レベルE/バクマン/ジャイキリ/みつどもえ/輝きのタクト

レベルE・8話。新章、サキ王女の絶滅的婿探しの巻。かいらしくて気立てが良くて家柄正しい宇宙人のお嬢さん・サキ王女であるが、このお人に見初められたら種族全ての生殖能力が無くなっちまう、とまあそういうSF的シカケが恐ろしいお話である。あの手この手で婿探しを妨害するクラフト隊長ご一統であるが、トーゼンと言えばトーゼンながらその企ては脆くも失敗、地球人類滅亡の危機が…というね。


王女の一目惚れ相手のミキヒサさんに、小林ゆう。あーこれは惚れた相手が女の人でしたとかそういうネタかしら、と思ったらそのまんま正解。なんだ本作品にしては案外ヒネリがないなあ、と思いきや「続く」と出ましたよ? はて、女性相手となると生殖が成立しないのでチャラになるハズだが…いやいや、相手は超科学の宇宙人、そんなもんちょちょいのちょいで何とでもなるっちうことかいな。ちうかさ、男女の二性って汎宇宙的概念なのか? いやそーでもしとかんとマンガやアニメとして上手いこと成立しないってのは判りますけどさ。「神々自身」には三性の宇宙人が出てきてたなあ。パペッティア人もある意味そうか。あとはよう知らん。まァこれはアダシゴト。


何だかんだで地球を救うために身を削ってドタバタしてるクラフト隊長がなんか健気。ここまで頑張ってるってことは多分、努力が結局無駄になるってフラグなんだろーなー。そういやこないだのカラーレンジャー話でも、すっかり地球の田舎風景に馴染んではったねえ。あと隊長の通訳シーン、隊長渾身のウソ発言に対してこちらも全霊の「隊長…ベッタベタですッ!」の脳内発言で答えるサド隊員がおもろかった。タイミングや間合い、大仰なBGがキレイにコメディになってたな。


バクマン。・22話。承前、福田さんに唆されて編集部にカチコミをかけるご一統の話。読み切りコンテスト合格組がやってくると聞いて「殴りこみにくるぞォ!」と言ってのける相田編集者が何か頼もしい…いや、頼もしいってのもヘンだけど。瞬時に状況を把握したってことは、ある程度編集部にも予測があったってのと、あと相田さんは以前似たようなこと経験したことがあんだろな。てことで、青臭い漫画家とビジネスの編集の対決である。自分の立場を最大限に利用した宣伝をかけているコージーさん。そんなんアリかよォという若手漫画家に対して「それが悪いとでも?」と返す編集の人。確かにそのとおり、仕事として読者のニーズに応えるお仕事をやってる以上、この機会を逃すのはただの無能じゃよね。


そして漫画家側、これはこれで正しい抗議だとも思う。ここで「まーそれが編集のお仕事だしねえ」とか大人びた考え方するような漫画家ばっかではとてもとてもパワーが足りない。その上で状況を乗り越え、じゃァマンガの内容で否応無く勝てばエエヤンケ、っちうベタな熱血に流れるってのもまたよし。現実ならばそこでフツーにフェイドアウトしちゃうかもしれんが、そこはそれジャンプマンガだしね。良い話運びだと思いますよ。


抗議行動が何故か漫画家シナリオ会議になる後半。ここで異分子の役割をするのが青木女史ですね。他のガキ臭ェ漫画家連中とは根本から異なるファンシー路線の人にして、他人に対して冷徹な言葉を躊躇わないクールなお人。岩瀬さんといい、この作品の女子漫画家ってこういうキャラやないとアカンのですかね。もっと違うタイプの女子漫画家が…そうねえ、変態淑女とかいてもエエのに。目指せチャンピョン。えーと話がそれた。さて、当初の計画とは異なった経路ではあるものの、この水面下でのつばぜり合いによってお互いにマンガパワーを高めることができたかどうか。コージーさんとの対決やいかに、ってとこですな。とりあえず次回を楽しみに。


GIANT KILLING・23話。タツミ監督はなんとかやってけそうだとの感触を得る。残る問題は、と言う監督の視線の先にあるのは夏樹さん。どーやら試合前に監督が余計なこと言うたおかげで空回りしているらしい。…敵ゴール目前、お前の足元にあるボールは誰のものか。チームのものかお前のものか。さあ、お前にはフォワードとしての決心が足りねェよ、と。…そら迷うよなこんなん言われちゃァな。感性で生きてるよーな夏樹さんが相手となりゃなおさらである。


「そこまでの選手だったってことか」とかシカツメらしく言うてる監督であるが、基本的には監督のプレゼン方法がアカンかったっちうこっちゃよねえ。ちなみに上記質問の正解は「どっちのボールでもある」でした。基本的にはボールってのはチームのものだが、ことフォワードにとってはそれを踏まえたうえで俺の俺の俺のボールじゃいというエゴイズムが必要、と。ふはは、そのまま言うたれよ。まァお話として展開させていかんならんし、しょうがないところもあるんですが。


とか何とかゴソゴソしているうちに椿さんが場を持ってゆく。ははあ、どうやらこれまでの王子の不調のフリはこの場面へのシコミだったってことか。相手のロンゲさんを疲れさせる、ってとこかな?


みつどもえ増量中!…のえーと、特別編。ホンマは無印の方に含めるべきお話なのかな。まいいや。てことで、ひとはさんのほっぺおっぱい・みっちゃんのセクシーダイエット・ひとはさんのほっぺおっぱいその2・みっちゃんのセクシーダイエットその2・杉崎さんはすしん者、の5本。改めて見ると相当に偏ったチョイスだなあ。そしてどれもひどくて楽しい、みつどもえの真髄のようなエピソードではある。


特別編だからか、作画が全体的によろしいな。よく動いて気持ちよいってのもあるし、主にみっちゃんがぽっちゃりかわいく描けているのが何だか見ててにやけてしまう。TVでダイエットローラーのCM見て、おおおおおってなってるみっちゃんの絵は本当にかいらしかったっすね。お口が三角の…、アレだ昔の缶ジュースの飲み口のような、みなみけとかでよく見るあのカタチになってんのとかね。


あとは千葉氏。「しゃぶらせてくだせえ!」は本当にひどい。頑張れ千葉氏、貴方は常に我々の星である。


●総評。基本的には前シーズンに準拠、楽しくて下品で身も蓋も無い原作をここまでアニメ化してくださったにはあまり文句は無い。その上で今シーズンは全話数が少なかったという制約からか、やたらと詰め込んできた雰囲気ですな。そしてそのギッシリ具合はことのほか原作との相性が良かったと思う。一つ々々のエピソードがかなり濃いィのでちょっと胸焼けしそうな詰め込み具合ではあったんだけど、逆にさっさと視点と雰囲気が変わってゆくテンポのおかげで目先のダレ感が少ない。うーむ、贅沢なアニメとなってたと思う。


キャスティングに関しても引き続き良好。ひとは役の戸松っちゃんは、この作品で新たな演技テンプレを手に入れたなあと思いますよ。個人的には保護者回をやってくれた、それだけで割と満足ではあるが、…千葉母が千葉氏本人と同じキャストだったのがもう、何ちうか誉めていいやら崩折れていいやら。うん。


てことで…うーむ、ここで終わるのはやはり残念だなあ。どうも特大人気作品だったとは言えないようだし、この2期が出来ただけでもヨシとすべきなのだろうけどさ。ま、気長に待ったりしましょうか。続編あるにしても「みつどもえおかわり」とか止めてね。もうこのノリでいいよ。


STAR DRIVER 輝きのタクト・22話。学園祭にて演劇するの巻。元から演劇的志向の強い作品ではあるけれど、こうして真正面から芝居話をやるともうそういう「虚構と現実の相克」っぽい匂いがプンプンといたしますわねえ。芝居の役と、現実における登場人物の立ち位置やその関係性からの距離。別にどうということもない…大災害も無ければ大事件も無い、単なるお芝居で一本というお話なのに、その距離感の変化だけで綱渡りしているような危うい感覚をもわもわと出してくる演出/脚本はまあ、このスタッフお手のものでしょうなあ。…部長と副部長がどうも人外っぽいというネタ、ひょっとして宇宙人ネタですか、って「いつ銀河へと出て行くのかなあ」とか思ってたワシではあるけれどね。


…にしても、世界外存在やらエントロピープルやら…どうも某魔法少女と妙なネタかぶりしちゃったなあ。ま、結局はかなり性質の違うものになってくるのではあろうけれど。


戸松のサカナちゃんが語っていたお話と共通点の多いお芝居だったけど、それについての説明は特に無くてもいいかな、とか思ったり。シンクロニシティ的な符合ってェのはそれだけで「奥が深いような気がしてくる」要素だしね。まァ説明があればあったで困らないけど。あと演劇話のお約束としてのハプニングギャグもちょこちょこ入ってきてて面白かった。あー、特にショートメガネの人、それまで貫禄満点で魔女キャラ演じてたのにバトンでたくし上げ状態になったら途端にはずっかしーィ感じになるとか、うーん。かわいい。よォし! なんかよォし!