神のみ/バクマン/ジャイキリ

神のみぞ知るセカイ・5話。今回の攻略対象はアイドルのかのんさん。冒頭、桂馬さんはリアルと架空のアイドルを比較して案の定「リアルアイドルはカスだ、架空世界アイドルこそ至高」という、実に正しくもすばらし…ううっと危ねェ、丸め込まれかけたぜ。まァその、そこそこ偏った意見を展開されていたワケですが。その後に登場させた「リアルアイドル」かのんさんがこの体たらくだからなあ。劣化だの偶像性の欠落だの、そんなレヴェルじゃねェお人が出てきましたよ。


「ちやほやされてるキャラが唯一自分になびかない主人公に関心を寄せる」ってェのは(皮肉にも上記ヴァーチャルアイドル世界の)定番も定番な要素なんだけど、その「関心」の発露がスタンガンってのは大概ではあるわな。いいともに出たりドラマやCMに起用されたり待ちのお子さんが歌を口ずさんでいたり、どうやらすでにトップアイドルなご様子ではあるが…さて、ここまで「自分を知らない人」を極度に警戒する理由は何か。ま、そこがお話のヘソなんでしょうけどね。


それにしても、攻略対象者は回を追うごとにどんどんとめんどくさい人になってきますなあ。それはそれで楽しいのだけれど、何というかその、作品世界における「現実」の様相がどんどんと桂馬さんの「ギャルゲ」っぽくなってきてんのは、これって意図してることなのだろうか。何となくだが、その二つの世界は対比的に置かれた方が面白い…っちうか、作劇しやすいような気がすんだけど。あと、かのんさんが自分を評して「アイドルとしては地味で古臭い」っちうてるんですが、ピンク髪でアホ毛付きのデザインで地味、ですかあ。(この作品における)アイドルの世界って厳しいのう。うーん、ま、ちょっと古臭くはあるかもしれない。けどね。


バクマン。・6話。いよいよ持ち込みの二人である。彼らの初作品は編集者にどういう評価を受けるのか…まさか編集者は辮髪の巨人じゃないよね? 違うよね? という話、とは違うか。まだまだマンガ…まァ、「週刊少年ジャック」としてのマンガの体は成していないという評価ながら、その潜在的な力量は認められるお二人さん。服部編集者の意見である「ヒット作家に二種類あり、こなた天然かたや計算」っちうのは割と普遍的に判りやすい。この作品の原作者が明らかに後者であるだけに、主人公二人もまた計算系に連なるキャラであるのね。となると当然、ライバルは天然の天才ってワケだ。とまれ、彼らカケダシ漫画家さんのスタートラインはもうちょっと先のようではありますな。


処女作品「二つの地球」のストーリー解説でいきなりの屋良有作ナレ。なんかこう、妙にNHKっぽい生真面目さと豪華さのある演出でしたわ。別に「NHKだから」ってことで演出してるワケじゃないだろうから、こっちの勝手な印象に過ぎんのですけどね。このシーンのマンガ作画に小畑健じきじき出陣。これ、アニメのためにわざわざ描いたんだろうか。意図的に硬くて少々古臭い筆致で描かれてんだけど、確かにこれでペン握って2ヶ月ならとんでもない才能ではあるよね。


冒頭ちょっとだけ、シュージンの家庭の事情が語られる。デキる子供のささやかな反抗を経て今の状況、っちうとこですかね。息子のマンガ活動について、「認めてる」ではなく「スルーしてくれてる」という表現を使ってんのが少々複雑な含みを持ってますな。…っちう要素もともかく、勝生真沙子川島得愛のご両親、ってのが何か妙な生々しさで、ワシちょっと面白かった。個人的に。


GIANT KILLING・7話。老獪ジジイ監督との対戦やいかに…って、アッサリ負けた! そして二戦目もフツーに負け! ここまででAパート終わってませんよ? そら折角ETU追っかけに来た記者の人も記事書けんわな。「跡形もなく崩れ去る」とまさにそんな感じではありますよ。


当然ながらETU周辺の雰囲気はどんどんと悪化してゆく。選手然りサポータ然り記者然り、その中にあってタツミ監督は一向変わらず、フロントに対し飄然と「あと何連敗できる?」と訊くのである。…うはあ、虚構作品のキャラとしてはよう判るけど、大丈夫か? 何か画策する前に全部パアになってしまいますよ?


そういう視聴側を含めたハラハラ感、モヤモヤ感をそのまま代弁するのが黒田さんである。切り込み隊長の吶喊野郎でありムダにギスギスしてる人ではあるが、一方で彼の苛立ちもよく判るワケで。んー、やっぱしブラックボックス指導者は良し悪しだよなあ。あとで「実はこうこういう理由が」って言われても、ワシだったらかァなりの期間悪感情を引きずりそうだ。ま、予告とか見るだに黒田(と杉江)に自分で気付いてほしい、っちう意図もあるんでしょうけどね。