならもうちょっと切り詰めて、ちゃっちゃと話を展開させるとこだろうけれども。しかし興味深い方向に進みつつあるのは確かだし、もう割とこのペースに慣れたのでエエですけどね。これ確かに、ゲームとしてやってたら割とワクワクする展開ではあるな。先が気になるどうなるの、っちうね。…うん、実際気になってますので。ええ。


●C・5話。現実世界と金融街との均衡を図るという目的のミクニさんである。その言葉をそのまま表面的に受け取るワケにはいかんだろうが、行為自体は事実であろう。金融バトルをコントロールし現実世界への影響を最小限に止めること、そのためには敵を知る以上に自分の能力を正しく評価しなくてはならない。それをゲージとして世界を図る。ゲージが枉がっていては意味がない。しかしそれは一番難しい事の一つではあるよな、ってことで。


ちょいと踏ん切りが足らないキミマロさんはデュエルにて発敗北を喫する。大した負けではないのだが、その対価としての「未来」ってのが曖昧なのが気に掛かるところ。とりあえずはおばさんの盲腸と大学の単位一つ落し、って辺りに留まっているようだが…さて。


相方のマシュさんにカップ麺食べさせてるキミマロさん。「主人公的な異質さ」の表現としては実に定番ですな。劇中コミュニティからは異質と思われているが、視聴者側からは感情移入しやすいっちう…ね。マシュさんを判りやすくキャラクタライズしている以上、彼女を人間っぽい扱いしてんのはごく自然に見えるワケで。


…あと何だ、あの製薬会社の白髪ジジイと副総裁ジジイは別人でエエのだね? あの白髪状態は金融街でのアヴァター姿っちうワケじゃないのだよね? …すんませんが西村知道辺りのお人を使いまわしせんといてください、ワシが混乱しますでのう。


あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。・5話。メンマコスプレバレしたユキアツさんは「大丈夫か」と問うジンタンに吼える。大丈夫に見えるか、よく見ろよ。メンマに見えるか! と。ユキアツはメンマの死を自分のせいだと思っており、その代償としてのこの行為っちうことのようだ。どうしようもない心の嵐を抱えたままのユキアツさんの前に、しかしメンマは現れない。「俺の前には出てこなかった」と向き直るユキアツさんの真正面に立つ、ジンタンにしか見えないメンマさんの姿…というのは皮肉であるな。


ユキアツさんが「ジンタンに見えているメンマさん」を信じるキッカケとなったパッチン(髪留め)をめぐるシーンの連鎖がキレイやね。パッチン有難うと言うメンマさん、自室で(新しい)パッチンを見て泣いているユキアツさん、鏡の前で(多分オリジナルの)パッチンでそっと髪を止めてみるつるこさん。…つるこさんもなかなか報われぬなあ。


改めてメンマさんがここに居る理由を考えるジンタン。あるいはこの、少々疎遠になり軋んでしまったグループに手を差し伸べるために居るのかもしれんな。実際メンマ(とジンタン)はまずユキアツを再構築したワケだしね。そして次、しがらみに巻き取られつつあったなるこさんを救い出したのは吹っ切れたユキアツさんであり。…サブタイの通り「トンネル」にてぽつぽつと語る二人のシーンはなかなかに印象的。「俺たちは取り残されたんだ」。


さて。メンマさんが亡くなった状況にはちょっとミステリがありそうね。常にこの流れには顔を出しているもののそれほど深いところでは関わっていない、ポッポさんからの物語が今後の鍵となるだろうか。


ファイアボール チャーミング・7話。人類コミュニケートシミュレータ、あるいはお人形のユーリさんに言葉を教えようとしているお嬢様。ある事情によってなかなか難航しているその作業だが(安物だから)、その作業中にお嬢様はふと言葉について思いをはせる。何故自分たちは言葉によって気持ちを伝えねばならないのか。言葉はどこで生まれ、どこに去るのか。その根源的かつ哲学的問いは、お嬢様のはづかしいお言葉を白日の下にさらしてしまうのでわー。わー。ペット不可。というお話。


相変わらず衒学性としょーもなさの混在したあざといお話でよろしいなあ。前シーズンの台詞や設定がちょろちょろ顔を出すのも楽しいけれど、ペット不可のギャグはここで設定されたことによるものなのね。どうでもいいか。ユーリ役の立木文彦さんはエフェクトがキツくてちょっと判んなかったが、お言葉記憶装置のレジナルド役・加藤賢崇さんはよう判る。ファイアボールで言えばメイキング以来ですな。