レベルE/バクマン/ジャイキリ/みつどもえ/輝きのタクト

レベルE・4話。謎の人喰い宇宙人の巻、である。いきなし食人をテーマとしたシーンから始まり、その後もずっと陰鬱なトーンで話が進む。こないだのオチのことはあるものの、まだこの作品の「虚構的な強度」がそれほど明らかじゃないのでどうなるのかしらん…と思ったら「実は全て王子の作ったゲームでした」っちう、あーやっぱねーというシメと相成ったワケで。道理でBGの効果が妙にノイジーなものだったし、夢野久四郎だの坂本安吾だののアレな固有名詞が出てきてたし。…基本的には王子がオチを担当する、ってな作品なのかしらね。


ちゃぶ台返しオチを有効とするためには、そのちゃぶ台上のものがちゃんとしていることが重要である。そういう意味で、…まあオチんところで自虐的自己言及はしてるものの、なかなか凝ったお話が構築されていたと思ったりする。上でBGの効果について書いたけど、演出も全体の雰囲気があってよし。宇宙人の遍在というのはMIBを思い出すが、夢野医師の語る宇宙人たちのありかたは、どっちかっつーともっと和風な、そうねえ、ドロロンえん魔くんとかみたいなジメッとした雰囲気があったっすね。「好きになった人を喰わずにはいられない」っちうあざとい業の設定も、ね。


悪ガキたちの一人に佐々木望。この人もコンスタントに少年役やってんなあ、と思って検索したら…ああ、幽々の浦飯さんってそういやこの人だっけ。作者つながりってのもあるんかしらね。あと夢野医師の木下浩之って方もどっかで聞いたなあと検索したら、人狼の辺見役か。この二つしか知らんので、木下さんとなると粘液質のガリ男、っちうイメージになりそうだ。すんませんねえ。


バクマン。・18話。承前、エイジさんとこでのアシ話。冒頭、福田さんによって行われる週刊少年ジャックの体制批判は、当時原作で見てて「おー、よう踏み込んだな」と思ったことではある。逆に言えばジャック…まあジャンプ側としても、この作品のここでは避けて通れない問題として把握していたってことでしょうな。「ここまでは言及してもええやろ」っちう打算があるにしてもね。結局この場では明快な回答を与えていないのだけれど、そこら辺はテメエらで何とかせいやってこっちゃろね。問題も傾向も雑誌のカラーではあるし。


…原作のほうではもう普通にプロ漫画家活動してるけれど、今後彼らがドラスティックにジャンプ/ジャックを変化させていくという、一種の現実改変モノになってったりするという可能性は…まあ、薄いか。


若いカケダシ漫画家たちの議論はなかなか熱く、サイコーとしても気力の奮い立つところではある。ここでシュージンとの溝イヴェントを持ってくるってことは、この熱さをさらに上に持ってゆくタメというかスプリングボードというか、そんなギミックなのだろうな。てかミヨシさん、エエ感じにウザかわいいなあ。アズキさんが一種理想化されてるだけに、こういう質感のあるえろっちさが対比としてよろしい。よろしいって何がよ。


GIANT KILLING・19話。いよいよ対大阪戦、ETUは対策を練る…のだが。「超攻撃的」を標榜する大阪に対し、タツミ監督の具体的な対策はどうやら極端に単純なもののようだ。選手からは「それだけですか」だの「本気か」だの、中で王子だけは「素晴らしい」だの…。基本にある思想は「面白がれるか否か」ということのようなので、王子が絶賛するのはよう判りますけどね。


一方の大阪陣営。確かにどいつもこいつも攻撃的な面構えと性格をしているようだが、その中にあって一人キャラの違う選手が窪田さん。ひょろひょろと歩き視線も定まらず、会話も気の抜けた状態である。一歩間違えば挙動不審の域ですなあ。てことは多分、このお人が大阪の攻撃性の…あるいはウラの要、なんだろうな。他の選手たちとの明確な対比が面白いやね。


試合直前、ETUの選手たちもそれぞれに気合が入る。キャラにあった各々の感情表出がよろしいねえ。黒田さんはガサツに、椿さんは思いつめ気味に、そして夏樹さんはやっぱりよく判らない。ゲーム開始前のタメとして充分なテンションのお話でしたやねえ。


みつどもえ増量中!・5話。おまじないと黒い伊藤さん・杉ママの大来襲・バレンタインのみっちゃん・ホワイトデーの杉ちゃん・みっちゃん公式体重92kgの5本、と「宮なんとかさんは何で生きてるの」のオマケつき。今回もギッチギチであり見てておなかいっぱいの楽しさでありますな。


今回は特に杉崎さんの魅力が大きかったな。ホワイトデーん時の自分が嫌われていると誤解して泣き崩れるシーンは、かなり濃い目の作画と斎藤千和さんの泣き演技で本当にかいらしかった。千和さん演技といえば、松岡さんに「あなた死んでるんじゃないの?」と言われた返しの「はァ!?」もあまりにも見事だった。流石ですわ、コメディエンヌとしての経験が尋常じゃないもんね。


さて、次回はちょっとあきらめかけてた保護者回が来るようで。千葉母は誰になるのかかなり楽しみ。まさか千葉氏と共通ってこた無いだろうと思うが…いや判らんな、この作品のことだし。ちなみにワタシの脳内吉岡父声は中田譲治になってます。


STAR DRIVER 輝きのタクト・18話。小清水のケイトさん担当回、その前編ってとこですか。この作品においては(特に綺羅星さんたちは)表と裏の二つの貌を持つというのが一つのテーマなのだけれど、このケイトさんは今まで「メガネ黒髪のクールいいんちょ」というキャラでほぼ裏表無く存在してきたお方である。実はワコさんたちと幼馴染だったとか、どうやら次の巫女は彼女らしいとか、段階的にキャラの深化は行われてきてはいたのだけれど…ここで持ってきましたなあ。CM前に結構な尺をとってヤりたおすヒトカラ熱唱シーンは、ほぼ繰り返し無しという大概な作画パワー投入の甲斐もあってなかなかのインパクトでござんした。…気合入ってんなあ。


あと引き続き、ゆかなと斎賀のお二人にも焦点は当たる。冒頭の寮生バーベキュー会に乱入して「あ、これは冷戦的一触即発かな」と思わせてバカチン花火大騒ぎとか、とにかくこの作品、前半のシコミでは軽さを重視しますのんな。今回は後半のロボ戦は無し、代わりに謎の闇空間剣術シーンがあったのだけれどね。どうも前後編っぽいので、この闇バトルが来襲のロボバトルに呼応してくるってことなんだろうな。まいいや。


ちょっとクセのある絵ながらおもろかったなあと思ってたが、作監羽山淳一の名前アリ。世間一般的には北斗系のゴッチャリした絵のイメージがある方だけど、こういうシュッとしたテイストも流石に上手いっすよね。