バクマン/ジャイキリ/輝きのタクト

バクマン。・23話。前回の会合を経て、各々思うところのある若手ホープの皆さん。あるいは描き直し、あるいはクォリティのアップを図り、である。読み切りでイチバンが取れれば連載への道も見えてくる! だからこそライバルたちには負けられない! とまあ、割と少年マンガ的な競い合いをしている三組たちとは対照的なコージーさんですな。まその、描かれ方からして一種の悪役的な機能を持たされちゃってるのでしょっがねっちゃそうなんだけど。…これでもっとオトナな、自分の人気も十二分に利用するけど相手の研究も欠かさない、そしてキッチリ研鑽もする…というキャラだったら、ちょっとお話を作るのは難しいか。


この近辺しばらくの間は、エイジさんの立ち位置はほぼ特権的なモノなんすよな。亜城木さんも福田さんも、とりあえずエイジさんの言葉に一喜一憂してんのが面白い。それだけこの人の才能とパワーが安定して高いっちうことなんですけれど、さあて。このまま進むならいつか、同じステージに立って相対しなければならないが…ね。


にしても各漫画家の作品(の一部)までキッチリと出してくるのは毎度エライなあ。小畑先生は相当に筆が早いと聞くけれど、週間連載抱えた上でさらにアニメ用に作品サンプル書き下ろし(ですよね?)ってのは相当だ。流石にみんな小畑っぽい絵になってんのはしかたないにしても、青木/中井センセのメルヒェン絵までのバリエーションもちゃんとやってるしねえ。…これ、原作連載時の絵と比較してる人は居ないかしら。あと平丸さん出てきてたな。キャストが「?」だったけど、何かサプライズでもあんのかね?


GIANT KILLING・23話。タツミ監督はなんとかやってけそうだとの感触を得る。残る問題は、と言う監督の視線の先にあるのは夏樹さん。どーやら試合前に監督が余計なこと言うたおかげで空回りしているらしい。…敵ゴール目前、お前の足元にあるボールは誰のものか。チームのものかお前のものか。さあ、お前にはフォワードとしての決心が足りねェよ、と。


…そら迷うよなこんなん言われちゃァな。感性で生きてるよーな夏樹さんが相手となりゃなおさらである。「そこまでの選手だったってことか」とかシカツメらしく言うてる監督であるが、基本的には監督のプレゼン方法がアカンかったっちうこっちゃよねえ。ちなみに上記質問の正解は「どっちのボールでもある」でした。基本的にはボールってのはチームのものだが、ことフォワードにとってはそれを踏まえたうえで俺の俺の俺のボールじゃいというエゴイズムが必要、と。ふはは、そのまま言うたれよ。まァお話として展開させていかんならんし、しょうがないところもあるんですが。


とか何とかゴソゴソしているうちに椿さんが場を持ってゆく。ははあ、どうやらこれまでの王子の不調のフリはこの場面へのシコミだったってことか。相手のロンゲさんを疲れさせる、ってとこかな?


STAR DRIVER 輝きのタクト・24話。三人のパンチでデート、あるいはデート無しでパンチ。綺羅星さんたちの攻勢が強くなってきており、スガタさんはタクトさんにその覚悟を促したりしているが…その実、みんなの行動原理のモトにはワコさんの存在があるように見えたりもする。すなわち恋愛、すなわち青春。若いっていいねえっちうヘッドの言葉じゃないが、状況的危機と局所的恋愛がそのまんま繋がっている、一種のセカイ系な物語を紡げるってのはやっぱ、こういうお年頃じゃないとリアリティが無いわよね。リアリティというか、ファンタジィでもいいけれど。


からめ手からのアプローチをかけてきたヘッドに対し、何の前フリも無くパンチ一発で吹っ飛ばすタクトさんの思い切りもよろしい。念願どおり「とりあえず一発ブン殴る」ことができましたな。若いっていいねえ…ですか? てことで、ここにきて…っちうかしばらく前から、ヘッドの虚飾は少しずつ、そして加速度的にはがれつつある。単純に薄っぺらくなっているというよりも、本来のリビドーが前面に出てきていると言うべきか。んでもってラスト、そんなヘッドの上に降臨する綺羅星スガタさん! というインパクトのあるオチは良かったな。意外性もあり、同時に納得もする。ふうむ、ラストに向けて役者の再配置が決まってきた…って感じですかな。


絵は毎度ながら良く動くし、かっちょよろしいね。ロボバトルシーンは3vs1の変則マッチで、ここでもダイナミックな動きとかあって面白かったけど、それだけに「連携が良くなってきた」ところをもうちっと見たかったな、という贅沢な思いはアリ。ま、そこばっかりにウェイトを置くようなアニメではないのは重々承知ですけれど。しかし複数攻撃の敵ってのはどーしても、小物っぽくはなりますねえ…お約束としてね。